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【三次試験場50周年】1047台のマツダ車が参加した「三次試験場50周年ファンミーティング」

「2017年はロータリー50周年、2019年はロードスター30周年、2020年はマツダ100周年」とマツダ 金井誠太会長

2015年9月20日開催

マツダの三次試験場で開催された「三次試験場50周年ファンミーティング」

 9月20日、広島県三次市にあるマツダの三次(みよし)試験場で、「三次試験場50周年ファンミーティング」が開催された。これは1965年6月に開業した三次試験場の“開設50周年を祝いたい”というマツダファンの気持ちにマツダが応えたファンイベントで、普段は非公開の三次試験場をファンに開放する形で開催された。

 三次試験場が大規模に公開されるのは、1999年の「ロードスター10周年ミーティング」、2009年の「ロードスター20周年ミーティング」以来の3回目。「三次試験場50周年マツダファンミーティング実行委員会」が主催となり、マツダは特別協賛として参加している。

 当日は、1864名のマツダファンと1047台のマツダ車が三次試験場に集結し、ファンが持ち込んだ歴代マツダ車の展示、開発拠点である三次試験場の技術解説展示、試験場内のバス見学、高速周回路の同乗走行、ル・マン24時間レース優勝車「MAZDA 787B」のデモラン、そして参加者&参加車によるパレード走行などが行われた。

 MAZDA 787Bのデモランに関しては、動画掲載記事において、4ローターエンジンのサウンドを楽しんでいただきたい。

ル・マン優勝車「MAZDA 787B」がデモラン

http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150920_722166.html

「R360クーペ」から「ND型ロードスター」まで歴代マツダ車がずらり

 開会式では主催者である「三次試験場50周年マツダファンミーティング実行委員会」を代表して水落正典氏が挨拶。水落氏はロードスターオーナーズクラブ「RCOJ(Roadster Club of Japan)」の代表としても知られており、三次試験場でのイベント運営経験もあることから、三次試験場50周年マツダファンミーティング実行委員会の中心メンバーとなっている。そのほか共催者であるマツダを代表してマツダ 執行役員 グローバル販売&マーケティング本部長 青山裕大氏、地元となる三次市を代表して三次市長 増田和俊氏がお祝いの言葉を述べた。

水落正典氏
マツダ 執行役員 グローバル販売&マーケティング本部長 青山裕大氏
三次市長 増田和俊氏
三次市関連の人々

 メイン会場の多くを占めていたのは「歴代マツダ車」展示。三次試験場は1965年開業し、1967年に発売された世界初の量産ロータリーエンジン搭載車「コスモスポーツ」開発の舞台となった場所。展示はコスモスポーツから始まるのかなと来場前に考えていたのだが、1960年にマツダ初の乗用車として発売された「R360クーペ」から、最新モデルである新型「ロードスター」まで、ずらりと並んでいた。78台の展示予定となっていたが、なぜか2台は展示されておらず、展示されていた76台のマツダ車を全掲載しておく。

昭和39年式「R360クーペ」。AT車限定免許希望者用に自動車教習所で使われていた車両とのこと
エンジンはリアに搭載
昭和43年式「K360」
昭和39年式「キャロル360」
昭和48年式「ポーターバン」
昭和39年式「ファミリア800」
昭和41年式「ファミリア」
昭和42年式「ルーチェ1500DX」
昭和42年式「ファミリア」
昭和46年式「コスモスポーツ」
昭和48年式「ファミリアプレストロータリーTSS」
昭和48年式「ルーチェロータリーセダン GR」
昭和50年式「ルーチェロータリーAPワゴン GRII」
昭和50年式「グランドファミリアGF2」
昭和51年式「シャンテ」
昭和48年式「サバンナ(GS II)
昭和53年式「サバンナRX-7」
平成2年式「サバンナRX-7」
平成4年式「サバンナRX-7 カブリオレ」
平成14年式「RX-7 スピリットR」
平成19年式「RX-8 40周年記念車」
昭和51年式「コスモAP」
昭和54年式「プログレス コスモ」
昭和59年式「コスモ 4ドアロータリーターボ」
平成2年式「ユーノス コスモ」
昭和52年式「ルーチェレガートリミテッド」
昭和63年式「ルーチェ」
昭和62年式「エチュード」
昭和63年式「カペラC2 GTR」
昭和57年式「ファミリア」
“赤いファミリア”で知られるクルマ。このクルマが初めての新車という人も多いだろう。展示アイテムなどからオーナーがクルマに注ぐ愛情がうかがえる
平成4年式「ファミリア GT-R」
平成6年式「ファミリアネオ」
平成13年式「マツダスピードファミリア」
平成13年式「ファミリアS-ワゴン」
平成2年式「ペルソナ(ユーノス 300)」
平成4年式「ユーノス 500」
平成8年式「ユーノス プレッソ」
平成6年式「レビュー」
平成5年式「アンフィニ MS-6」
平成4年式「アンフィニ MS-9」
平成7年式「センティア」
平成10年式「センティア」
平成4年式「AZ-1」
平成6年式「キャロル」
平成6年式「ランティス」
平成8年式「カペラ」
平成10年式「カペラワゴン」
平成16年式「ミレーニア」
平成7年式「ボンゴフレンディ」
平成8年式「プロシードマービー」
平成9年式「デミオ」
平成14年式「デミオ」
平成21年式「デミオ」
平成27年式「デミオ」
平成19年式「ベリーサ」
平成15年式「プレマシー」
平成21年式「プレマシー」
平成23年式「プレマシー」
平成14年式「MPV」
平成18年式「MPV」
平成20年式「ビアンテ」
平成19年式「アテンザ」
平成21年式「アテンザ」
平成22年式「マツダスピード アテンザ」
平成26年式「アテンザ ワゴン」
平成27年式「アテンザ ワゴン」
平成18年式「アクセラスポーツ」
平成23年式「マツダスピード アクセラ」
平成25年式「アクセラ」
平成26年式「アクセラ XD」
「CX-7」
平成26年式「CX-5」
平成27年式「CX-3」
平成5年式「ユーノス ロードスター」
平成10年式「ロードスター」
平成26年式「ロードスター」
平成27年式「ロードスター」

普段は見られない三次試験場の内部を見学

 この50周年ファンミーティングには、多くのマツダ社員が休日返上で参加。三次試験場で行われている開発の一端を公開していた。とくに珍しかったのが、エンジンの成形時に使う砂型を公開していたこと。実際に砂型に触ることもでき、砂から金属製のエンジン形が決まることを不思議に感じていた人もいるようだ。

 また、新型ロードスターやコスモスポーツのホワイトボディーなども展示。新型ロードスターは耐久テストの試験に使用したもので、耐久テストを行った後の変化点の確認をするためかバラバラになっていた。コスモスポーツはレストア実施過程のもので、今後ゆっくり組み立てられていく。ちなみに耐久テストだが、「どのくらい走ることを耐久テストとしているのか?」と質問してみたところ、「走行距離は言えない」とのことだった。

バラバラになった新型ロードスターの展示。耐久試験での変化を確認するためだ
レストア中のコスモスポーツ
現代のクルマに欠かせないのが衝突安全などの試験。衝突安全試験車やダミー人形の展示も行われた
今のマツダを象徴するソウルレッドプレミアムメタリックの展示。塗装の違いを理解してもらう
新型ロードスターと先代ロードスターの部品の違い
エンジンを成形する砂型の展示
磨きの体験コーナー
新旧ロードスターのボディーパネルの違い
三次警察署で採用されているCX-5のパトカー
ステージでは、Mr.ル・マンこと寺田陽次郎氏(左)と、新型ロードスターの開発主査である山本修弘氏(右)とのトークショーも実施された
ペーパークラフトコーナー
子供の遊び場も用意
ロータリーエンジン組み立て体験コーナー
三次市消防団音楽隊による演奏
地元のショップも出店
三次市のゆるキャラ「きりこちゃん」も登場
試験場のガードレールへの寄せ書きやじゃんけん大会なども実施
参加者からプレゼントされたお祝いの花

 普段は見られないという意味で興味深かったのは、三次試験場内のバス見学。風洞試験設備の外観や試験場内のワインディング路をバスで案内してくれるというもので、1個所を除き撮影禁止。唯一許された個所は、ロータリーエンジンの開発者として知られる山本健一氏(のちにマツダ社長)による石碑で、“飽くなき挑戦”との文字が刻まれている。

 高速周回路の同乗走行では、新世代スカイアクティブ車を使って、三次試験場のおむすび型のコースを走行。180km/hでの高速バンク走行を体験できた。同乗していて意外に思ったのが、コース内から見える外部の建物がいくつかあること。三次試験場設置後にできた建物で、外部から高速周回路が見えるようになっている。そのため、高速周回路では発売前のクルマについては偽装などをしてテストを行っているとのことだ。

高速周回路の同乗走行や、試験場内のバス見学は定員制。午前中から無料チケットが配られ、お昼過ぎには満員が相次いだ
試験場内見学のバスに乗り込む
唯一バス車内からの撮影が許された石碑。“飽くなき挑戦”と刻まれている
高速周回路の同乗走行はヘルメットを装着する
ヘルメットの後部には「三次管制」と書かれている
順序よく周回車両に乗り込んだ
同乗走行のドライバーは、マツダのテストドライバー
スタートを待つ同乗走行用車両
閉会式の挨拶を行う、マツダ 金井誠太会長

 16時から最後のパレード走行を行う進行となっていため、15時に閉会式、その後MAZDA 787Bのエキシビション走行を実施した。閉会式ではマツダ 金井誠太会長が挨拶。金井会長は、三次試験場50周年ファンミーティングに集まったマツダファンにお礼を述べるとともに、2017年のロータリー50周年、2019年のロードスター30周年、2020年のマツダ100周年でなんらかのイベントを実施したいと発言。2020年の創業100周年へ向けて、ファンと一緒に歩んでいく姿勢を示した。

1991年のル・マン24時間レースで日本車として初めて総合優勝したMAZDA 787B。2011年に整備され、エキシビションとしてル・マンを走行した。そのため、「がんばろう日本」「がんばろう東北」とのメッセージが刻まれている
予定より多く高速周回路を走行。ドライバーは寺田陽次郎氏
新型ロードスターが先導する形で最後のパレードを実施。左奥にはパレードを待つ多くのクルマが並んでいる
参加車両に別れを告げる運営スタッフ
マツダ 常務執行役員 藤原清志氏(写真中)、山本主査(写真右)もお見送り

【訂正】歴代マツダ車展示の展示車両は78台分の枠(予定展示台数も78台)が確保されていましたが、76台の展示となっておりました。そのため歴代マツダ車展示の写真掲載は76台になります。

(編集部:谷川 潔/Photo:高橋 学)