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トヨタ、東京2020オリンピック聖火リレーの隊列車両「TOYOTA Concept-愛i」公開

選手村で自動運転する東京2020専用仕様「e-Palette」など電動車中心に約3700台提供

2019年8月23日 発表

東京2020オリンピック・パラリンピック仕様車「TOYOTA Concept-愛i」。EV(電気自動車)による先進的なワンモーションシルエットの外観デザインで、オリンピック聖火リレーの隊列車両やマラソン競技などの先導車として数台を導入して東京2020大会を盛り上げる予定

 トヨタ自動車は8月23日、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に提供する、東京2020専用仕様の「e-Palette」「TOYOTA Concept-愛i」を公開した。

 東京2020専用仕様のe-Paletteは、選手村に十数台が導入されて自動運転(SAEレベル4相当)による運行を予定。TOYOTA Concept-愛iは、オリンピック聖火リレーの隊列車両やマラソン競技などの先導車として数台を導入して、東京2020大会を盛り上げる予定。

東京2020専用仕様車「e-Palette」
トヨタ初のAutono-MaaS専用EVとして選手村に十数台導入。選手村内の巡回バスとして大会関係者や選手の移動をサポート。低床フロアや電動スロープ、停留所への正着制御により、車いすの人も乗降しやすく、スムーズな短距離移動をサポート。自動運転(SAEレベル4相当)による運行を予定。各車両にオペレーターが1人搭乗して自動運転による運行をモニタリングするとともに、各車両の運行状況を統合的に管理するシステムも提供
東京2020専用仕様車「e-Palette」
東京2020専用仕様車「TOYOTA Concept-愛i」
東京2020大会への提供車両に加えて、大会期間中にメガウェブやお台場・豊洲周辺の公道で体験試乗を実施予定。人の感情認識や嗜好推定を行なって会話するエージェント機能や自動運転(SAEレベル4相当)などの先進技術を紹介し、「人を理解する」AI技術により新しい移動体験をもたらす未来の愛車を体感できるようにする

 トヨタでは、e-Palette、TOYOTA Concept-愛iといったEV(電気自動車)など、電動車を中心に約3700台を同大会に提供して、これまでの大会で最高レベルとなる環境負荷低減を目指すとしている。

 具体的には、提供車両はFCV(燃料電池車)の「MIRAI」やPHV(プラグインハイブリッドカー)の「プリウス PHV」、ハイブリッドカーなど電動車比率は約90%となる見通し。そのうち、走行中にCO2を排出しないFCV・EVの導入台数は、FCV約500台、EV約850台の計約1350台と、大会過去最大となる見込み。

FCV・EVの導入台数は、FCV約500台、EV約850台の計約1350台

 その結果、約3700台の提供車両のうち、競技会場・選手村・国際メディアセンターなど、拠点間移動に使用されるMIRAIなどの市販車を中心とした関係者輸送の車両約2700台の平均CO2排出量は80g/km以下となり、トヨタでは提供車両の全数が同種同格のガソリン車・ディーゼル車である場合と比べてCO2排出量を約5割削減できると試算している。

 さらに、東京2020専用車の「APM」や専用仕様のe-Palette、TOYOTA Concept-愛iなどを合わせると大会期間中のCO2排出量はさらに少なくなると試算しており、これまでの大会で最高レベルの環境負荷低減を目指すという。

FCバスの「SORA」やセカンドシートのリフトアップ機能とバックドアから車いすを載せるスロープを搭載した福祉車両、豊田自動織機製のFCフォークリフトなども使って大会運営をサポートする予定

 トヨタではFCバスの「SORA」、セカンドシートのリフトアップ機能とバックドアから車いすを載せるスロープを搭載した福祉車両、豊田自動織機製のFCフォークリフトなども使って大会運営をサポートする予定。

東京2020専用車両「APM」。オリンピックスタジアム、有明テニスの森などの大規模な会場を中心に約200台のAPMを導入。大会関係者や選手、高齢者、身体の不自由な人、妊娠中や乳幼児を連れた人など、アクセシビリティに配慮が必要なさまざまな来場者のラストワンマイル移動をサポート。一部車両は夏季の大会における会場内の救護活動にも利用予定
FCVの「MIRAI」は東京2020大会の各会場間における関係者の移動用として約500台を導入
歩行領域EV「立ち乗りタイプ」
歩行領域EV「座り乗りタイプ」
歩行領域EV「車いす連結タイプ」