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独フォルクスワーゲン、車両開発部門の組織を刷新

スモールカー、コンパクトカー、ミッド&フルサイズカー、BEVの4組織に分け、責任の所在を明確化

2016年1月20日(現地時間)発表

米国ネバダ州ラスベガスで行なわれた「CES 2016」の会場でプレゼンテーションを行なう取締役会会長のヘルベルト・ディース博士

 独フォルクスワーゲンは1月20日(現地時間)、フォルクスワーゲンブランドの車両開発部門の組織改革を行なったと発表した。

 これまでテクノロジー、品質、費用および期限の順守、コスト効率の管理といった責任の所在はさまざまな部門に分散され、また開発するブランドやモデルによって異なっていたという。今回の組織改革ではこうした責任の所在を明確化するため、「スモールカー」「コンパクトカー」「ミッド&フルサイズカー」「BEV(バッテリー式電気自動車)」という4つの組織に分けられた。

 また、各組織を担当するマネージャーのサポートを行なう「ストラトジー&プロダクト部門」を新設。同部門の責任範囲は、モデルチェンジのタイミングの決定や、主要な製品関連イベントのコーディネーションなどが含まれるとしている。

 今回の組織改革について、取締役会会長のヘルベルト・ディース博士は「私たちは、各車両プロジェクトに対する経営的責任を明確に割り当てなければなりません。今回の組織改革により、開発業務が大幅に加速することを期待しています。このステップは、“ニュー フォルクスワーゲン”、すなわち、フォルクスワーゲンブランドの新しい戦略的方向性の核となる要素です」とコメントを発表している。

スモールカー

「up!」や「ポロ」、セダンや今後の小型SUVを含めた小型車グループは、2010年からフォルクスワーゲン ブランドおよびグループのプロダクトマネジメントの責任者を務めてきたクラウス-ゲルハルト・ウォルペルト氏が率いる。

コンパクトカー

担当範囲は「ゴルフ」クラスのハッチバック、セダン。ステーションワゴンやSUVも含まれる。2014年からフォルクスワーゲン グループの電装/電子部品の購買担当マネージャーを務めてきたカールハインツ・ヘル氏が統括する。

ミッド&フルサイズカー

「パサート」から「シャラン」、将来発売予定のミッドサイズSUVや「トゥアレグ」が担当範囲。フォルクスワーゲンAGで2010年からフォルクスワーゲン ブランドの製品関連コントローリングを務めてきたDr.エルマー-マリウス・リヒャルツ氏が総責任者。

BEV

バッテリー式電気自動車(BEV)は、ブランド内にすでに存在する「e-up!」「e-Golf」などが担当範囲。今後このグループからより幅広いモデルでのBEVが登場するとし、CES2016に出品されたコンセプトカー「BUDD-e」はその一例。BEVグループを率いるのは、これまでコンチネンタルAGでオートモーティブシステムおよびテクノロジー部門の責任者を務めてきたクリスティアン・ゼンガー氏。

(編集部:小林 隆)