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テスラモーターズ、デュアルモーター搭載の「モデル S デュアル」を日本初公開

納車したモデル Sの総走行距離が10億マイルを突破。国内サービス拠点は8都市に拡大

2015年7月15日~18日10時~18時開催

 テスラモーターズ ジャパンは、これまでにテスラモーターズがグローバルで販売し、すでに納車済みとなっている「モデル S」の総走行距離が10億マイルを超えたことを記念するイベント「TESLA THE NEXT BILLION TOUR」(次の10億マイルへ)を、東京都渋谷区代官山の「DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERY」で7月15日~18日の4日間に渡り開催している。

 初日となる7月15日の夜には報道関係者を集めた説明会が行われ、同社が8月以降に順次納車を開始する予定となっているデュアルモーターAWDモデル「モデル S デュアル」を日本初公開した。

「DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERY」でデュアルモーターAWDモデル「モデル S デュアル」を日本初公開
フロントノーズ内部にある収納スペースのリッドを開けると、フロントモーターを収めた部分が膨らんでいることが従来のシングルモーター車との違い
モデル S デュアルと従来のシングルモーター車で外観上の違いはほとんどない。最上位モデルの「モデル S P85D」はブレーキキャリパーが赤く塗装されている

モデル Sの総走行距離が10億マイル超えたことを記念するイベントを代官山で開催中

テスラモーターズ ディレクター カート・ケルティ氏

 バッテリーとモーターを利用したEV(電気自動車)スポーツカーを販売するメーカーとして知られている米テスラモーターズは、米国、日本など世界各国ですでにEVを販売している。その主力製品であるモデル Sは、2012年の米国を皮切りに納車が進んでおり、ついに世界中を走っているモデル Sの総走行距離が10億マイル(16億934万4000km)に達したという。

 7月15日に行われた説明会では、テスラモーターズ ディレクター カート・ケルティ氏が登壇。「弊社の車両は常にセンターと走行データをやりとりしており、それにより出荷された全車両の総走行距離が10億マイルを超えたことが分かった。これを(地球から)月に行く距離に置きかえると4186回行ける回数で、ガソリンを使って走ったと仮定すると57万tのCO2の削減になっている」と述べ、テスラがEVという仕組みを採用したことで、環境面への貢献を実現しながらこのマイルストーン(英語で記念すべき数字の意味)を実現したとアピールした。

 その上で、テスラモーターズ ジャパンが日本の顧客に向けたサービス向上の一環として、サービス拠点の拡大を行ったことを明らかにした。ケルティ氏は「これまでは(サービス拠点は)神奈川県横浜市の1個所だけだったが、今月から8拠点を追加して合計で9拠点となっている。弊社の車両はリモートで診断が可能で、その後に必要であればサービス拠点に持ち込んでもらう仕組みとなっているが、これからは日本各地で対応することができる」と述べ、これまで神奈川県横浜市のみだったサービス拠点を、北海道札幌市、宮城県仙台市、東京都港区、埼玉県三郷市、愛知県清洲市、大阪府箕面市、岡山県岡山市、福岡県福岡市の8個所に新設。今後はよりサービスが受けやすくなるとアピールした。

「次の10億マイルに向けて」というタイトルのイベントを世界各地で開催。日本人には10億という数字があまり記念する数字に思えないかもしれないが、3桁で数字を切る英語では「サウザンド(1000)」「ミリオン(100万)」「ビリオン(10億)」が“桁が上がる”という意識になるのだ
10億マイルは月まで走ったと仮定して、4186回も行ける計算になる
今回のイベントの概要。テスラ車の試乗には事前の申し込みが必要になる。申し込みはこちらの専用Webサイト(http://www.teslamotors.com/jp/billionmiles/)などで受け付けている
神奈川県横浜市に従来からあるサービス拠点に加えて、日本各地に8拠点を新たに開設

2つのモーター装着で0-100km/h加速を3.3秒で実現

 またケルティ氏は、まもなく同社が日本でデリバリーを開始するデュアルモーターAWDモデルの「モデル Sデュアル」についても触れ、「弊社の車両はまずシングルモーターでスタートした。現在は0-100km/hが5秒だが、それが3.3秒になる。現在発売されている量産車のなかでは最速だ」と述べ、前輪と後輪のそれぞれにモーターを搭載しているデュアルモーターAWDモデルは691馬力を実現し、従来モデルと比べてトルクが50%アップ。これにより、0-100km/h加速で「マクラーレン F1」を上まわる3.3秒を実現し、4ドアの量産車としては最高の性能になると語っている。

 このデュアルモーターAWDモデルは前輪と後輪のそれぞれに対応するモーターを搭載して4WDを構成しており、「トランクションコントロールがよくなっており、それらはデジタルでコントロールできるため操縦性がよくなっている」(ケルティ氏)と、ハンドリングやドライバビリティにもよい影響があるとアピールした。

 なお、今回のイベント期間中に、事前予約してシングルモーターのモデル Sに試乗できるようになっており、会場には展示車としてデュアルモーターのモデル Sデュアルが用意されている。車両フロント側にある収納スペースのリッドを開けると、前輪に対応するモーターが格納された部分が膨らんでおり、この車両がデュアルモーターであると分かる仕様になっている。また、デュアルモーターの最上位モデルとなる「モデル S P85D」では、ブレーキキャリパーが赤く塗られていることなどがシングルモーター車との違いになると紹介された。

 テスラモーターズ ジャパンによれば、モデル Sデュアルは今回のイベントで展示されたあと、テスラモータースのショールームで展示販売される予定で、納車は8月以降に順次行われていくとのこと。

デュアルモーターAWDモデルの概念。前輪と後輪それぞれにモーターを設定した4WD車となる
将来的には自動運転機能の実装も目指しており、すでにテスラ車には自動運転に必要なレーダー、カメラ、センサーなどが実装されているとケルティ氏は解説
会場ではモデル S(シングルモーター)のベアシャシーも展示
リアモーター
シングルモーター車のフロント部分はモーターがなく、すっきりと空間が空いている

【お詫びと訂正】記事初出時、本文中の見出し部分で走行距離の数値が間違っておりました。お詫びして訂正させていただきます。

(笠原一輝)