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【SUPER GT 第7戦タイ】優勝した37号車「KeePer TOM'S LC500」がランキングトップ。チャンピオン決定は最終戦もてぎに
GT300ランキングトップは4号車グッドスマイル 初音ミク AMGに、51号車JMS P.MU LMcorsa RC F GT3が9ポイント差で続く
2017年10月9日 06:49
- 2017年10月7日~8日 開催
「2017 AUTOBACS SUPER GT Round7 Chang SUPER GT RACE」の決勝レースは10月8日、タイのチャン・インターナショナル・サーキットで行なわれ、既報の通り、GT500は37号車「KeePer TOM'S LC500」(平川 亮/ニック・キャシディ組、BS)がポールトゥウィンで今季初戦以来の2勝目を飾った。GT300は51号車「JMS P.MU LMcorsa RC F GT3」(中山雄一/坪井 翔組、BS)が優勝した。
ウェットからドライへ。さまざまなチーム戦略が見られたGT500
決勝レースのこの日、雲は多いながらも昼過ぎまで雨が降ることはなかったが、レース開始30分ほど前、ダミーグリッドについてスタートの準備が進むなかで、突然降り始めた。そのため、スタート直前までタイヤを外し、ウェットタイヤとスリックタイヤのどちらにするかを決めかねるチームも少なくなかった。
結局スタートまでに雨は上がったものの、路面は完全なウェット。最初の2周はセーフティカーが先導し、3周目から正式なスタートが切られ、大きな混乱もなく各車第1コーナーに飛び込んでいった。
序盤、GT500は予選通りの順位で周回。37号車「KeePer TOM'S LC500」(平川亮/ニック・キャシディ組、BS)に、12号車「カルソニック IMPUL GT-R」(安田裕信/ヤン・マーデンボロー組、BS)、17号車「KEIHIN NSX-GT」(塚越広大/小暮卓史組、BS)が続いた。一時的に6号車「WAKO'S 4CR LC500」(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組、BS)らが3番手の17号車を脅かす場面も見られたが、トップ3の順位に変動はなかった。
スタートから25分ほど経過すると、レコードラインが乾き始め、次々にタイヤ交換のためピットへ。そんななか予選8位の64号車「Epson Modulo NSX-GT」(ベルトラン・バゲット/松浦孝亮組、DL)はピットインを先延ばしにしてウェットタイヤのまま走り続け、トップに立つ。2番手は同様にピットインしなかった8号車「ARTA NSX-GT」(野尻智紀/小林崇志組、BS)。
しかし、乾き始めた路面に対するウェットタイヤとスリックタイヤの性能差はいかんともしがたく、予選1位だった37号車「KeePer TOM'S LC500」が64号車「Epson Modulo NSX-GT」に対し1周あたり5秒ものタイム差で一気に詰め寄る。結局23周目にはトップを明け渡し、64号車はドライバー交代も兼ねてピットへ。25周終了時点で37号車、12号車「カルソニック IMPUL GT-R」、6号車「WAKO'S 4CR LC500」の順。
34周を終えてトップの37号車「KeePer TOM'S LC500」が2回目のドライバー交代。上位が一通り2回目のピット作業をこなした40周目には、37号車、6号車「WAKO'S 4CR LC500」、12号車「カルソニック IMPUL GT-R」、17号車「KEIHIN NSX-GT」の順に。このままチェッカーとなるかと思われた残り2周、12号車が突如スローダウン。完走扱いにはなったものの、つかみかけていた表彰台を目前にして逃す形になった。
優勝は、予選の速さを決勝レースでも発揮した37号車「KeePer TOM'S LC500」。それに6号車「WAKO'S 4CR LC500」、17号車「KEIHIN NSX-GT」が続いた。
ポイントランキングでも37号車がトップに。2位は6ポイント差で6号車、さらに2ポイント差で23号車MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)が3位となり、チャンピオンシップの行方は最終戦もてぎへ持ち越された。
GT500の決勝レースの結果(上位10位まで)
順位 | 号車 | マシン | ドライバー | タイヤ |
---|---|---|---|---|
1 | 37 | KeePer TOM'S LC500 | 平川亮/ニック・キャシディ | BS |
2 | 6 | WAKO'S 4CR LC500 | 大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ | BS |
3 | 17 | KEIHIN NSX-GT | 塚越広大/小暮卓史 | BS |
4 | 38 | ZENT CERUMO LC500 | 立川祐路/石浦宏明 | BS |
5 | 36 | au TOM'S LC500 | 中嶋一貴/ジェームス・ロシター | BS |
6 | 1 | DENSO KOBELCO SARD LC500 | ヘイキ・コバライネン/平手晃平 | BS |
7 | 100 | RAYBRIG NSX-GT | 山本尚貴/伊沢拓也 | BS |
8 | 64 | Epson Modulo NSX-GT | ベルトラン・バゲット/松浦孝亮 | DL |
9 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田次生/ロニー・クインタレッリ | MI |
10 | 46 | S Road CRAFTSPORTS GT-R | 本山哲/千代勝正 | MI |
堅実な走りを見せた51号車JMS P.MU LMcorsa RC F GT3、最終戦に望みをつなぐ
GT300はスタートから予選トップの21号車「Hitotsuyama Audi R8 LMS」(リチャード・ライアン/柳田真孝組、DL)が順当にリード。予選3番手だった55号車「ARTA BMW M6 GT3」(高木真一/S.ウォーキンショー組、BS)が5番手まで後退する代わりに、4号車「グッドスマイル 初音ミク AMG」(谷口信輝/片岡龍也組、YH)が2番手まで順位を上げる。路面は乾き始めていたが、ピットインせずに走り続けるチームが多い。
20周を終えたところで、先頭の21号車「Hitotsuyama Audi R8 LMS」らが続々とピットイン。タイヤ交換、給油とともにドライバー交代も行い、第2スティントに入る。そんななか、ピットインを先延ばしにした予選15位の33号車「D'station Porsche」(藤井誠暢/スヴェン・ミューラー組、YH)がトップへ。
その後も33号車「D'station Porsche」は、予選21位ながら2番手までジャンプアップしていた60号車「SYNTIUM LMcorsa RC F GT3」(飯田 章/吉本大樹組、YH)と8秒前後のギャップを維持したまま40周を走りきり、ようやく1回目のピット作業。コース復帰後は3番手となった。60号車も続いてピットインしたことから、トップは51号車「JMS P.MU LMcorsa RC F GT3」(中山雄一/坪井翔組、BS)に。
予選でポールポジションを獲得していた21号車「Hitotsuyama Audi R8 LMS」はなかなか順位を上げられず、10番手前後を走行していた45周終了時に電気系のトラブルとのことでピットイン。ガレージへ引っ込んでしまい、そのまま戦線を離脱した。
終盤は、堅実に周回を重ねた51号車「JMS P.MU LMcorsa RC F GT3」と、4号車「グッドスマイル 初音ミク AMG」、33号車「D'station Porsche」が、その隊列を維持したままフィニッシュ。4番手の55号車「ARTA BMW M6 GT3」が途中33号車に仕掛ける場面も見られたものの、かわそうとしたところで勢い余ってオーバーランし、表彰台に届かなかった。
この結果、ポイントランキングで4号車グッドスマイル 初音ミク AMGがトップに。51号車JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は9ポイント差で2位となり、最終戦に望みをつないだ。3位は今回ノーポイントに終わった65号車LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥組、BS)となっている。
GT300の決勝レースの結果(上位10位まで)
順位 | 号車 | マシン | ドライバー | タイヤ |
---|---|---|---|---|
1 | 51 | JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 | 中山雄一/坪井 翔 | BS |
2 | 4 | グッドスマイル 初音ミク AMG | 谷口信輝/片岡龍也 | YH |
3 | 33 | D'station Porsche | 藤井誠暢/スヴェン・ミューラー | YH |
4 | 55 | ARTA BMW M6 GT3 | 高木真一/S.ウォーキンショー | BS |
5 | 88 | マネパ ランボルギーニ GT3 | 織戸学/平峰一貴 | YH |
6 | 60 | SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 | 飯田章/吉本大樹 | YH |
7 | 18 | UPGARAGE BANDOH 86 | 中山友貴/川端 伸太朗 | YH |
8 | 11 | GAINER TANAX AMG GT3 | 平中克幸/ビヨン・ビルドハイム | DL |
9 | 3 | B-MAX NDDP GT-R | 星野一樹/高星明誠 | YH |
10 | 7 | Studie BMW M6 | ヨルグ・ミューラー/荒聖治 | YH |