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SUPER GT第5戦鈴鹿は18号車 ウイダー モデューロ HSV-010(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ)が今季初優勝
GT300クラスは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也/佐々木孝太/井口卓人)がBRZに初優勝をもたらす
(2013/8/20 15:54)
- 2013年8月18日決勝開催
8月18日、2013 AUTOBACS SUPER GT第5戦「第42回インターナショナル・ポッカサッポロ1000km」の決勝レースが鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で行なわれた。GT500クラスは18号車 ウイダー モデューロ HSV-010(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ)が今季初優勝。GT300クラスは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也/佐々木孝太/井口卓人)がBRZに初優勝をもたらした。
GT500クラス
シリーズ最長の1000kmレースは、気温34度、路面温度47度という灼熱の天候で開催された。決勝はポールポジションからスタートした23号車 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)がトップをキープ。予選2位、3位の2台、18号車 ウイダー モデューロ HSV-010(山本尚貴)と36号車 PETRONAS TOM'S SC430(中嶋一貴)が続いた。
オープニングラップのシケインで36号車 PETRONAS TOM'S SC430が18号車 ウイダー モデューロ HSV-010を抜いて2位に浮上。抜かれた18号車 ウイダー モデューロ HSV-010も離されることなく攻め立て、序盤は2位争いが白熱した。
2位争いは13周目のスプーン進入で18号車 ウイダー モデューロ HSV-010がインに飛び込みポジションを回復。そのままの勢いでトップの23号車 MOTUL AUTECH GT-Rを追走する。
20周目にトップ争いはテール・トゥ・ノーズとなり、23周目のヘアピンでインをキープした23号車 MOTUL AUTECH GT-Rが前を走るGT300クラスのマシンに詰まったところを、アウト・アウト・アウトのラインを選択した18号車 ウイダー モデューロ HSV-010が立ち上がりでオーバーテイク。ミシュランタイヤ勢同士のトップ争いは18号車 ウイダー モデューロ HSV-010に軍配が上がった。
追い抜かれた23号車 MOTUL AUTECH GT-Rはタイヤの限界を迎えて徐々にペースダウン。27周目には36号車 PETRONAS TOM'S SC430、28周目には38号車 ZENT CERUMO SC430(平手晃平)に抜かれて4位まで後退。29周目に上位陣の先頭を切ってピットインした。
その後、2回目のルーティンピットが始まった66周目にアクシデントが発生する。86号車 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3(細川慎弥)が西ストレートで左リアタイヤをバースト。コース上に破片を撒き散らし、さらにバーストしたタイヤが燃料ホースを壊してマシンが炎上。セーフティカーが導入された。
アクシデントが発生する前にピットインを済ませた23号車 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)は第2スティントの6位からさらに見かけ上の順位を落としていたが、セーフティーカー導入中に上位陣がピットインしたことで2位にポジションアップ。レースが再開すると、セーフティーカー導入直後のピットクローズ中にピットインした1号車 REITO MOLA GT-Rがペナルティを受けたため、トップの座が転がり込んできた。
それまで独走状態でトップにいた18号車 ウイダー モデューロ HSV-010は2位に後退。トップの23号車 MOTUL AUTECH GT-Rとの間に大量のGT300マシンを挟んだことで大きく遅れをとる展開になった。
しかし、自力に優る18号車 ウイダー モデューロ HSV-010は23号車 MOTUL AUTECH GT-Rとの差をじわじわと詰め、再びレース序盤と同様のバトルになった。18号車 ウイダー モデューロ HSV-010(フレデリック・マコヴィッキィ)は115周目にトップの背後に迫り、116周目のスプーン1つ目で23号車 MOTUL AUTECH GT-R(柳田真孝)がわずかにオーバーラン。イン側をすり抜けた18号車 ウイダー モデューロ HSV-010がトップの座を奪い返した。
最後のピット作業はトップ争いの2台が同時にピットイン。2位の23号車 MOTUL AUTECH GT-Rの方が作業時間が短かったため、ピットイン前にあった4秒のタイム差はほとんどなくなった。それでも18号車 ウイダー モデューロ HSV-010(山本尚貴)の走行ペースは速く、徐々に差を広げてチェッカーに向け独走態勢を築いていく。
1000kmの長丁場を走りきった18号車 ウイダー モデューロ HSV-010が、チームとしては1年ぶり、ドライバーの2人はGT初優勝を飾った。2位は23号車 MOTUL AUTECH GT-Rとなりミシュランタイヤが1-2体制。ブリヂストンタイヤの独走を阻止した。3位は終盤に12号車 カルソニックIMPUL GT-Rとのバトルを制した36号車 PETRONAS TOM'S SC430が獲得している。
ドライバーポイント争いは23号車 MOTUL AUTECH GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)が42ポイントでトップに立ち、18号車 ウイダー モデューロ HSV-010(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ)が40ポイントで3位に浮上。混戦は続きそうだ。
●GT500クラスの順位
順位 | マシン名(ドライバー名) |
---|---|
1位 | 18号車 ウイダー モデューロ HSV-010(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ) |
2位 | 23号車 MOTUL AUTECH GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ) |
3位 | 36号車 PETRONAS TOM'S SC430(中嶋一貴/ジェームス・ロシター) |
4位 | 12号車 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ) |
5位 | 37号車 KeePer TOM'S SC430(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ) |
6位 | 19号車 WedsSport ADVAN SC430(荒聖治/アンドレ・クート) |
7位 | 17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大) |
8位 | 1号車 REITO MOLA GT-R(本山哲/関口雄飛) |
9位 | 39号車 DENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明) |
10位 | 100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/小暮卓史) |
●GT500クラス ドライバーズランキング
順位 | マシン名(ドライバー名) | ポイント |
---|---|---|
1位 | 23号車 MOTUL AUTECH GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ) | 42 |
2位 | 12号車 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ) | 41 |
3位 | 18号車 ウイダー モデューロ HSV-010(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ) | 40 |
4位 | 100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/小暮卓史) | 37 |
5位 | 39号車 DENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明) | 37 |
6位 | 36号車 PETRONAS TOM'S SC430(中嶋一貴/ジェームス・ロシター) | 34 |
7位 | 37号車 KeePer TOM'S SC430(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ) | 29 |
8位 | 8号車 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/松浦孝亮) | 28 |
9位 | 17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大) | 26 |
10位 | 6号車 ENEOS SUSTINA SC430(大嶋和也/国本雄資) | 24 |
GT300クラス
GT300クラスでは、ここまで好調のJAF-GT勢に対して車高を高くする性能調整が行われた。ポイントランキングでトップに立つ16号車 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴)は予選で14位に沈んだが、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也/佐々木孝太/井口卓人)は性能調整をものともせず、今季4回目のポールポジションを獲得。好調をキープしつつ決勝を迎えることとなった。とは言え、今シーズンの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTは決勝レースになると優勝はおろか表彰台も獲得していない。トラブルなくゴールまで走りきれるかが重要となる。
スタートでトップをキープした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太)は、1周ごとに後方を3秒も引き離すというペースでラップを続け、序盤から独走態勢を構築。1回目にピットインするころには2位に50秒の大差を付けていた。
第2スティントを担当した井口卓人選手も他車を圧倒するラップタイムで走行を続け、タイム差を1分半まで広げて山野哲也選手に交代。しかし、ここで86号車 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3がタイヤをバーストさせてセーフティカーが導入され、築き上げたマージンを失うこととなった。
レースはリセットされたが、再スタート後も61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也)のペースは衰えず、再び大量のマージンを稼ぎ出して独走態勢のままレース終盤を迎えた。
楽勝かと思われた61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTだったが、残り30周あたりになってペースダウン。序盤の接触で傷めた右リアのディフューザーがタイヤに接触するようになり、2位の4号車 GSR 初音ミク BMW(谷口信輝)との差が一気に縮まってきた。
61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太)は残り20周を切ったタイミングで緊急ピットイン。傷んだディフューザーを引きちぎり、タイヤ交換をしてピットアウトする。コースに復帰するとすぐ横を4号車 GSR 初音ミク BMWがすり抜け、5時間以上守ってきたトップの座を失ってしまった。
ピットアウト後の5周ほどはトップ2台のタイム差は3秒以上あったが、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTはタイヤが温まると一気にペースアップ。ヘアピンからの立ち上がり加速であっさりトップを奪い返した。
トップに立った61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTはそのまま快走を続け、チェッカーを受けて今季初優勝。BRZはデビュー2年目で悲願の初優勝を飾った。予選17位から2位にまで浮上した4号車 GSR 初音ミク BMWだったが、レース後の車検でリストリクター取付部に吸気漏れがあり、リストリクター違反で失格となってしまった。
これによって順位が繰り上げとなり、2位に52号車 OKINAWA-IMP SLS(竹内浩典/土屋武士/蒲生尚弥)、3位に62号車 LEON SLS(黒澤治樹/黒澤翼/中谷明彦)となっている。
●GT300クラスの順位
順位 | マシン名(ドライバー名) |
---|---|
1位 | 61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也/佐々木孝太/井口卓人) |
2位 | 52号車 OKINAWA-IMP SLS(竹内浩典/土屋武士/蒲生尚弥) |
3位 | 62号車 LEON SLS(黒澤治樹/黒澤翼/中谷明彦) |
4位 | 88号車 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/青木孝行) |
5位 | 16号車 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴) |
6位 | 11号車 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム) |
7位 | 0号車 ENDLESS TAISAN PORSCHE(峰尾恭輔/横溝直輝) |
8位 | 50号車 Exe Aston Martin(加納政樹/安岡秀徒/阪口良平) |
9位 | 3号車 S Road NDDP GT-R(星野一樹/佐々木大樹/ルーカス・オルドネス) |
10位 | 33号車 HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢) |
●GT300クラス ドライバーズランキング
順位 | マシン名(ドライバー名) | ポイント |
---|---|---|
1位 | 16号車 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴) | 57 |
2位 | 61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也/佐々木孝太) | 44 |
3位 | 11号車 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム) | 42 |
4位 | 52号車 OKINAWA-IMP SLS(竹内浩典/土屋武士) | 42 |
5位 | 55号車 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志) | 40 |
6位 | 62号車 LEON SLS(黒澤治樹) | 28 |
7位 | 61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人) | 25 |
8位 | 4号車 GSR 初音ミク BMW(谷口信輝/片岡龍也) | 22 |
9位 | 87号車 ラ・セーヌ ランボルギーニ GT3(山内英輝/吉本大樹) | 21 |
10位 | 31号車 Panasonic apr PRIUS GT(新田守男/嵯峨宏紀) | 20 |
次戦は9月7日、8日に富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で第6戦が開催される。