特別企画
【特別企画】「アウトランダーPHEV」で春を先取り、ナガシマリゾート“なばなの里”へ行ってきた(前編)
アウトランダーPHEVの燃費性能から肉の焼き加減まで!? いろいろ試してみました
(2014/3/26 00:00)
電気を作りながら走行できて、100V AC電源(1500W)を利用すればアウトドアも難なく可能という三菱自動車工業の「アウトランダーPHEV」。エコなだけでなくこうしたお楽しみがあると聞けば、その実力を試したくなるというのも頷ける。
「アウトランダーPHEVでキャンプをしに行きませんか? 電力使ってバーベキューなんかもして」。Car Watch編集担当から能天気な電話があったのは、たしか2月下旬のことだ。どうも電気を使って何かしたいことは伝わってきた。だがしかし、大雪に悩まされた都心にはまだその面影が残り、寒々しいことこの上ない時期である。頭にあるのは雪のことばかりであり、アウトランダーPHEVで出掛けるのであれば雪山というのが通常の思考だ。
だからその電話に対してこう切り返した。「ゲレンデへ行ってスキーでもして、その休憩時間にアウトランダーPHEVの電力でコーヒーでも飲むっていうのはどう? 雪道の走破性なんかも紹介できるでしょ」。それに対し編集担当は「いやいや、春っぽい絵が欲しいんですよ。で、考えたんですけどね。河津桜だったら3月上旬でも咲いているらしいので、それと絡めてキャンプしたいんですよ。夜桜だったらさらに絵になりそうですよね!」。
どうやら彼の頭の中には完全なるプランが出来上がっている模様である。これは仕方がないと指示に従うことに。それにしても、この寒い時期に夜桜でキャンプはないでしょーよ……。編集者VS.ライターの戦いは、あっけなく編集担当に軍配が上がったのでありました。
フツーに使ってどのくらいの燃費性能?
さて、そんな電話からおよそ2週間。集合場所に指定されたのは東京都港区にある三菱自動車の本社前。時刻は13時だった。訪れてみると、今回の企画で借りる予定になっているアウトランダーPHEVが、今まさに充電されている状況。これから走り出し、さらに今夜、夜桜バックにキャンプをしようというのにバッテリー残量は持つのか? そんな不安をよそに繋がれた充電器はあっさりと外され、いよいよクルマに乗り込む。バッテリー残量はおよそ80%。心配はつのるばかりである。いくら途中のSA(サービスエリア)などで急速充電できるとはいえ、これは不安だ。
すると編集担当がおもむろにナビゲーションにセットした目的地は、なんと三重県桑名市長島町にある「なばなの里」という場所だったのだ。河津桜を見に行くと聞けば、思い浮かべるのは静岡県賀茂郡河津町。バッテリー残量を気にしているのに、静岡より遥かに遠い三重に目的地を設定してどうする!
「どうせ遠出するんですから、アウトランダーPHEVの燃費性能もみたいんですよ。だからあえてロングドライブにしました。とはいっても、普段使いからかけ離れたエコランではなく、エアコンやシートヒーターといった快適装備を使いながらで結構です」。
言うは易く行うは難し。エコランすればバッテリー残量も減らさずに済むとでも考えたのだろう。もちろんそれは間違いではないが、片道およそ360kmと目的地が遠すぎる以上、そう簡単には行かないだろうと考えていた。
事実、都内を抜けて東名高速を走り始めるとバッテリー残量はジワジワ減って行く。あまりにロングドライブだからクルーズコントロールを入れてもみたが、前走車両のペースが乱れれば車間を保とうとする制御が入り減速。そこからまた加速を行い燃費が悪化するという悪循環が始まる。任せてはおけないと、己の右足を信じ、ただただエコランに徹することにしたのだった。
1回目の休憩場所とした新東名高速 駿河湾沼津SAでは、やはりバッテリーはほぼほぼ使い切っていた。そこで急速充電器のお世話になり、充電が終わる30分の間、牛タン定食を食らうことに。充電器も牛タン屋さんも空いていたことに感謝である。ともに待ち時間でもあれば、この旅の終わりは何時になるか分かったもんじゃない。
ただ、今回はやらなかったが、時間を急いでいる時には急速充電の世話にならず、ハイブリッドカーのように立ち振る舞い、目的地をひたすら目指すことができるのもアウトランダーPHEVのよさ。急速充電ステーションの並び待ちに時間がかかりそうとなれば、「次のSAで充電すればいいか」とか「今日は充電するのをやめておこう」と、その混雑状況をやり過ごせるのである。フツーの電気自動車(EV)であればそうはいかない。振り幅広く使えるところがアウトランダーPHEVの見どころなのだ。
MAXで21.1km/Lの燃費を記録! だが……
さて、そんなSAでの休憩を終え、ふたたび西を目指すことに。日は傾き始め、目的地に到着するのは一体何時なのかという心配が始まったのだ。エコランを続けていてよいものなのか? 目的地となる「なばなの里」の営業時間は22時まで。バーベキューのセットをして撮影もして、という時間を考えると、遅くても20時くらいまでには到着しておきたい。そこで出た編集担当の結論は「ペースアップ!」。燃費に徹することなく、好きなように走れというのだ。ここまで80km/h程度で頑張ってきたエコランの成果をどうしてくれよう……。結果、高速道路上で21.1km/Lの燃費を記録したところを最後に、エコランを終了することになってしまった。
ペースアップと同時に指示が飛んだのは、バーベキューに備えてバッテリーをチャージしておくことだった。エンジンを発電機としながらバッテリーを蓄え、目的地では快適に過ごそうという魂胆である。嗚呼、せっかくの努力が削られていく~(涙)。結果的に目的地に到着した時の燃費は18.9km/Lに。ペースアップ後は80~90km/hあたりで走行し、充電しながら走った割には十分な数値ではないだろうか。ただ、ここまで努力したにも関わらず、河津桜とアウトランダーPHEVを絡めた撮影はできないことが判明。バーベキューは翌日に延期し、夜桜見物を楽しむことにした。
その後、編集担当は撮影が上手くいかなかったのを埋め合わせるかのように行き先を指示。到着したのはナント、カレーハウスCoCo壱番屋の1号店(西枇杷島店)……。まったく今回の企画には関係ないが、これも担当編集のお詫びのしるしらしい。そこでしか購入することができないというレトルトカレーを手土産にしたのであった。
さて、前編ではアウトランダーPHEVの燃費性能を中心に紹介したが、後編では同車のもう1つの魅力といってもよい走行性能について、そしてなばなの里では実現できなかったバーベキューの模様をお伝えしたい。