長期レビュー
カメラマン高橋学のはたらくスバル「レヴォーグ」
第9回:進化し続けるレヴォーグ、2015年の総決算
(2015/12/30 16:14)
Car Watchの読者のみなさまこんにちは。レヴォーグも発売から1年半が経ち、街でも見ない日がないくらい目にする機会が多くなりました。また、ヨーロッパでも発売されたようで、街中で出会ったことはないものの空港に大きな広告が掲げられていたりして、発表当初謳っていた国内専用車ではなくなったことを個人的にはすごく嬉しく思っています。
もっともっと世界中の多くの人が乗って、沢山の意見に耳を傾けどんどん進化していってほしいものです。我が「はたらくレヴォーグ」もこの1年で、カーナビを付けたりスピーカーをグレードアップしたりして少しずつ成長しています。今回はそんな1年のまとめをお届けします。
また、これからストレスなく長く乗り続けるために、これだけはなんとしても解決したいと思っていた「レヴォーグ(1.6GT GT EyeSight)の最低地上高が130mmしかない! 問題」に解決の目処がつきましたので、その辺のご報告なども合わせてお届けします。
エイジングも済んだ「Sonic Designスピーカーセット」のその後
前回の連載でお伝えしたSonic Designのスピーカーセット。導入直後にわずかに感じたちょっと硬くて線の細い印象はすっかり影を潜め、毎日快適に聞いております。本音を言うと、音が変わったのか耳が慣れてきたのか分らないのですけど、とにかく毎日快適に聞いております。導入時にはレヴォーグに標準装着されているスピーカーとの比較のため、全く音の傾向が違うスピーカーとすぐに気付きながらもイコライザー等での調整を導入前と同じ状態でしばらく聞いていましたが、今はちょっぴり楽ナビ側の調整機能を使って自分好みにしてあります。
ちなみに先日、とあるメーカー試乗会で何台かのクルマに乗って音楽聞きながら、この違いはどこにあるのだろう? なんて考えながらドアに手をかけたら、ソコに答えがありました。カーオーディオに興味を持ったことのある方ならきっと常識なんでしょうけど、ドアの内張りってかなり振動しているのですね。ここの対策なしに音を鳴らしても、なかなかベストな方向に仕上げるのは難儀だと主張しているが如く、ドアに置いた手にビンビン振動が伝わります。もともとドアの外板や内張りが音のことを考えて設計されているわけもなく、だからこそ好きな方はその振動対策へアプローチしているのですね。
なるほど。例えが適切かどうかも分からないのですが、高速道路の継ぎ目をタタン、タタンと軽やかにこなす足まわりのクルマとボヨン、ボヨンとわずかな振動を残しながら走るクルマの違いってありますよね。そんな違いです。Sonic Designは典型的な前者。小さな音も聞き取りやすく多きな音も破綻しない秘密はきっとアノ特徴的な形にあったと改めて感じさせられます。
そんな訳で、Sonic Designが謳っている「デッドニング不要」「車外への音漏れも大幅カット」「共振を防いで高音質を実現」「音の濁りや不明瞭さを排除」は、特に音質にこだわりをもっていなかった筆者にもはっきり分かるほど大きな効果を実感できました。これほど謳い文句どおりに、いやそれ以上にその効果を使用直後から強く実感した商品といえば、初めて使った時の撥水コーティング剤「レイン・X」以来でしょうか。デッドニングのような趣味性は皆無ですが、労力をかけずすぐに結果を求める方にはうってつけの商品です。
刻々と変わり続ける街に対応すべくカーナビを更新
あの大震災以降、道の重要性を再認識したのかどうかは分かりませんが、ここ数年で自動車専用道や高速道路の進展ぶりは加速しているように感じ、自動車ユーザーとしては嬉しい限りです。もちろん、今年(2015年)導入した「楽ナビ」はその辺の進化にしっかりと対応してくれるので大変重宝しております。ちなみに2015年の11月に行なわれたメジャーアップデートではスマートコマンダーの使い勝手も向上しています。実は後継機でスマートコマンダーの使い勝手が向上しているのがちょっと羨ましく思えていたので地図更新はもちろんですが、今回はその点が一番嬉しかったりします。改良された新型が出ても、旧型ユーザーがその恩恵を受けられるシステムは本当にありがたいものです。
今回は通常のアップデートの他に有料のオービスデータもインストールしました。要は今までオービス確認用に使っていた(といってもそんなに頻繁には使っていませんでしたけど)スマートフォンの「MapFan+」を楽ナビに組み込んだような感じです。まだ更新したてですので、もう少し使って見てその良し悪しをご報告できればと思います
「はたらくレヴォーグ」が大きくステップアップしました
さて、オーディオやカーナビといった走行には直接関与しないアフターパーツは徐々に整いつつある今日この頃ですが、やはり実用車「はたらくレヴォーグ」にとって大切なのは走行性能。といっても、タイムアタックするでもワインディングロードを走りに行くわけでもなく、日々の仕事をいかに安全に快適でストレスなく移動できるかが最大のテーマだったりします(正直に言って燃費性能も大切なファクターなんですけど、そこは今ちょっと棚に上げておきます)。
その中でも最低地上高の低さに関しては、雪道はもとより、大きな段差、平面駐車場の輪止め。下を擦るのはもちろんイヤなのですが、結果的には擦らない場所であっても擦るか擦らないかを心配しながら運転しなきゃいけない事自体がちょっとしたストレスではありました。
ただし、アフターパーツの世界ではクロスカントリー4WDの世界以外で「車高を上げる」パーツは極めて少数派であることは百も承知で、色々なところに相談していました。「プリウス」や「コペン」、「86」「BRZ」等に「車高を上げる」パーツが存在する以上、レヴォーグでも需要はあるのではないかとは考えていましたが、筆者の「はたらくレヴォーグ」は営業車。コストはあまりかけたくありません。そんなワガママな悩みにこの半年間多くの人が相談に乗ってくれ、中には試作品を作ってくれたメーカーさんもいたのです、実は。
そのような中、望み続ければ叶うものですね。同じようなユーザーの意見が多数寄せられていて実現に動き出したメーカーさんと出会いました。スバル車のチューニングに関しては知らない人はいないであろう大御所プローバです。探し続けた夢は案外近くにありました。製造の関係もあり、発売は2016年の1月下旬あたりを予定しているスプリングの試作品(でも最終決定品)を提供していただけることになったのです。車高で困っているレヴォーグユーザーが他にもいることを考えれば、筆者だけが今年の冬に間に合った事は大変申し訳なく思うのですが、一応長年この業界で生きている筆者の役得としてご了承願いたい。
そんな訳で、スプリング交換後しばらく夏タイヤで走り、その印象を確かめて12月中旬にやっとスタッドレスタイヤに交換しました。本当はもっと早めに交換すべきだったのですが、嬉しい緊急事態にかなり遅くなってしまいました。
結論から言うと、車高アップは筆者にとってレヴォーグの納車から今日までの中で最大の進化でした。雪道での使い勝手とかアイサイトのこととか、詳細はもう少し色々なところを走ってからお伝えしようと思います。
これからも「はたらくレヴォーグ」は、まだまだはたらき続けます。2016年も読者のみなさまのカーライフが素晴らしき1年でありますように!
高橋 学
1966年 北海道生まれ。下積み時代は毎日毎日スタジオにこもり商品撮影のカメラアシスタントとして過ごすも、独立後はなぜか太陽の下で軽自動車からレーシングカーまでさまざまな自動車の撮影三昧。下町の裏路地からサーキット、はたまたジャングルまでいろいろなシーンで活躍する自動車の魅力的な姿を沢山の皆様にお届けできればうれしいです。 日本レース写真家協会(JRPA)会員