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ソフト99の新作「ぬりぬりガラコDX」の実力とは? 塗ってみて分かった30年のノウハウ全投入!

ガラコシリーズ最新製品となる「ぬりぬりガラコDX」を試してみた!

 梅雨の季節は、屋根があるとはいえ、クルマでお出掛けするのもあまり気が進まないものだ。その原因の1つは、やっぱり視界がよくないこと。雨で視界が遮られながらのドライブはストレスがたまるし、死角も生まれやすいのでいつも以上に安全に気を使って疲れてしまう。

 けれども、そんな雨の日のドライブさえ楽しくしてしまうアイテムがある。それは、カー用品大手のソフト99コーポレーションの新製品「ぬりぬりガラコDX」だ。クルマのフロントガラスなどに塗ることで、雨粒をはじいて常にクリアな視界を確保できるという。こういったフロントガラス用の撥水剤は使ったことのなかった筆者だが、実際のところ作業の手間がどれくらいかかり、どれほどの効果があるのか、マイカーに施工して確かめてみた。

2022年3月に発売された新製品「ぬりぬりガラコDX」を筆者のクルマに施工してみる

撥水効果を高める新技術を採用。容器に細かな気配りも

新技術「SARF」を採用した新しいガラコ

「ぬりぬりガラコDX」は、ソフト99が開発・販売する撥水剤「ガラコ」シリーズの最新版。1991年に最初の「ガラコ」が誕生して以降、さまざまなガラコ製品が生まれてきたが、今回の「ぬりぬりガラコDX」はその30年間のノウハウがぎっしり詰まった製品になっているという。

 一番のポイントは、「SARF(Strong Adhesion, Rapid Finish)」と呼ばれる新技術を採用したこと。新たに配合された高密着成分「SA」が、ガラコの撥水効果を発揮する主成分とガラスとにできるわずかな隙間を埋めるようにしてガラス表面に強力に密着。さらに拭き取りサポート成分「RF」がガラコの余剰成分をきれいに拭き取れるように働くことで、ムラなく均一に被膜形成し、撥水効果を最大限に高めるのだという。また、拭き上げの時間を従来品と比べ40%ほど短縮することにもつながっているようだ。

高密着成分「SA」と拭き取りサポート成分「RF」が効果的に働き、撥水効果と作業性を高める

 きれいに素早く、最高の撥水効果が得られるそうした成分の進化だけでなく、「ぬりぬりガラコDX」には、これまでの製品開発の末に盛り込まれた、製品本体の容器側の工夫もある。

 その1つが「首振りヘッド」。ガラスに接触させるフェルトの台座部分と、液剤が封入されている容器との間にヒンジのように動作する仕掛けが設けられ、力の入れ具合やガラスとの接触角度によって容器が傾くようになっている。これによって、一般的には3D曲面になっているクルマのフロントガラスにフェルトが常に広く密着するようにしている。

 一般的には液剤を全体に均一に、かつ効率的に塗るには、広いフェルト面を生かすため本体をできるだけ垂直にしたまま作業する必要がある。けれども、例えば身を乗り出さないと手が届きにくいフロントガラス中央付近は、どうしても本体が斜めになってうまく塗れなかったりする。新たな機構であるこの「首振りヘッド」を採用していることで、そうした塗りにくい場所でも柔軟にフェルト面がガラスに密着するため、作業性が高まっているというわけだ。

手が届きにくく斜めになりがちな場所も、「首振りヘッド」によって効率的に塗れる
「首振りヘッド」のおかげで「ワイドスクエアフェルト」に均等に力が加えられるのだ

 また、ボトルよりもずっと幅広な「ワイドスクエアフェルト」も「ぬりぬりガラコDX」ならではの新要素。単純に一度に広く塗れて効率的、というだけでなく、車種によってはワイパーブレードの根元部分などが邪魔になって届きにくい場合でも、その隙間の奥までしっかり液剤を塗ることができる。フェルト形状はほぼ長方形で、従来の円形フェルトでは塗りにくかったフロントガラスの四隅ギリギリにもしっかり届くようになっているのもミソ。

「ワイドスクエアフェルト」は四角い形状なので、ガラスの四隅までしっかり届く

 しかも、フェルトが1cmを超える分厚いものになっていて、作業中に台座のプラスチック部分がガラス外側のピラーなどにぶつかることを防いでいる。よほど勢いよくぶつけない限り、車体に傷がついたり、へこんだりするようなことはまずないとはいえ、硬い衝突音を響かせながら作業するのは気分がいいとは言えない。こういった細かい気配りにも、ガラコ30年のノウハウが反映されているのだ。

実測1cm超の分厚いフェルトで、ガラス周辺のピラーなどにぶつかっても気にならない
パッケージは従来のプラスチックカバーを廃止して紙素材のみに。植物油インキを使用するなど環境負荷低減にも配慮している

●●「ぬりぬりガラコDX」製品情報ページ

ガラコの施工は簡単、短時間。せっかくなら下地処理も万全に

まずは汚れ落としの水洗いから

 では、いよいよ「ぬりぬりガラコDX」を塗っていこう。ただし、いきなり施工を始めるのではなく、その前に少しだけ準備が必要だ。まず大事なのはガラス面のホコリや汚れを水で洗い流し、できる限りきれいにしておくこと。一般的なカーシャンプーで洗車するだけでOKだが、ソフト99の「ガラコぬりぬりコンパウンド」のような下地処理アイテムを使って、油分もしっかり取り除いておくと効果が最大限に発揮されるという。

ざっと水で流した後、スポンジも使ってきれいにしていく

 平滑な被膜を作ってその上を雨粒が流れるようにするというガラコの特性上、被膜形成を妨げるような油分や汚れがあったりすると、どうしてもその効果を最大限に発揮することは難しい。もちろん、多少の油分や汚れがあったところでガラコの撥水効果がゼロになることはないから、時間がなければ事前準備は水洗いだけで済ませる、というやり方でも効果は実感できる。けれど、せっかくならしっかり除去して、「ぬりぬりガラコDX」の本当の実力を引き出し、撥水効果を長続きさせたいではないか。

「ガラコぬりぬりコンパウンド」なら油分を完全に取り除くことができるのだ

 ということで、今回はいったん水を流して大まかに汚れを洗い流した後、スポンジを使って軽く拭き洗いし、タオルで水分を拭き取って、「ガラコぬりぬりコンパウンド」で油分を除去。水でコンパウンドを洗い流してもう一度水分を拭き取り、乾燥させてから「ぬりぬりガラコDX」を施工することにした。手間がかかっているように思うかもしれないが、範囲はフロントガラスだけなので、これらの準備作業は30分ほどで完了する。

続いて本命となる「ぬりぬりガラコDX」の出番

「ぬりぬりガラコDX」の塗り始めは、まっすぐガラス面にフェルトを押しつけて、容器を軽く握り込みながら小さく円を描くように動かす。これは、フェルト全体に液剤を浸透させ、広く均一に塗れるようにするためだ。十分にフェルトに染み渡ったら、縦方向に動かしてガラスに塗り込んでいく。「首振りヘッド」や、「ワイドスクエアフェルト」の形を生かして、隅から中央までしっかり塗布する。

最初はガラス面にまっすぐ立てて、握って液剤を押し出しながら小さく円を描くようにしてフェルト全体に液剤を浸透させ、それから塗っていく

 ここでは全体に均一の量を塗ることを意識するあまり、薄く伸ばして塗りたくなってしまうが、そうする必要はない。塗りすぎかな、と思うくらいたっぷり、垂れるくらいでOKだ。縦方向に塗り終わったら、次は横方向、そして最後にもう一度縦方向に塗ることで、全体にまんべんなく塗れる。終わったら5~10分ほど放置して乾燥させることを忘れずに。

縦方向、横方向、そして再び縦方向に塗る

 次は早くも最後のステップ、クロスによる拭き上げだ。「ぬりぬりガラコDX」を拭き上げるのに適しているのは、普通のタオルよりもマイクロファイバークロスだという。ソフト99の製品でいうと「激吸水」シリーズがおすすめだ。実は、マイクロファイバークロスが使えるのはガラコシリーズのなかでも今回の「ぬりぬりガラコDX」とガラスにも透明樹脂にも使える「ガラコBLAVE」のみ。それら以外のガラコにマイクロファイバークロスを使うと、大事な撥水成分も一緒に拭き取ってしまうことがあるので注意しよう。従来製品には通常のタオルを使おう。

マイクロファイバークロスの「激吸水」

 マイクロファイバークロスは、水に浸して固く絞ったうえで使う。そこまで力を入れなくても、スムーズに拭けるのが気持ちいい。マイクロファイバークロスで数往復もさせれば余剰成分が取り除かれ、完全に透き通ったガラスになる。ほんの数分で拭き上がり、下地処理や乾燥時間をいれても作業全体は1時間もかからず、あっという間だった。

軽い力でサッと拭き上げることができる。楽ちんなうえに時間もかからない

 ちなみに「ぬりぬりガラコDX」の施工後は即座に撥水効果が得られるので、一晩寝かせたりするような待ち時間は不要。すぐにドライブに出発できるし、なんなら外ですでに雨が降っていれば、さっそくその効果を確かめるために走り出してもいい。平日は忙しくて作業時間が取れない人でも、お出掛けする休日の朝にささっと施工してしまえるくらいの手軽さもうれしいポイント。また、フロントガラスだけでなく、サイドミラーの視認性を高めるために、運転席や助手席の窓にガラコを施工するユーザーもいるそうだ。走行風が当たることで雨粒が流れるので、クーペタイプならリアウィンドウに施工するのもあり。

●●「ぬりぬりガラコDX」製品情報ページ

初めてのガラコ、果たして効果のほどは?

 施工当日は晴天だったので、水道につないだシャワーを浴びせる形で効果を確認したところ、施工前と後でその差は歴然。フロントガラス半分に「ぬりぬりガラコDX」を塗布し、もう半分は未施工の状態にして比べた写真を見ると分かるとおり、施工した方は水が筋状になって抵抗なくどんどん流れていく。対して未施工の方は、べちゃっと水が付着した、いわゆる親水状態だ。

水洗いしただけの、施工前の状態がこちら
施工前は水がべちゃっと付着しており、ワイパーの拭き筋も見える
向かって左側のフロントガラス半分だけに施工した状態
手前(左側)のガラコを施工した側だけ、水がするすると流れているのが分かる

 車内から外を見ると、走行時に近い効果をより実感できる。以下の写真で分かるように、未施工の左側にいる人の姿や顔ははっきり見えないが、右側の施工後の方は輪郭や表情まできちんと把握できる。走行中はより遠くを見ることになるから、この視界のクリアさの違いはさらに大きく感じられるはずだ。もちろん実走するときはワイパーを動かすので、常に未施工状態の視界になっているわけではないけれど、ワイパーが止まっている間は視界が遮られるのでストレスを感じるのは間違いない。

車内から外を見たところ。未施工(左)と施工後(右)とで背景の見え方が全く違う
前方に人がいる状態だとさらに効果が分かりやすい。未施工(左)側にいる人の顔や姿は乱れてしまっているが施工(右)側の人はくっきり
ガラスに近づいて見てみると、半球状になった水玉が自重で滑り落ちていくのが分かる
オタマジャクシが泳ぐかのように流れていく

 実際に雨天時に走行してみたところでも、期待通りの効果を発揮してくれた。低速な市街走行でも、フロントガラスに当たった雨粒が水玉になってまとまるので、ひっきりなしにワイパーを動かさなくても十分に視界を確保できる。高速道路などある程度速度の乗るシチュエーションでは勝手に雨粒が後方にどんどん流れていくから、ワイパーを動かしても動かさなくても見え方は大きく変わらない。どんな走り方でも、常時くっきり見通せる「ぬりぬりガラコDX」の威力は、さすがだ。

 これだけの効果を短時間の作業で得られる「ぬりぬりガラコDX」が、たったの1000円余り(ソフト99公式オンラインショップでは1078円)で手に入るというのは驚きでもある。また、一度の施工で4か月間は撥水効果を得られるとのことなので、季節の変わり目の洗車タイミングで使うとちょうどよさそうだ。

「ぬりぬりガラコDX」は、1本で中型車のフロントガラスに約10回使用できるということなので、コストパフォーマンスも抜群だ。みなさんも梅雨の長雨に備えて、サクッとガラスの撥水コーティングを済ませてしまってはいかがだろうか。

最後はもちろんフロントガラス全面に「ぬりぬりガラコDX」を施工。晴れの日のドライブもいいが、雨の日も楽しみになった
ガラコ史上最高の視界 ソフト99 『ぬりぬりガラコDX』【SOFT99 TV】

Photo:高橋 学