試乗記
スバルのドライブアプリ「SUBAROAD」をストロングハイブリッドの「クロストレック」で走る! グルメやお土産情報もある浜松ショートコースをたっぷり満喫
2025年7月11日 12:31
Car Watchで走る3コース目は新設ショートコース!
スバルが提案する「SUBAROAD」は、旅のプロセスそのものを楽しませてくれる新感覚のドライブアプリだ。スバル車ならではの走りのよさを感じてもらうために、目的地への最短距離を優先するカーナビでは見られない景色や、コース設定にこだわったナビゲーションを提供するのが最大の特徴である。もちろんスバルオーナーじゃなくてもアプリをスマホにダウンロードすれば、そのナビゲーションを楽しむことが可能だ。
そんなSUBAROADは常に開発陣が新しいコースを開拓しており、サービス開始当初は10か所だったコースが、今では全国のエリアに、合計27か所ものコース設定がなされるまでになった(北海道エリア、行ってみたい!!)。ちなみに筆者とCar Watchはこれまで「千葉/房総」コースと「群馬」コースを走破している。
ということで“SUBAROADマニア”を自称する筆者とCar Watchは、新たに設定された東海エリアの「浜松」コースをトライしてみた。旅のお供は、「クロストレック S:HEV」だ。
浜松コースのタイトルは「ちょこっと遠州ドライブ! ご当地グルメ満喫のお試しコース東海」。“ちょこっと”という言葉からも分かる通り、今回のコースは「近い・短い・グルメ」がコンセプトのショートコースだ。遠州とは浜名湖周辺の地域を指していて、スタート地点である「新瀬戸橋前駐車場」から、ゴールとなる「蔵王山展望台」までの総走行距離は58km。走行時間は2時間と、アプリには表示されている。Car Watchチームは例のごとく撮影をしながら、お昼も食べて景色も眺めて、じっくりすべての行程を堪能したけれど、5時間弱で回り切ることができた。
そしてもう1つ。今回SUBAROADには、うれしいアップデートが加わった。なんとこの浜松コースを含めた新しいコースのいくつかには、「ご当地グルメ」が盛り込まれたのだ。
これまで2回の経験から、スバルには「その土地でしか食べられないグルメや、お土産の情報を盛り込んで!」と力説していたのだが、どうやらアンケートでもその声は多かったらしく、ついにグルメ情報が追加された。
2時間のショートコースを走り出す
朝8時30分にホテルを出発して、浜名湖遊覧船の発着所となる「新瀬戸橋前駐車場」にサクッと到着。さっそくスマホからSUBAROADのアプリを起動すると、今回もスバロウ君が、元気にAIボイスで案内を始めてくれた。
最初に目指したのは、豊橋市にある「立岩公園」。東海道新幹線の車内からも見えるという、巨大な岩山のふもとにある小さな公園だ。そこまでの道のりは、「オレンジロード」と呼ばれる蒲郡有料道路(現在は無料)を通った。適度なアップダウンのあるワインディングはゆっくり走るだけでも実に気持ちよく、クロストレック S:HEVの軽快な走りにもジャストフィット。
毎回感心させられるのはSUBAROADがこうしたワインディングはもちろんのこと、畑の中や脇道といった、カーナビ任せでは絶対に通らない道を選んでコース設定をしていること。そして絶妙なタイミングでスバロウ君が小ネタを挟み、車内は「へぇ~」っと盛り上がった。
旅のハイライトは、いきなりやってきた。
たどり着いたのは、天竜浜名湖鉄道の「新所原」駅。小さな駅の改札横にある「駅のうなぎ屋 やまよし」さんが、次の目的地に設定されていたのであった。
……って今まだ、10時半なんですけど(汗)。
浜松編の壁紙にもあるとおり、やまよしさんのうなぎ弁当は間違いなく、今回のメインディッシュだ。本音を言えば、あと1つくらいアトラクションを挟んでお昼ジャストにやまよしさんにたどり着くのがベストだが、そこまでうまくはコースの設定ができなかったのだろう。
つまりお昼ジャストでうなぎ弁当を食べたいならば、スタート時間は10時くらいに設定して、のんびりオレンジロードを走ってくるとよい。お店が開くのは10時45分からで、イートインはない。焼き上がりまでの時間はかなり早く、注文から10分くらいだ。
ということで筆者たちは少し時間をつぶしてうなぎ弁当を買い、「道の駅とよはし」のベンチでお昼をいただくことにした。
肝心のやまよしさんのうなぎ弁当は、ちょっと冷めてもすごくおいしかった。製法は関東に多い背開きだが、焼き方は蒸しを入れない関西風とのこと。ちなみに筆者の母方の田舎も静岡は三島でうなぎ屋をやっているのだけれど、関東と関西の中間に位置する静岡や愛知では、焼き方や開き方が折衷される話はよく聞かされた。
そして串打ちもしないからだろう、やまよしさんのうなぎはお弁当にして、多少蒸れても身が崩れない。むしろほどよくふっくらしており香ばしく、1人1尾をぺろりと平らげた。
また、うなぎが苦手だったり、予算が合わなかったりするという場合は、「道の駅とよはし」のフードコートもおすすめだ。今回はお腹いっぱいで無理だったけれど、スバロウ君がうんちくを話してくれた「豊橋カレーうどん」も、とても興味深い。
腹ごしらえをしたあとは、伊古部海岸で遠州灘を満喫した。ネタバレ防止で多くは語らないけれど、海岸に続く坂道はゆっくり降りてほしい。途中できっと、「わぁ!」と声を上げてもらえること請け合いだ。そして砂浜に下りたらそこに思い出を刻んで、波とたわむれてほしい。
そしてクロストレックは、海にもよく似合うなと思った。筆者はマリンスポーツをしないけれど、釣り竿とクーラーボックスを積んでサクッとやってきたくなる。いやいや折りたたみ式のチェアなんかを積んで、ただただ海辺で本を読んでいるだけでも、最高に贅沢だろう。
軽快なハンドリングだけでなく、クロスオーバーボディを支える足腰の確かさや、ストロングハイブリッドのトルキーな出足のおかげで、足取りは実に軽い。だからその適度なボディサイズと合わせて、どこにでも出かけて行きたくなる。
ストロングハイブリッドと環状フレームのカップリングが生み出す、質実剛健かつ優しい乗り味は、アクティビティ後の疲れを癒やしてくれる。その上でアイサイトXを使えば、安全に帰路に着くことができる。
もう少し動的質感にエモーショナルさや、硬質感があったら言うことないけれど、それは次のステップにとっておこう。ジャストサイズなボディに2.5リッターのハイブリッドエンジンを搭載するクロストレック S:HEVは、本当に素晴らしいCセグメントのコンパクトクロスオーバーだと思う。
最終目的地の「蔵王山展望台」に着いたら、浜松編はこれにて終了。訪れてきた遠州灘や三河湾、そして豊橋の街をぐるっと一望できる眺めは壮観で、夜景を楽しむならやはりスタートは、ちょっと遅めがよいだろうと思った。
というわけで総評は、「SUBAROADに、はずれなし!」。
相変わらずナビゲーションはたまにロストするけれど、だからといって困ることなど何ひとつない。知らない道を走り、たまに迷っては笑い、プロセスそのものを満喫しながら楽しむさまは、ちょっとしたロードムービーのようだ。
次は絶対、北海道に行ってみたい!!































