クルマ好きにはたまらない機能を満載した「Forza Motorsport 4」
Top Gearコンテンツなどを盛り込んだXbox 360用レースゲーム

2011年10月13日発売
通常版:7140円
リミテッド エディション:8190円



 マイクロソフトのコンシューマーゲーム機「Xbox 360」。そのXbox 360用のレースゲームとして世界的に著名なレースゲームが「Forza Motorsport」シリーズ。現在、3作目となる「Forza Motorsport 3」が発売中だが、10月13日に最新作の「Forza Motorsport 4」が日本マイクロソフトから発売される。

 このForza 4には、通常版(7140円)と数量限定のリミテッドエディション(8190円)が用意され、リミテッドエディションには、英国BBCの自動車TV番組「Top Gear」編集による全96ページの解説書、特別収録された「VIP カーパック」(2011 Bugatti Veyron Super Sport、2011 Ferrari 458 Challenge、2011 Lamborghini Gallardo LP570-4 Superleggera、2010 Noble M600、2011 RUF Rt 12 R)、「アメリカン マッスル カーパック」、「ボーナス カーパック」(1965 Ford Mustang GT Coupe、2011 Koenigsegg Agera、1997 Lexus SC300、2011 RUF RGT-8、2011 Tesla Roadster Sport)などが付属する。しかし、通常版でも80メーカーの500車種が楽しめるようになっており、自分の好み応じて購入すればよいだろう。

 このForza 4は、9月15日に開幕した「東京ゲームショウ2011」でプレイ可能な状態で展示されたが、それに先立つ14日、主な進化点についての説明会が開催されたので、その模様をお届けする。


Forzaシリーズの開発を担当するTurn 10 Studiosのシニア ゲーム デザイナー 谷口潤氏

クルマをじっくり眺められる「Autovistaモード」
 Forza 4を説明したのは、Forzaシリーズの開発を担当するTurn 10 Studiosのシニア ゲーム デザイナー 谷口潤氏。谷口氏は、あの大ヒットゲーム「セガ ラリー」の開発者としても知られる。

 谷口氏によれば、Forza 4の進化点は「Live(ライブ)」「Kinect(キネクト)」「ゲームプレイ」「グラフィックス」の4つ。このうち、Kinectは、Xbox 360用のモーションコントローラーで、人の動き(ジェスチャー)を検出し、それによってゲームプレイできるデバイス。Forza 4では、このKinectに対応し、UI(ユーザーインターフェイス)を操作できるほか、ステアリング操作を模すことで、ジェスチャー操作でのコーナリングが楽しめる。


写真がモーションコントローラー「kinect」。人の動きを認識し、ゲームプレイに取り入れることができるForza 4のゲームモード。中央にAutovistaのメニューが見える谷口氏は、Forza 4の進化点を語ってくれた

 Forza 4には、バーチャルショールームとも言える「Autovistaモード」が用意されており、このモードでは通常のコントローラーによる操作のほか、kinectでの視点変更が可能になっている。Autovistaモードで登場する車種のすべては明かされなかったが、デモではFerrari 458 Italiaが使用されていた。

 このAutovistaモードに登場する車種は、レースに登場する車種とは全く異なった作り込みがされており、細部までじっくりとクルマを堪能できる。このグラフィックスには、イメージベースドライティング(IBL)というテクノロジーが用いられ、「クルマをいかにセクシーにゴージャスに見せるかこだわった」(谷口氏)と言う。

 コンピューターグラフィックスの世界では、ポリゴン数でその細かさを表す場合が多いのだが、これに関しても「そういう数値などではなく、実際の絵を見てほしい」(谷口氏)と言い、車種によって異なるものの、数百万ポリゴンとのこと。

 kinectを使い、Autovistaモードで楽しむ谷口氏の様子は、ディーラーであこがれのクルマをじっくりと観察するクルママニアそのもの。体を左に方向ければ、カメラ視点が左へ移動し、しゃがみ込めばホイールまわりをクローズアップすることができる。画面のところどころには、白い輝点が打たれており、そこを目標として手をかざせば、ドアが開く、リアゲートが開くなどのイベントが発生する。

kinectを使いForza 4のAutovistaモードをプレイする谷口氏谷口氏がしゃがむと、カメラ視点が下方へ移動。ホイールのアップを眺めることができるドアノブ付近の輝点に対し、手をかざす。すると……
ドアが開く。はた目には、超能力者に見えなくもないシートに座り、コクピット内を眺める谷口氏スターターの輝点に対して手をかざすとエンジンがかかり、エンジン音が楽しめる
エンジンをかけたら、そのままゲームモードへ移行。ステアリング操作のジェスチャーで、クルマを操るメニュー操作もジェスチャーで可能

 ドアを開けてクルマに乗り込むことができ、スターターを回してエンジン音を楽しむこともできる。ドアが閉まると、背景音が少し静かになるなどサウンドの作り込みもなされている。

 また、Autovistaモードでは、Top Gearの人気司会者ジェレミー・クラークソン氏によるクルマの解説を楽しむことが可能だ。ジェレミー氏の声が英語で流れ、その独特のシニカルな解説が字幕で表示される。Ferrari 458 Italiaでは、「これを使いこなせるのはビル ゲイツくらいだろう……」と言った解説が流れていた。

「458はミッドシップなので」と語り、今度はリアゲートに注目エンジンルームを見ることができた。そして解説を聞くことに
ジェレミー・クラークソン氏による、クルマの解説が始まった音声は英語のままなので、ジェレミー氏のあの声が楽しめる。日本語字幕が表示される

コミュニケーションを重視するForza 4
 ネットワークプレイを考慮して作られたXbox 360では、プレイヤーはゲーマータグというプロフィール情報を持つことができる。それによって、どんなゲームをどのくらい遊んでいるのかなどが別のプレイヤーから分かり、趣味を同じくする世界中のプレイヤーとつながることができるのが特徴となる。

 Forza 4では、そのゲーマータグに加えてForza 4用のプレイヤー情報を持つことができ、たとえばあるコースのタイムアタック時のラップタイムを世界中のプレイヤーと競うことが可能。加えて、新しくクラブという概念が取り入れられた。

 このクラブは、実際のオーナーズクラブの様なもので、BMWを愛好するメンバー同士でレースカーや、あるサーキット専用にチューニングしたクルマ、特別なペイントを施したクルマをシェア(共有)できる。1人のプレイヤーは、1つのクラブにのみ参加することができ、クラブ内でのランキングを競うことなども可能となっている。

 ランキングというと、レースが主体となっているゲームだけに、どうしてもラップタイム順となりがちだが、Forza 4では「チューナー」「グラフィックデザイナー」「フォトグラファー」といったランキングが可能で、チューニングに優れた人、絵のうまい人、写真がうまい人など、速さだけではない楽しみ方が可能だ。

クラブの概念について語る谷口氏。デモでは、BMWのクラブが使われたクラブメンバーで、クルマをシェアできるクラブ内ランキング表示。左ペインに、速さだけではないランキング表示が行われている

 また、Forza 4内で表示されるプレイヤーカードには、エンブレムを表示でき、そのエンブレムはゲーム内での一定の条件をクリアすることで獲得できる。とくに、メーカー系のエンブレムは、そのメーカーのクルマでどの程度の経験を積んだのかがポイントになり、ある程度の距離を走ることでもポイントを獲得できるが、厳しい条件でのレースに勝つなどでは多量のポイントを獲得できると言う。

 経験を重視するレースゲームでは、レベル(Lv)を上げることも一つの目標となる。Forza 3ではレベルの上限値がLv50だったが、Forza 4ではLv150へと3倍に引き上げられた。これについて「Forzaシリーズは、2年ごとに新作を発売しているが、Forza 3では上限値に達した人が多かったため。150であれば、2年間楽しめると思う」(谷口氏)と言い、今から各プレイヤーがどのような成長を遂げていくのが楽しみだと、にこやかに語っていた。

各種エンブレム表示。画面下部に、獲得条件が表示されている獲得ポイント表示。ドライバーレベルのほか、メーカーごとの友好レベルを獲得できる

 Forza 4にどのような車種が収録されるかは、いまだ明らかになっていないが、Forza Motorsport.net(http://forzamotorsport.net/ja-jp/forza4.aspx)で、順次お知らせしていくとのこと。ただ、残念なことにポルシェの各車種については、ポルシェのゲームでの使用権を持つElectronic Artsとの絡みもあり収録されていないとのこと。ただ、80社500車種の収録は間違いなく、Autovistaモードではレクサス「LFA」も用意されるとのこと。

 一足早くForza 4を楽しみたい人は、東京ゲームショウを訪れてみてほしい。

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(編集部:谷川 潔)
2011年 9月 16日