2013フランクフルトショー

スズキ、次期エスクードを示唆する「iV-4」をワールドプレミア

スズキ製660ccターボエンジンを搭載した「ケータハムセブン165」も展示

次期エスクードを示唆する「iV-4」
2013年9月12日~22日(現地時間)

独フランクフルト Messe Frankfurt

 最近のスズキは「走りにこだわる」と同時に、「SUVスペシャリスト」というもう1つの顔が存在する。コンパクトSUVの「ジムニー」、クロスオーバーSUVの「SX4」、そしてフラグシップSUVの「エスクード」の3本柱だ。今回お披露目された「iV-4」は、将来加わる新型車を示唆するコンセプトモデルになる。

 4215mm(現行3ドアと5ドアの中間)×1850mm×1665mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2500mmというボディーサイズは、現行エスクードに非常に近い。現行エスクードは2005年に登場していることから考えると、このモデルの市販版は次期エスクードと言ってもいいのかもしれない。

 スズキのSUVの特徴である「貝殻形状のボンネット」や、「5分割グリル」を採用したエクステリアは、細部を見るとコンセプトカー風のモディファイが施されているものの、現実的なデザインである。前後のオーバーハングは短めで、4輪がドシッと構えるサイドビューは、最近のトレンドであるクロスオーバーSUVより力強さを感じる。

 デザインコンセプトということで、パワートレーンの具体的なアナウンスはされなかったが、コンパクトSUVクラスでトップレベルのCO2排出量を追求している。軽自動車~コンパクトモデルですでに採用済みとなっている、エネチャージやデュアルジェットインジェクションなども盛り込まれるのか!? 市販化時に注目したい。

 パフォーマンスは、オンロード性能はもちろん、SUVスペシャリストに恥じない本格的なオフロード走行も可能なクルマに仕上がっているのは間違いない。4WDシステムは、「SX4 Sクロス」でも採用される「ALL GRIP」を採用。恐らく縦置きエンジン、FRベースの4WDモデルのため、現行エスクード同様に最適な前後重量配分に仕上がっているはず。

 スズキの鈴木俊宏副社長は、「iV-4をベースとした量産モデルを、2015年に欧州に投入する予定」と語った。

ライバルメーカーではスタイリッシュに変わるSUVが多いが、iV-4は都会的なイメージも盛り込まれているが、「本拠地はオフロードです」と語りかけるような力強いデザインが特徴だ。そういう意味でもジムニーの兄貴分なのである
ボディーサイズは4215×1850×1665mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2500mm。タイヤは4隅に配置され前後オーバーハングは最小限だ。全長以外は現行エスクードに非常に近い……ということは!?
「SX4 Sクロス」にも採用されている新世代4WDシステム「ALL GRIP」を採用。パワートレーンは未公表だが、ガソリン/ディーゼルがラインアップされるだろう。エネチャージやデュアルジェットインジェクターなども採用される!?

 また、ブースにはスズキ製エンジンを搭載する「ケータハムセブン165」が展示されていた。1年ほど前にケータハムからオファーがあり、スズキが快諾してスタートしたプロジェクトだ。ケータハムからすれば、日本の軽自動車用の660ccターボは、まさしくダウンサイズターボである。

 ジムニーに搭載される縦置きのK6Aターボは、欧州の排ガス規制であるユーロ5に対応しながらも約80PSを発生する。700kg代の車両重量なので、非常に元気に走ることだろう。ちなみにエンジンだけでなく、トランスミッションや駆動系もスズキから供給されるという。

 セブンのもっともベーシックなモデルということで、タイヤも155と細いサイズが組み合わされる。日本でもケータハムの代理店を通じて発売を予定しているということなので、非常に楽しみだ。

スズキブースにさり気なく展示されていたのが、今回注目の1台である「ケータハムセブン165」。軽量コンパクト、そしてハイパワーでクリーンなユニットを探していたケータハムにスズキが供給したのは、ジムニー用の縦置き3気筒DOHCターボエンジン(K6A)だった

山本 晋也