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写真で見る 新型「メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+」

9月29日に発表した新型ラグジュアリーEV「EQS」(写真はメルセデスAMG EQS 53 4MATIC+)

 メルセデス・ベンツ日本が9月29日に発表会を行なった、バッテリEV(電気自動車)のEQシリーズ初のラグジュアリーモデル「EQS」。そのベースモデルとなる「EQS 450+」はEV専用プラットフォームを採用し、リアアクスルにeATS(電動パワートレーン)を搭載した後輪駆動モデルで、リアモーターの最高出力は245kW(333PS)を発生。107.8kWhのリチウムイオンバッテリを備え、航続可能距離は日本で販売されているEVの中で最長の700km(WLTCモード一充電走行距離)を達成したモデル。

 スポーティで低く構えたフロントセクションと、ひと張りの弓のようななだらかに湾曲した「ワン・ボウ」のラインによって4ドアクーペのようなデザインを形成。キャブフォワードデザインを採用し、通常よりも前方に位置するAピラーと前後のショートオーバーハングにより、ゆったりとしたキャビンスペースを確保している。

 そのEQSのAMGモデルとなる「メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+」は、AMG初のEQモデル。前後に電動パワートレーンeATSを搭載した4輪駆動モデルとなり、レーススタートモードを使用すれば、0-100km/h加速3.8秒と内燃機関を搭載するスポーツカーと同等の性能を発揮する。また、1充電での航続走行可能距離は601kmとしている。

 4MATIC+は、トルクシフト機能によってフロントとリアの電気モーター間で駆動トルクの緻密な連続可変配分を行ない、前後輪に必要な駆動トルクを毎分1万回の頻度でチェックし、必要に応じて前後の駆動力配分の最適化を実施。電子制御なので従来の機械式四輪駆動システムに比べて、はるかに速い反応が可能になったという。

 そのほかにも、技術陣が掲げていた「大きなボディを持つEQSをコンパクトカー並みに容易にあつかえるクルマにする」という開発目標をクリアするために、リアアクスルステアリングを搭載。メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+は最大9度(EQS 450+は最大4.5度)の舵角が付くようになっている。また、ドライブモードはComfort、Sports、Sports+、Individual、Slipperyが用意されている。

ボディサイズは5225×1925×1520mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは3210mm、車両重量は2670kg、最小回転半径は5.3m

 インテリアは12.3インチのコクピットディスプレイ、17.7インチの有機ELメディアディスプレイ、12.3インチの助手席用ディスプレイの3つを1枚のガラスで覆ったワイドスクリーン「MBUX(Mercedes Benz User Experience)ハイパースクリーン」を採用。曲面カバーガラスはキズが付きにくいケイ酸アルミニウムガラスを採用し、掃除が簡単にできるように上からコーティングを施し、指紋などの汚れが付着した場合はマイクロファイバー布で簡単に拭き取ることが可能。

 また、光の反射による視認性の低下を軽減する措置も施されているほか、有機ELディスプレイの経年劣化よる「焼き付き」現象も防止する最新技術を採用しているという。

前後とも左右をつなぐLEDライトバンド(光の帯)を採用
フロントモーター「EM0031」の最高出力は174kW/4858-6937rpm、最大トルクは346Nm/0-4858rpm、リアモーター「EM0028」の最高出力は310kW/4918-6886rpm、最大トルクは609Nm/0-4822rpm。システム最高出力は484kW(658PS)、最大トルクは950Nmとなり、レーススタート使用時のシステム最高出力は560kW(761PS)、最大トルクは1020Nmを発生する
メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+のタイヤはミシュランの「パイロットスポーツEV」で、装着サイズは前後275/40R21。ホイールは空力性能を考慮したデザインを採用
EQS 450+のタイヤはグッドイヤーの「イーグルF1」で、装着サイズは前後265/40R21
フロントまわり
リアまわり
リアスポイラー
サイドミラー前にEQSのロゴ
サイドミラー
サイドミラーウインカー点灯時
サイドの4MATIC+のエンブレムは、ウィンドウウォッシャー液の補充口になっている。なお、ボンネットはメンテナンス時にディーラーメカニックしか開けられないという
シームレスドアハンドルは中央部に触れるとせり上がって開錠し、後端部に触れると施錠される
給電ポートはボディ右側の後部に配置。急速充電(チャデモ)と普通充電が並ぶ。それぞれにカバーも付属する
フロントグリルのAMGエンブレム
ヘッドライト ポジションON
ヘッドライトON
ウインカー作動時
テールランプの内部の螺旋立体造形は電球のフィラメントがモチーフ
ブレーキ作動時
ウインカー作動時
フルフラットの床面もCd値(空気抵抗値)0.20に貢献している。※奥に見えているコードは展示用の電源供給コード

MBUX(Mercedes Benz User Experience)ハイパースクリーンを採用したインパネまわり
ステアリングはパドル付き。左側で中央のディスプレイを操作、右側で運転席のメーターを操作する
センターコンソールのカバーを開けるとドリンクホルダーとUSBポート、キー置きがある
システムスターター、ハザードランプのスイッチなどはセンターコンソールに配置
センターコンソールは2段式になっていて下段は置くだけ充電やUSBポートを配置
センターコンソールボックス内にもUSBポートを完備
天井にはSOSコールスイッチを配置
中央は17.7インチの有機ELディスプレイを採用。これはバッテリ残量表示
シートにはリラクゼーション機能やマッサージ機能が備わる
アンビエントライトは無数に設定色がある
トラックレース(サーキット走行)やドラッグレース(0-400m加速)などのデータも記録可能
エンジン回転や車両の荷重(G)、区間タイム、タイヤ温度などサーキット走行時のデータを記録するロガー機能も充実
助手席専用の12.3インチディスプレイ
運転席のメーターは「クラシック」「スーパーサポート」「トラックペース」など、数種類から表示内容を選択できる
運転席のメーターでもサーキット走行時の荷重(G)などを表示可能
タイヤの空気圧のモニタリングも可能
後席中央部にはドリンクホルダー付きの肘置き
後席
前席
天井のパノラミック・スライディング・ルーフは標準装備
奥行きのあるラゲッジスペース。サイドにネット付きの小物入れも用意
ラゲッジスペースの下段には給電コードなどを格納するスペースを設定
後部席は4:2:4の可倒式。トノカバーを外せば広大なスペースになる

「メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+」とちょっと比べてみた

 ラグジュアリーがコンセプトの「EQS」に対して、ミドルサイズセダンがコンセプトの「EQE」。ほぼコンポーネントは同じだが、大きく異なるのはボディの後方部分。EQSがクーペであるのに対して、EQEはセダンなのでトランクが存在する。また、ヘッドライトまわりなどの仕上げも異なっている。

システム最高出力は460kW(625PS)、最大トルク950Nm、レーススタート使用時のシステム最高出力505kW(687PS)、最大トルク1000Nmを発生
ボディサイズは4964×1906×1492mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは3120mm ※欧州参考値
EQEのフロントにはLEDライトバンドは設定されていない
セダンとはいえ横からのシルエットはあまりEQSと違いがなく、クーペのようなスタイルにも見える
メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+のタイヤはピレリ「P ZERO」、装着サイズは265/40R20
撮影車は参考車両のため左ハンドル仕様
EQEのトランクスペース
後席は4:2:4の可倒式
後席を倒してもEQSのように開口部は広くない
後席を倒すボタンはトランクを開けたところに配置されている