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ジオニックトヨタが、シャア専用オーリス市販車モデルを一般初公開
「キャラホビ2013 C3×HOBBY」の同社ブースに登場
(2013/9/9 13:20)
夏休み期間のホビーイベントとしては最後の大型イベント「キャラホビ2013 C3×HOBBY」(以下、キャラホビ2013)が、幕張メッセ国際展示場を会場にして開催された。会期は8月31日と9月1日の2日間。主催はホビージャパン、アスキー・メディアワークス、創通の各社によって構成されるC3×HOBBY2013実行委員会。
キャラホビ2013は、1992年にバンダイとホビージャパンの共催で行われたガレージキットイベントの「JAF-CON(JAFはジャパン・ファンタスティック・コンベンション)」が祖の1つ。2002年以降は改称されてホビーEXPOとなった。もう1つの祖は電撃ブランドを擁するメディアワークス(※当時。現在はアスキー・メディアワークス)が2001年から開催してきたガレージキットやキャラクターグッズ展示会の「C3(CULTURAL CONVENTION OF CHARACTERS)」で、この2つが2004年に統合され、現在の「キャラホビ20xx C3×HOBBY」に至り開催が続いている。こうして振り返ると、キャラホビは今年10年目を迎えた。
本誌でも定期的に取り上げているガレージキットイベントの雄「ワンダーフェスティバル」との大きな違いは、JAF-CONの当時から、ガレージキットならではの1日版権の仕組みが「機動戦士ガンダム」ブランドにおいても許可されているという点にある。JAF-CONの主催にバンダイが入っていたことと、現在の実行委員会に創通が参加しているのが理由の1つといえる。一方のワンフェスでは皆無というわけではないが、アマチュアディーラーによる1日版権のガンダム関連ガレージキットはほとんど目にすることができない。企業ブースによる展示もこうした傾向を大きく受けて、キャラホビでは本家とも言えるバンダイナムコグループをはじめ、例年さまざまなガンダムタイアップ企業の展示が行われているのも見どころのひとつとなっている。
8月26日に「シャア専用オーリス」を発表(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20130827_612763.html)したトヨタマーケティングジャパンもその1つ。同社は「ZEONICTOYOTA」としてイベント協賛も行っている。2012年はヴァーチャルカンパニーであるジオニックトヨタ社の設立前だったため、トヨタマーケティングジャパンとして出展。この車輌のもととなった「シャア専用オーリス CONCEPT」を展示して大きな話題を振りまいた。筆者もこの展示を実際に目にして、その場で行われていたアンケートに記入してクリアファイルを入手したことを覚えている。設問には、今回の発表につながることになる、いわゆる年齢などのユーザープロファイルや可処分所得、欲しいオプションや購入時に望むものなどが用意され、こうしたリサーチも少なからず今回の市販車に反映されていると考えて間違いないだろう。
シャア専用オーリスのスペックや仕様などはすでに記事で紹介(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20130827_612763.html)されているので詳細はそちらに目をとおしていただくことにして、本稿は一般向けには初公開となったブース展示や関連イベントを中心に紹介する。
2012年はコンセプトモデルとして1台のみが展示されたシャア専用オーリス CONCEPTだが、2013年は市販車となったことで昨年より大幅に拡大されたブースに、2台のシャア専用オーリスが展示された。来場者の注目度は高く、開場直後からブース内は満員の状態。写真を撮ったり、コクピットに乗り込んだり、一様に楽しそうな表情を見せていた。
1日に数度行われるジオニックトヨタオリジナルガンプラがプレゼントされるじゃんけん大会になると、さらにブース内の密度が急上昇する。ブースの周囲にはファンからの寄せ書きホワイトボードが用意されたほか、開発の経緯などを紹介するボードも展示。また、Tシャツやポロシャツなどの関連グッズの販売コーナーも併設されるなど、終日にわたってイベントにふさわしい盛り上がりを見せていた。
また、キャラホビのステージイベントの1つとして、メインステージ上で「ジオニックトヨタ スペシャルトークショー」を実施。シャア・アズナブル役を務める池田秀一さんと、アムロ・レイ役を務める古谷徹さんが昨年に続いて登場。開発の経緯や、市販車の魅力などを次々に紹介した。
コンセプトモデルではサザビーを意識したマット調のカラーだったが、市販車モデルでは純正色のレッドマイカメタリック。しかしトーンを落としてさらにつや消しとしたエアロパーツを取り付けることでジオン軍のモビルスーツにふさわしいツートンカラーを実現していった経緯などが紹介された。
ヴァーチャルカンパニーのジオニックトヨタにはWebから社員登録が行えるが、現在の社員数は約2万6000人。今回の市販車モデルの発表を受けて、わずか1週間でさらに約1500人を上積みしたという。こうした社員からの要望は、やはり「モノアイ」が欲しいというものも多かったという。さすがに外装部分に赤色で移動したり点灯したりするパーツをつけることは保安上からできないので、インテリアとしてコックピットパネルに搭載された。エンジンをかけると、シャア専用SIIDコクピットパネルに起動音とともにモノアイが点灯する。
また900台限定で搭載される「シャア専用オーリスナビ」には、池田秀一さんがシャアとしての台詞を約500語収録している。収録には2日間を要したそうだ。シャア専用オーリスなのだから、当然ドライバーはシャア自身である(笑)。そこで、ナビゲーション音声そのものがシャアであってはおかしいということで、ルート案内自体は通常音声で行われる。代わりに、起動時のメッセージ音声が日替わりでシャアからのメッセージや名セリフになっている。パターンは366通り。つまり、4年に1度しか聞くことができない2月29日のメッセージも存在する。さらに県境を越えた際にも「○○県に入った」というような形でシャアからのメッセージが届く。これが47パターンある。これらもすべて聞くためには、それなりのドライブを楽しむ必要がありそうだ。
また昨年のトークショーでは古谷さんが、「やっぱりシャア専用は(ジオン軍のモビルスーツを開発する)ジオニック社から出ないと!」と発言していた。冗談が本当になる形で、2013年1月にはヴァーチャルカンパニーのジオニックトヨタが設立され、シャア専用オーリスはジオニックトヨタから発売され、ネッツ店で販売される。この日も熱く語る古谷さんは、アムロ専用モデルの開発も熱望しており、「それなら、アムロ専用モデルは、(連邦側のモビルスーツを開発する)アナハイムエレクトロニクス製でないと!」と、アナハイムエレクトロニクストヨタの設立を要望。スペシャルトークショーに同席したトヨタモデリスタインターナショナル 商品部デザイングループ主任の松本雅治氏は、苦笑いをしながら「社に持ち帰って検討させていただきます」と返答していた。
シャア専用オーリスは、すでに全国のディーラーで10月1日の販売開始に向けてパンフレットが配布されているほか、今回の市販車モデルが、9月14日から愛知県の愛・地球博記念公演で開催される「大ぽぷかる展」といったイベントで展示される予定となっている。
(C)創通・サンライズ (C)トヨタ