山田弘樹のスバル「クロストレック」ストロングハイブリッド徹底レポート

第2回:約3か月で6000km以上走った燃費は? なんとなく中央値が見えてきた

気になるクロストレック S:HEVの燃費は!?

走るたびに走行記録をつけて、燃費を確認

 2.5リッターの排気量を持つ自然吸気の水平対向4気筒に、トヨタ譲りのハイブリッドシステムを組み合わせ、基本的にはフルタイムで4輪を駆動しながら、18.9km/Lの燃費を達成したスバル「クロストレック S:HEV」。今月はこのスバル渾身のパワーユニットで、一番気になる燃費性能を深掘りだ。

 ちなみに、Car Watch号の現時点での走行距離は1万3515km(11月23日現在)。この子が私のもとに初めてやってきたのは8月8日で、このときオドメーターは7329kmだったから、3か月半で6186kmも走ったことになる。

 そして毎回走行後には記録をつけていたから、このクルマの燃費特性がわかってきた。

写真を撮った1万2037kmからさらに走って、いまはもう1万3515kmまで走行距離が伸びた。そんな3か月半、6186km走った燃費の印象をお伝えする

 先にお伝えした走行距離からもわかると思うが、筆者はその仕事柄、ロングドライブをする頻度がとても多い。試乗会場やロケ地は大半が関東近県で、近くても50km、だいたい100kmの道のりを月に何度も往復する。

 その道程は横浜市にある自宅から街中を通り、バイパスや高速道路を走って再び一般道へ。ときおりそこからワインディングまで走るなど、走行条件もバラエティに富んでいる。移動は基本的に筆者1人で、荷物も自分のカバンだけだ。

 こうした状況の中で走らせたクロストレック S:HEVの燃費は、おおよそ17km中盤~18km中盤/Lというのが肌感覚だ。そしてここにワインディングが挟まると、2~3km/L落ちるイメージ。無理にエコランさせるわけではなく、一般の流れに沿ったごくごく普通の走らせ方である。

 ちなみに筆者の奥さんにもモニターとして参加してもらっているのだが、彼女が運転すると、だいたい13~15km/Lのアベレージになる。その使用範囲が主に街中であることを考えると、クロストレック S:HEVの全体像がぼんやり見えてくる。もうひとつ付け加えると、彼女が広島まで1人でロングドライブしたときは、1460km走って17.39km/Lだった(満タン法)。

 こうしたデフォルトのイメージをひとつの指標にして、では燃費が悪いのはどんなときかというと、まず走行距離が短くて、さらに停車することが多いときだった。具体的にいえば、近所へ買い物に行くときなどがこれにあたる。

 バッテリ残量に余裕があればモーターで再発進できるけれど、エンジン始動で走り出すと、当たり前だが燃費には影響する。信号待ちからの再始動などはモーターによる発進がほぼ可能だけれど、いったん駐車してからの再始動では、エンジンスタートの頻度が多い印象。「スタートボタンを押すと同時にEVモードボタンを押す」という手順も忘れがちだし、それでも状況によってはEVモードに入らないことも普通にある。

 筆者は乗るたびにトリップAをリセットして走っているのだが、ちょい乗りの最低記録は8.1km/Lだった。

 次に燃費が悪くなるのは、当然ながらシンプルにアクセルを踏んだとき。エンジンを元気に回して加速するような状況だと、今まで刻んだ燃費計の数字が目に見えて減っていく。

 だから面白いことに、クロストレック S:HEVに乗るようになって筆者は、不必要な加速をすることが本当に少なくなった。パワーメーターの針を、グリーンの「ECOゾーン」に収めておくのは当たり前。パワーユニットの制御もインテリジェンスモード主体で、Sモードを使うことはまずない。

これまでと運転の仕方が変わってきた

 こうした運転でもストレスを感じないのは、2.5リッターエンジンの常用トルクが太いからだ。……と言いたいところだが、正直に言うと体感的には、エンジンの効果はわかりにくい。

 何しろエンジンの様子を知ろうにもタコメーターは付いていないし、そもそもECOゾーンで走らせていると、このエンジンはあまり主張してこないのだ。回すと気持ちいいんだけどね~。

 ちなみにスペック上だと、マイルドハイブリッドのe-BOXERが搭載する2.0リッターの「FB20」と、ストロングハイブリッドの「FB25」の間には、15PS/21Nmしか出力差がない。

 であれば、ボディの大きなフォレスターならいざしらず、クロストレックのエンジンは2.0リッターでもよかったのでは? その分もっと、価格を安くしてくれたらいいのになぁ……と思わなくもないが、それでもスバルがS:HEVに2.5リッターを選んだのは、総合的な判断があったからだろう。

 まず1.1kWh(マイルドハイブリッドの約2倍)のバッテリを効率よく充電しなければならないし、チャージ時だってエンジン回転数を低くして、静粛性も高めたい。そして絶対的なパワーを得たいときも、排気量が有利に働く。マイルドハイブリッドとの差別化をわかりやすくする上でも、こうなったのだと思う。

 そしてこの「ちょっと余裕があって贅沢な感じ」も、クロストレック S:HEVの特徴のひとつになっている。

ドライブしたときの「ちょっと余裕があって贅沢な感じ」がいい

 逆にもっとも燃費がよいと感じるのは、60~80km/hのクルージングだ。

 この領域だと浅いアクセル開度での加速が可能で、ほぼモーターだけで走ってくれる。そして流れに乗れればアクセルオフで空走できるから、結果的に燃費がよくなるわけだ。

 対してこれが街中だと、モーターだけで走ることはできても、コースト領域が少なくなる。電池がなくなればエンジンで発電する必要が出てくるから、適度な車速を安定して保てる広い国道や、バイパス路での燃費が一番よくなるというわけだ。また回生ブレーキの充電量も、街中より速度が出ている分だけ多くなる。

 そしてこの状況を高速道路に当てはめると、割と混んでいるときの燃費がいい。つまり、渋滞しているときは燃費を伸ばすチャンスだ。プンスカして頻繁に車線変更したり急加速せず、いかにモーター走行とコーストを多用して燃費を伸ばせるかチャレンジすれば、カリカリしないですみますぞと。

 ちなみに筆者はこうしたシチュエーションで、初めて燃費計の数字が20km/Lを超えた。それがとっても嬉しかったのであった。

SUBAROADも走って、クロストレック S:HEVとの生活を楽しんでいる

 以下、クロストレック S:HEVが来てからの走行記録をお伝えする。ガソリンはその都度給油のときだけでなく、前回給油したときからの距離で割っているものもあることをご了承いただきたい。

クロストレック S:HEVとの記録

2025年8月8日(金)

クロストレックがやってきた! 恵比寿~自宅まで首都高を使って帰宅。都内は大渋滞。
走行距離:約32km
メーター読み燃費:15.7km/L

2025年8月10日(日)

羽田まで首都高を使って往復。ユーザー登録してみた!
走行距離:約37km
メーター読み燃費:15.0km/L

2025年8月11日(月)

都内の友人宅へ。街中~首都高。街中の乗り心地はソフトで快適。
走行距離:約53km
メーター読み燃費:17.5km/L

2025年8月16日(土)~17日(日)

取材で富士スピードウェイへ。アイサイトX快適。
走行距離:約306km
メーター読み燃費:16.9km/L
給油量:26.59L
満タン法燃費:16.13km/L

2025年8月19日(火)

取材で袖ケ浦フォレストレースウェイへ。朝早いときにこの乗り心地のよさが効く(笑)。
走行距離:約173km
メーター読み燃費:17.3km/L

2025年8月21日(木)

私用で都内まで。街中で渋滞が多いと燃費悪いな。
走行距離:約103km
メーター読み燃費:15.4km/L
給油量:19.21L
満タン法燃費:14.36km/L

2025年8月22日(金)~24日(日)

旅行へ。エアコンダクトがないから後ろの席が暑かったらしい(笑)。
走行距離:約238km
メーター読み燃費:13.8km/L

2025年8月27日(水)~28日(木)

試乗会へ。CarPlayのつながりが悪い。ストレス!
走行距離:約331km
メーター読み燃費:17.2km/L
給油量:20.94L
満タン法燃費:15.8km/L

2025年9月1日(月)

奥さんが仕事で使用。
走行距離:約20km
メーター読み燃費:メモ忘れ(汗)

2025年9月8日(月)

お買い物でスーパーへ。今さらながらにカメラ俯瞰モードを知った! 駐車しやすい!
走行距離:約2km
メーター読み燃費:8.1km/L

2025年9月12日(金)

奥さんが仕事でビッグサイトへ。「だんだん愛着わいてきたー」とのこと。
走行距離:約65km
メーター読み燃費:メモ忘れ(汗)

2025年9月13日(土)

取材で富士スピードウェイへ。ちょっとメーターと満タン法の乖離が大きい。
走行距離:約196.5km
メーター読み燃費:18.3km/L
給油量:12.21L
満タン法燃費:16.09km/L

2025年9月22日(月)

奥さんが岡山経由で広島に行く。しかも1人で。
走行距離:約1460km
メーター読み燃費:17.3km/L
給油量:83.95L
満タン法燃費:17.39km/L

2025年9月25日(木)

羽田空港往復。
走行距離:約40km
メーター読み燃費:16.2km/L

2025年9月27日(土)

取材で富士スピードウェイへ。
走行距離:約179km
メーター読み燃費:17.9km/L
給油量:13.55L
満タン法燃費:16.28km/L

2025年9月29日(月)

取材で都内へ。
走行距離:約46km
メーター読み燃費:17.7km/L

2025年9月30日(火)

試乗会で御殿場へ。
走行距離:約166km
メーター読み燃費:17.8km/L
給油量:12.8L
満タン法燃費:16.6km/L

2025年10月1日(水)

神奈川県内で試乗会。
走行距離:約61km
メーター読み燃費:18.0km/L

2025年10月3日(金)~4日(土)

メデ耐で富士スピードウェイへ。
走行距離:約224km
メーター読み燃費:16.31km/L
給油量:18.22L
満タン法燃費:12.3km/L

2025年10月11日(土)~12日(日)

取材で富士スピードウェイへ。毎週通っている……。
走行距離:約442km
給油記録忘れ……。

2025年10月13日(月)~14日(火)

取材で群馬へ。
走行距離:313km
メーター読み燃費:16.8km/L

2025年10月16日(木)~17日(金)

SUBAROAD神奈川をしに行ってみた!
走行距離:約377km
メーター読み燃費:16.5km/L
給油量:23.26L
満タン法燃費:16.22km/L

2025年10月20日(月)

取材で都内へ。
走行距離:約94km
メーター読み燃費:17.1km/L
給油量:6.65L
満タン法燃費:14.21km/L

2025年10月21日(火)

近所をぶらりおでかけ。
走行距離:約11km
メーター読み燃費:13.5km/L

2025年10月25日(土)

羽田空港へ。
走行距離:約38km
メーター読み燃費:14.3km/L

2025年10月27日(月)

奥さんが仕事で使用。
走行距離:約14km
メーター読み燃費:14.4km/L

2025年10月29日(水)

奥さんが仕事で使用。都内~埼玉へ。
走行距離:約241km
メーター読み燃費:メモ忘れ(奥さんメモ忘れすぎ!!)

2025年10月31日(金)

取材で伊豆まで。ワインディングをスポーティに走ってみたら燃費落ちた(汗)。
走行距離:約241km
メーター読み燃費:19.7km/L
給油量:20.95L
満タン法燃費:11.5km/L

2025年11月1日(土)

都内でイベント。そのあと親戚のおうちへ。
走行距離:約55km
メーター読み燃費:19.2km/L

2025年11月5日(水)

奥さんが仕事で関東近郊を走り回る。
走行距離:約274km
メーター読み燃費:メモ忘れ

2025年11月8日(土)~9日(日)

取材で富士スピードウェイへ。初めてメーター読み燃費を満タン法が上回った!?
走行距離:約438km
メーター読み燃費:16.9km/L
給油量:29.48L
満タン法燃費:17.32km/L

2025年11月14日(金)

取材で富士スピードウェイへ。
走行距離:約178km
メーター読み燃費:19.7km/L
給油量:9.42L
満タン法燃費:18.94km/L

山田弘樹

1971年6月30日 東京都出身。A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。日本カーオブザイヤー選考委員。自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。編集部在籍時代に参戦した「VW GTi CUP」からレース活動も始め、各種ワンメイクレースを経てスーパーFJ、スーパー耐久にも参戦。この経験を活かし、モータージャーナリストとして執筆活動中。またジャーナリスト活動と並行してレースレポートやイベント活動も行なう。