山田弘樹のスバル「クロストレック」ストロングハイブリッド徹底レポート

第4回:クロストレック S:HEVの売れ行きは? 大阪スバルの人にいろいろ聞いてみた

Car Watch号……ではないけれど、クロストレック S:HEVで大阪に行ったときに聞いた話をご紹介します

クロストレック S:HEVの気になるところ、ズバリ聞きました

 Cセグメントのちょうどよいボディサイズに、スバル初のストロングハイブリッドを搭載する実力派コンパクトSUV「クロストレック S:HEV」。熱烈連載第4回目は、昨年訪れた大阪行脚のスピンオフだ。

 東京・恵比寿の「SUBARU STAR SQUARE」をお手本に、大阪スバルが関西地区の情報発信基地としてオープンさせた城東店で、クロストレック S:HEVについて、いろいろとインタビューしてきた。

大阪スバル 城東店。グレーを基調とした、恵比寿の「SUBARU STAR SQUARE」のようなスタイリッシュな印象の外観。ショールーム内の展示車が外から見えるようになっていて、このときはレヴォーグのMAVICカーが展示されていた
ナチュラルな印象で開放的な雰囲気のショールーム。整備待ちができるスペースや、キッズコーナーも完備

 お相手してくださったのは、大阪スバルのおふたり。末吉秀昭さんは近畿統括本部 統括支援部、道明晃生さんは大阪営業本部 第一営業部の所属で、おふたりとも部長さんだけれど、気さくにお話してくださった。

大阪スバル株式会社 近畿統括本部 統括支援部 部長 末吉秀昭さん(左)と、同 大阪営業本部 第一営業部 部長 道明晃生さん(右)にお話を聞いた

 まずは、気になるその人気から。

──ずばりクロストレックで、ストロングハイブリッドの比率はどのくらいなのでしょう?

末吉秀昭さん:肌感覚にはなってしまいますが、いま(2025年9月時点)は7:3(※)くらいでストロングハイブリッドという感じですね。

※全国でならすとおおよそ5:5の比率となり、10月からはマイルドハイブリッドモデルの販売施策「SUBARUスタートアップキャンペーン」を開催したため、直近だとマイルドハイブリッドモデルの方が比率が高いとのこと。

──それは多いですね! 価格も高くなるから、もっと少ないと思っていました。

道明晃生さん:競合車種でハイブリッドが多いことも、少なからず影響していると思いますよ。

──例えば「2.0リッターエンジンでストロングハイブリッドはないの?」なんて言われませんか?

末吉さん:それよりも、「もう少し小さな排気量でストロングハイブリッドはないの?」という声があります。インプレッサ XVの時代は、1.6リッターAWDのガソリンモデルがあったからでしょうね。

──純粋なガソリンモデルも、なくなってしまいましたからね。では、クロストレック S:HEVの競合車は、ずばり何ですか?

末吉さん:カローラ クロスですね。少し前だとCX-5も、よく一緒に検討されていました。

──インプレッサとは競合しないのですか?

道明さん:そこはあまり競合しないんですよね。インプレッサだと50歳以上の方々、ずっとセダンに乗られていた方々に選ばれることが多いんです。ダウンサイジングですね。

末吉さん:クロストレックだと、年齢層が若くなります。マイルドハイブリッドのe-BOXERは30代、ストロングハイブリッドは40~50代の方々に人気です。

クロストレックは幅広い年齢層に選ばれているそうだ

──見た目もラギッドになったし、アウトドアテイストですもんね。

道明さん:XVの頃は、もう少しデザインも中性的だったから、女性の方も好んで選んでくださいました。いまは圧倒的に男性が多いですね。

──実際インプレッサとクロストレックでは、どちらが多いですか?

道明さん:地域柄ということもあるかもしれないですが、クロストレックですね。

──やっぱり大阪のお客さまが多いのですか?

道明さん:この城東店はディーラー機能も持っているのですが、基本的にはメーカーと一緒に情報発信をする場所ですので、近隣の県からもお客さまがいらっしゃいます。限定モデルの「S210」なども展示したんですよ。

末吉さん:ディーラーへ行くとどうしても購入前提になってしまいますけれど、ここならクルマをじっくり見ながら、内容も詳しく聞くことができるんです。もちろん、試乗もできます。

──それはいいですね!

末吉さん:話題のフォレスターも、ターボとS:HEVの両方を試乗車としてご用意しています。それだけじゃなくて、おすすめのディーラーオプションをライトカスタムして置いています。

──都市部の大阪でも、スバル車は人気ですか?

末吉さん:大阪府下や近隣の兵庫などは南北に長い地域なので、年に何回かは雪が降るんですよ。そして、雨の日の安心感が違うということで選んでいただけることも多いです。あとはご実家が山の手にあるとか、高速道路でも湾岸地域は風が強いので、雪だけじゃなくてオールラウンドな良さが受け入れられています。

──燃費について、お客さまの反応はどうですか?

道明さん:燃費については、実はあまり話題にならないんです。昔はターボモデルの燃費についてよく聞かれたり、言われたりしたのですが。「アイサイト」が出てからは、さほどその声が大きくないんです。

末吉さん:アイサイトが出たおかげで、燃費も良くなったんだと思います。そして、燃費以上に「安全」という魅力が上まわったんだと考えています。

燃費よりも「安全」を重要視するお客さまが増えているそうだ

──確かに、アイサイトを使っていれば必要以上にアクセルを踏まなくなりますよね(笑)。

末吉さん:ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)は他車にも付いているのですが、みなさん「アイサイトが欲しい」と言ってくださいます(笑)。

──ストロングハイブリッドの評判はいかがですか?

末吉さん:一番嬉しかったのは、レヴォーグの1.6ターボに乗ってくださっていたお客さまが乗り換えて、「走りのパフォーマンスやアクセルレスポンスに不満がない」と言ってくださったことです。ハイブリッドでも、スポーティさが感じられるところに共感してくださいました。今までターボに乗っておられた方は、ハイブリッドに対してちょっとネガティブな印象を持つことが多いのですが、乗っていただくとすんなりなじんでくださる場合が多いです。

──興味はあるけど、ちょっとアンチみたいな(笑)。そんな方でも、城東スバルなら商談を気にせず気軽に試乗できるからいいですね。私もロングランテストをしていて、クロストレック S:HEVは「スバルらしさを失っていないハイブリッド」だと思っていました。

道明さん:素のバランスの良さを崩さずに、ハイブリッド化できているんだと思います。

──逆に、いまのお客さまは「ボクサーエンジン」に思い入れはありますか?

道明さん:「ボクサーエンジン」を知らないお客さまもたくさんいます。私たちが現役の販売員だった頃は、それが売りだったんですけどね(苦笑)。

末吉さん:やっぱり今は「アイサイト」だと思います。「スバル=アイサイト」と言ってもいいくらい、この言葉と技術が販売の潮目を変えました。

時代が移り変わり、「ボクサーエンジン」よりも「アイサイト」の方が知名度が高くなってきている

──「アイサイトX」のニーズはどのくらいですか?

末吉さん:地域によっては有料道路を普段使わないところも結構あるので、意外と「アイサイトXなし」も人気なんですよ。有料道路じゃないけどバイパスが充実しているから、「Xはなくてもアイサイトは欲しい」というニーズがあります。

道明さん:とはいえ、全体で見るとアイサイトXを選ぶ方が多いですね。リセールバリューも変わってきますし、残価設定型クレジットで買えば月々の負担も少ないですから。

──なるほど! 残クレについては、ちょっと勉強してみたいです。それでは最後に、スバル車の魅力って何でしょう?

末吉さん:体に“なじむ”ことだと思います。乗れば乗るほど、どんどんフィットしてくる。それは、昔から変わっていない魅力だと思いますね。

──確かに! それは自分も感じていました。なるほど、言葉にできない良さってこれだったわけですね。

クロストレック S:HEVが受け入れられている理由

 さすがは、長年大阪スバルでセールスを担当してきたおふたり。その話は極めて現実的で、ユーザーの感覚に近かった。そのうえで、スバル車の魅力をよく理解されていた。

 今回わかったのは、クロストレック S:HEVが好調なこと。実際の燃費が良くなっただけでなく、トータルパフォーマンスの高さでユーザーに受け入れられていたことだ。

 いつかクロストレックユーザーのみなさんと広い場所に集まって、キャンプミーティングとかしてみたいなぁ。チューニングやドレスアップだけじゃなくて、クロストレックで遊び倒しているお話を、いろいろ聞いてみたいと思った筆者であった。

 やっぱりクロストレック S:HEVは、名車である!

お話を聞かせていただきありがとうございました!
山田弘樹

1971年6月30日 東京都出身。A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。日本カーオブザイヤー選考委員。自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。編集部在籍時代に参戦した「VW GTi CUP」からレース活動も始め、各種ワンメイクレースを経てスーパーFJ、スーパー耐久にも参戦。この経験を活かし、モータージャーナリストとして執筆活動中。またジャーナリスト活動と並行してレースレポートやイベント活動も行なう。

Photo:高橋 学