山田弘樹のスバル「クロストレック」ストロングハイブリッド徹底レポート
第3回:乗り味を変えたくて「STIフレキシブルドロースティフナー リア」を装着するため、三鷹に行ってきた!
2026年1月6日 00:00
「クロストレック S:HEV」に“リニアリティ”が欲しい!!
ストロングハイブリッドを搭載した「クロストレック S:HEV」の熱烈連載3回目は、「いざ、聖地へ」。クロストレック用にラインアップされる「STIフレキシブルドロースティフナー リア」を装着するために、東京スバル 三鷹店へと赴いた。
STIフレキシブルドロースティフナーを装着しようと思ったのは、まず筆者がこれまで数々のSTIパーツ装着車を試乗して、その効果を体感していたから。そしてクロストレック S:HEVのハンドリングに、もうちょっとだけリニアリティが欲しいと常々思っていたからだ。
「リニアリティって、なに?」
それは操舵応答性が、自然なこと。連載第1回でもインプレッションしたが、クロストレックの乗り味は、ひとことで言うと“大らか系”。クロスオーバーSUVならではのたっぷりとしたサスペンションストロークを生かして、どんな道でもふんわり・しなやかな乗り心地を実現しているのが、ひとつの大きな特徴である。
ただこうしたクロスカントリー的な足まわりが、デコボコしていない路面だと、ステアリングレスポンスを若干鈍くしてしまっているのも事実。いったんコーナリング体制に入ってしまえば抜群の応答性を発揮するのだけれど、このふんわりとした足まわりがその領域まで縮むのに、少し時間がかかるのだ。
結果として、ハンドルを切った初期の手応えも薄くなる。街中のように速度域が低ければタイヤのグリップ力だけでもスイスイと曲がれるけれど、速度が上がってくるに従い、応答性が鈍くなってしまうのだ。
クロストレックはアウトドア志向のクルマだし、よりスポーティな走りを望むなら、車高が低いインプレッサを選べば良いというのもわかる。しかし、残念なことにインプレッサには、ストロングハイブリッドは設定されていない。それに、いま乗るならやっぱり、背の高いコンパクトSUVを選びたいじゃないか。
そんなとき、STIパーツの存在を思い出した。そして、これを体験させてもらえることになったのだった。
ちなみに筆者が今回装着したいと考えたのは、「フレキシブル系」と呼ばれるシャシー用のパフォーマンスパーツたち。しかしクロストレック S:HEVには、「フレキシブルドロースティフナー リア」の設定しかなかった。
というわけでCar Watch号には、「フレキシブルドロースティフナー リア」を装着することになったわけだが。ここで「フロントの応答性を上げたいのに、リア用パーツを着けても意味なくね?」と突っ込んでくれた読者のアナタ、とっても鋭い。
最初は筆者もそう思っていて、あー企画倒れに終わっちゃったなぁ……と思ったのだけれど、STIいわく「リアに着けても、ハンドリングは良くなります!」というのである。
え、まぢデスか? それは、興味津々。だったら根掘り葉掘り、聞いてみよう! ということになり、当日はSTIのお膝元である三鷹で、STI 車両実験部 車両実験グループの柏井健太郎さんにお話を聞けることになったのだった。
柏井さんいわく、現状クロストレック S:HEVに「フレキシブルタワーバー」が設定されていないのは、衝突安全上の理由からだという。
「クリアランス的には、装着が可能です。しかしS:HEVはエンジンの上部にPCU(パワーコントロールユニット)があり、衝突時電装系に金属パーツが接触する可能性があるため、現状ではラインアップが見送られています」。
というわけだ。だからマイルドハイブリッドの「GU」型なら、装着できる(いいなぁ)。また、ストロングハイブリッド用に、通電性のない材料を使うことも検討されている。
フロント用のフレキシブルドロースティフナーがラインアップされていないのは、アンダーカバーがあるから。クロストレックのアンダーカバーは、車体下部を守りながら、空力性能を高めて燃費を良くするためだろう、かなりきちんと作り込まれていて、ドロースティフナーを付けるスペースが稼げないのだ。
ということでようやく「フレキシブルドロースティフナー リア」の登場だが、これはリアバンパーの裏側、ボディ後端にあるサブフレームの左右両端を結ぶパーツだ。ねじ込み式のロッドを締め込んで、サブフレームを引っ張る(ドローイング)ことで、操舵応答性を高めるのが狙いである。
その原理は、スプリングにプリロードをかけておくのと同じだ。最初からある程度ボディのしなりを取っておく(スプリングを縮めておく)ことで、入力に対する作動時間が早くなる。だから取り付け場所がリア側でも、ハンドリングが変わるというわけである。
果たしてその効果はというと、これが面白いくらいわかりやすく変わった。柏井さんは「営業所から出るとき、段差を乗り越えるだけでわかりますよ!」と言ってたけれど、まさしくその通りだ。段差を超えて“ドスッ!”と着地したときに、一発でバウンスが収まるようになった。
そしてステアリングを切ったときの応答性が上がったから、街中での運転がとてもしやすくなった。路肩に駐車したクルマを避けたり、車線変更をするときなど、舵角が少ないときでもクルマが反応しやすくなったのだ。
対して高速道路など、速度域が上がった状況での操舵応答性は、思ったよりもマイルドだ。ステアリングの切り始めからグーッとリアに荷重が乗って、それをアクセルとステアリングで曲げていく感じ。個人的にはもっとフロントが入っても良いと思ったけれど、変化が大きすぎないのはいいと思う。そして段階的にハンドリング性能を高めていく意味でも、フロントのスティフナーやタワーバーは、ぜひ開発してほしいと感じた。
トレードオフの面もしっかりあって、段差を超えたときの収束が早くなる分だけ、ショックの伝わり方(特にリア)はダイレクトになった。だから乗り心地も含めて完璧を期すなら、ダンパーの減衰力はもう少し高めにしたいと感じた。
とはいえノーマル状態とどちらが好み? と聞かれたら、筆者はドロースティフナー付きだ。変更したばかりのときはその変化が楽しくて「断然コッチ!」と思ったが、そこから距離を重ねても、その気持ちは変わらなかった。のんびり走るならノーマルのバウンス感もありだけど、クロストレック S:HEVとの一体感を高めたいならこの「フレキシブルドロースティフナー リア」、かなりおすすめです。



















