ニュース

トヨタ、人工知能研究会社「Toyota Research Institute」がミシガン州に第3の自動運転研究拠点を開設

NVIDIA主催の「GTC 2016」でギル・プラットCEOが発表

2016年4月7日(現地時間) 発表

NVIDIAが主催するGPUソフトウェア開発者向け会議「GPU Technology Conference 2016」で基調講演を行なうToyota Research Institute ギル・プラットCEO

 トヨタ自動車が1月に米国に設立した人工知能技術研究・開発会社「Toyota Research Institute(以下、TRI)」は4月7日(現地時間)、米国ミシガン州アナーバーに新たに拠点を開設する。カリフォルニア州パロ・アルトおよびマサチューセッツ州ケンブリッジに次ぐ、TRI第3の拠点となる。

 新拠点では、ミシガン大学のライアン・ユースティス(Ryan Eustice)教授がマッピング技術で、エドウィン・オルソン(Edwin Olson)教授がセンサー・認識技術で、それぞれの研究を指揮すべく参画する。両教授は、ミシガン大学教授職との兼務となる。

 新拠点開設は今年6月を予定。トヨタの米国の研究開発拠点であるトヨタ・テクニカル・センターの自動運転研究チーム約15名が開設に合わせてTRI新拠点に異動する。新拠点全体の人員は、当面の計画として約50名を想定しているという。

GTC 2016でアナーバーに第3の研究拠点を置くことを発表するギル・プラットCEO
アナーバーに設置する理由
アナーバーのリーダー
TRIのギル・プラットCEO

 TRIのギル・プラット(Gill Pratt)CEOは「ミシガン大学は、特に自動運転など自動車安全に関する研究で非常に優れている。加えて、トヨタとしても、ミシガン大学の近くにテクニカル・センターを構えるとともに、走行実験施設である『Mcity(エムシティ)』を運営するモビリティ・トランスフォーメーション・センターのスポンサーであるなど、アナーバーとの縁は深い。また、近郊においてもMcityを補完する走行実験施設として、アメリカン・センター・フォー・モビリティの開設が予定されている。このようなことから、TRI拠点のひとつとして、アナーバーは非常に魅力的だ」「トヨタを含め、この数年で自動車業界は、自動運転分野で大きく前進してきたが、運転シーンのうち大部分の状況は容易なものであり、これまで達成したこともそう難しいことではない。自動運転技術によるサポートが必要で、TRIが取り組もうとしているのは、むしろ運転が難しい場面である。トヨタの目標は、全ての人に、いつでもどこでも安全な移動手段をご提供し、人々の生活をより豊かにすることにある」とコメントとしている。

(編集部:谷川 潔)