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トヨタ、生誕50周年の「カローラ」が花冠をバトンに全国を巡る「笑顔の花冠プロジェクト」

生まれ故郷の高岡工場からトヨタ自動車東日本 宮城大衡工場を目指して、全国のトヨタカローラ店を巡回

2017年3月6日~8月下旬 開催

 トヨタ自動車と全国のトヨタカローラ店は3月6日~8月下旬の約5カ月、「カローラ」の生誕50周年を記念して、花冠を携えたカローラが全国のトヨタカローラ店を巡回する「笑顔の花冠(はなかんむり)プロジェクト」を実施する。

 このプロジェクトは、初代カローラを生産するために操業をはじめたカローラの生まれ故郷、トヨタ自動車 高岡工場(愛知県豊田市)から、全国のトヨタカローラ店を巡回しながら現在カローラを生産しているトヨタ自動車東日本 宮城大衡工場まで、日本一周のキャラバンをするほか、全国のカローラ店で「オーナーミーティング」や花にちなんだ店舗イベントを開催するものだ。

 イベント初日の3月6日、高岡工場にて「カローラ花冠パレード 出発式」が行なわれ1600人もの高岡工場の従業員や100名の関係者が見送る中、車名の由来である花冠(カローラ)をバトンとして携たカローラが、全国のカローラ店を巡る旅のスタートを切った。

33年連続ベストセラーカーという記録を打ち立てたカローラ

トヨタ自動車株式会社 常務役員 佐藤康彦氏
トヨタカローラ新大阪株式会社 代表取締役社長 久保行央氏

 出発式当日、会場の高岡工場でのセレモニーではメーカー代表としてトヨタ自動車 常務役員 佐藤康彦氏、全国のカローラ店を代表としてトヨタカローラ新大阪 代表取締役社長 久保行央氏が挨拶を行なった。

 佐藤氏はトヨタ自動車第5代社長 豊田英二氏の「私はカローラでモータリゼーションを起こそうと思い、実際に起こしたと思っている。トヨタはカローラのためにエンジンの上郷工場と組み立ての高岡工場の2つの工場を建設した。もしモータリゼーションが起きていなければ大変な過剰設備に悩まされていたことだろう」という当時の言葉を紹介。また、カローラを生み出した先人たちのチャレンジ精神を紹介するとともに、製造・販売が一体となりカラーテレビ、クーラーとともに自動車が新三種の神器と称されモータリゼーションの幕開けとなったカローラ発売当時の時代の空気を振り返った。

 そして、「発売後1年で国内販売10万台を超え、わずか6年後には100万台を突破し33年連続ベストセラーカーという記録を打ち立てたカローラが50周年を迎え、今回のようなセレモニーが行なわれる事でモノづくりの高岡工場と、それを販売するカローラ店がこうして集えたことを好機としてとらえ、トヨタの明るい未来へつなげていきたい」と述べた。

 販売店代表の久保氏は「生産の現場が50年もの間1台1台大切に作り続けているからこそ、販売店がユーザーにクルマを届けられる」と語り、セレモニーに参加していた高岡工場の従業員に礼を述べた。

カローラ1号車ラインオフ_式(1966年9月 高岡工場)
完成当時の高岡工場
カローラの自動静電塗装(高岡工場)
高岡工場ライン

歴代カローラのチーフエンジニアによるカローラにまつわるトークセッション

トヨタ自動車 顧問 2代目・3代目カローラ車両主査 佐々木紫郎氏

 メーカー代表、販売店代表による挨拶終了後、歴代カローラのチーフエンジニア(CE)によるカローラにまつわるトークセッションが行なわれた。2、3代目車両主査 トヨタ自動車 顧問の佐々木紫郎氏はカローラの成功の理由として、どんな項目においても80点以上の合格点でなければならない設計思想に、4段のフロアシフトや丸形メーター、セミファーストバックのスタイリングなどスポーティーさを加えた事、競合車の排気量が800cc~1000ccだった当時プラス100ccの余裕をもたせた1100ccのエンジンを搭載した事、そして何よりパブリカ店をカローラ店に変更し立地のよい場所にたくさんの拠点を作った事がカローラがヒットした一番大きな要因だと、述べた。

トヨタ自動車 顧問 6代目・7代目カローラチーフエンジニア 齋藤明彦氏
トヨタ自動車 8代目カローラチーフエンジニア 本多孝康氏
トヨタ自動車 9代目カローラチーフエンジニア 吉田健氏
トヨタ自動車 常務理事 10代目・11代目カローラチーフエンジニア 安井愼一氏

 また、現役世代の代表としてトヨタ自動車 専務役員の吉田守孝氏は2016年に次のカローラを考えるために初代カローラに乗ってみた印象を以下のように述べた。「正直言ってそれほど期待して乗ったわけではないのですが、見て、乗ってワクワクしました。スポーティー感を加えたという初代カローラはまさしく、それを感じました。決して速くはありませんでしたが乗ってワクワク、室内の装備はラジオだけ、ドアトリムもペラペラなのに全然チープな感じがしない。シンプルなのにチープではなく、中は狭いんですが窮屈ではない。クルマのよさというのは定量値では表せないものがあるということを改めて認識しましたし、我々が今作っているクルマにはそういうところが足りないのではないかと思いました」。

 次期カローラは、新しいパッケージによる新しいデザインで大幅に商品力を上げ、初代カローラのよさも合わせた形でいいクルマに仕上げたいと抱負を述べた。

トヨタ自動車 専務役員 Mid-size Vehicle Company President 吉田守孝氏
初代カローラに乗った時の映像を見ながら語る吉田守孝氏
吉田守孝氏が入社し最初に配属された先で担当したのがAE86だそうだ

 メーカー代表、販売店代表、そして歴代カローラのCEらが各々のカローラについての思い出や印象、そして未来への豊富を語ったのち、今回のカローラ花冠パレードに使われる花冠がトヨタ自動車東日本 取締役社長 白根武史氏ら4名のメーカー代表から販売店の代表に渡された。

花冠が販売店代表4名に渡された
車名の由来である花冠(カローラ)
100名の関係者、高岡工場の従業員1600人が集まった

初代カローラを先頭に1台づつ全国のカローラ店に向け出発する「出発セレモニー」

出発する初代カローラ
3段のコラムシフトがまだ多かった時代に4段のフロアシフトを採用、当時乗用車には角形のドレッシーなものが多かったメーターを丸型にし、セミファーストバックのスポーティなスタイリングを採用した初代カローラ

 式典終了後、初代カローラ、AE86カローラレビン×3台、110系カローラが1700人もの列席者の見守る中1台づつ高岡工場の敷地内に設置されたゲートをくぐり全国のカローラ店に向け出発した。

出発する110系カローラ
出発するAE86カローラレビン
出発するAE86カローラレビン
出発するAE86カローラレビン
見送る高岡工場の従業員
高岡工場のビジターセンター前には歴代のカローラがずらりと並べられた
“プラス100ccの余裕” 初代カローラ(1966~)
“野生美のグラマー誕生!” 2代目カローラ(1970~)
“ぴったりサイズで大きなゆとり” 3代目カローラ(1974~)
“スケール大きく いい友、誕生!” 4代目カローラ(1979~)
“スポーティ・ハンサム” 5代目カローラ(1983~)
“ニッポンの自動車の新しい物語” 6代目カローラ(1987~)
“大きな、愛のような、カローラ誕生!” 7代目カローラ(1991~)
“あのーちょっといいですか。ずっといいですよ” 8代目カローラ(1995~)
“変われるってドキドキ” 9代目カローラ(2000~)
“新しい尺度” 10代目カローラ(2006~)
“東北生まれのニッポンのカローラ” 11代目カローラ(2012~)
高岡工場のビジターセンター内に展示されていた「間伐材カローラ」。1966年に財団法人勤労センター憩いの家として誕生した公益法人「あすて」の設立50周年を記念して作られたもので豊田市内で間伐した檜材で製作。初代カローラの内外観を可能な限り忠実に再現されている
初代カローラと間伐材カローラ

カローラ花冠パレード 実施スケジュール

日程AチームBチームCチームDチーム
3月6日出発式(高岡工場出発)
3月6日~11日中京愛知名古屋愛豊
3月11日~18日三重静岡東海
3月18日~25日沖縄奈良神奈川西東京
3月25日~4月1日鹿児島和歌山横浜東京
4月1日~8日宮崎浪速山梨千葉
4月8日~15日熊本新大阪南信南茨城
4月15日~22日大分神戸長野新茨城
4月22日~29日福岡徳島高崎いわき
4月29日~5月6日
5月6日~13日佐賀高知群馬苫小牧
5月13日~20日長崎香川埼玉帯広
5月20日~27日博多愛媛新埼玉釧路
5月27日~6月3日山口広島栃木北見
6月3日~10日島根岡山北越道北
6月10日~17日鳥取姫路新潟旭川
6月17日~24日兵庫南海山形札幌
6月24日~7月1日京都大阪秋田函館
7月1日~8日福井滋賀青森合←合流
7月8日~15日石川岐阜八戸←合流
7月15日~22日富山←合流岩手←合流
7月22日~29日南岩手←合流
7月29日~8月5日福島←合流宮城←合流
8月下旬予定ゴール式(宮城大衡工場到着)
写真提供:トヨタ自動車