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写真で見る スズキ「エスクード」
(2015/10/16 11:41)
スズキ「エスクード」は、コンパクトサイズのSUV。1988年に発売された初代モデルは、ラダーフレームやサブトランスファーを持ついわゆるクロカン四駆的なシャシーに、SUVライクなエッセンスを加えたモデル。2代目、そして2005年に発売された3代目も一貫して本格派4WDとして発展、進化を遂げてきた。
4代目となる新型はそこから少しクロスオーバー方向に軸足を移し、SUV的な色を濃くしたのが大きな特長になる。この新型エスクードは、2013年のフランクフルトモーターショーにコンセプトモデル「iV-4」として出品されており、その量産車バージョンが4代目エスクードというわけだ。生産はハンガリーのマジャールスズキが担当し、欧州を中心に「VITARA(ビターラ)」として販売中。本年度中には日本に続き中国でも販売される予定となっている。
なお、3代目も引き続き販売されるが、名称は「エスクード 2.4」に変更となる。
エスクードは初代から徐々にボディーの大型化&排気量アップを続け、近年ではミドルクラスの領域まで拡大。だが、4代目は初代と同じ1.6リッターガソリンエンジン搭載と原点回帰。ボディーサイズも4175×1775×1610mm(全長×全幅×全高)と、車幅こそワイドになってはいるものの、十分にコンパクトと呼べる大きさとなった。
搭載される直列4気筒DOHC 1.6リッターVVTエンジン「M16A」は、軽量化に加えフリクション低減などにより燃費性能を向上。最高出力86kW(117PS)/6000rpm、最大トルク151Nm(15.4kgm)/4400rpmを発生する。スズキとしては日本国内初採用となる新開発6速ATと組み合わされることで、JC08モード燃費は2WD(FF)車で18.2km/L、4WD車で17.4km/Lと高いレベルを実現している。
4WDシステムは「AUTO」「SPORT」「SNOW」「LOCK」と4つの走行モード切替機能に加え、「電子制御4WDシステム」「車両運動協調制御システム」を組み合わせたスズキ独自の「ALLGRIP」を採用。新型エスクードではさらに、対角線スリップ時にスリップしているタイヤにブレーキをかけ、スリップしていないタイヤにより多くのトルクを伝達するほか、LOCKモード時に強力なブレーキ制御を行うことで走破性を向上させるなど専用制御が導入されている。トルク配分は100:0~50:50の可変制御。
サスペンションはフロントがストラット、リアがトーションビームを採用。最低地上高を185mmとしたほか、アプローチアングル18.2°、ランプブレークオーバーアングル17.7°、デパーチャーアングル28.2°を確保。SUVらしい走破性が楽しめる。
また、ミリ波レーダーを使った衝突被害軽減システム「レーダーブレーキサポートII」も標準装備。新たに衝突の可能性が高いと判断した場合に警報機能の作動後、さらに衝突の危険が高まると警報とともに弱いブレーキを作動させる「前方衝突警報ブレーキ機能」を採用。自動ブレーキ機能の作動領域も従来の約5km/h~約30km/hから、静止車両に対しては約5km/h~約30km/h、移動車両に対しては約5km/h~約100km/hと作動領域が拡大している。そのほか、ミリ波レーダーにより、約40km/h~約100km/hで、先行車との距離を保って追従走行を行うアダプティブクルーズコントロール「ACC」も標準装備する。
グレードは1タイプで、2WD(FF)と4WDをラインアップ。4WDにはALLGRIP関連のほか、ヒルディセントコントロール、ヒーテッドドアミラー、運転席/助手席シートヒーター、リアヒーターダクトなどの専用装備が用意される。価格は2WDが212万7600円、4WDが234万3600円。ボディーカラーは新色のアトランティスターコイズパールメタリック ブラック2トーンルーフ、ギャラクティックグレーメタリック、コスミックブラックパールメタリック、クールホワイトパールの計4色が用意されている。
【お詫びと訂正】記事初出時、「レーダーブレーキサポートII」で使用するミリ波レーダーの位置を間違えておりました。お詫びして訂正させていただきます。