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写真で見るベントレー「フライングスパー」
(2013/8/13 00:00)
2013年のジュネーブショーでワールドプレミアされた4ドアセダン・ベントレー「フライングスパー」。同社には同じく4ドアモデルとなる「ミュルザンヌ」もラインアップするが、こちらはフラッグシップサルーン的な位置づけ。対してフライングスパーはハイパフォーマンスサルーンであり、もう少しフォーマルなドライバーズカーとしての役割も担っている。
とは言え、この新型フライングスパーは最大のマーケットとなる中国からの要望に応え、ショーファー面を強く意識し快適性を重視した味付けとなっているのが特長だ。
乗り心地の面ではスプリングやスタビライザー、ブッシュといったパーツを10~25%もソフト化することで、路面からの入力をボディーに伝えにくくしている。その一方で、連続可変式ダンピングコントロール(CDC)の見直しにより、必要なときには素早く減衰力をアップするようなセッティングも採り入れている。
静音性の面では、従来からの吸音パネルを装着したアンダーフロアに加え、防音ガラスの採用、ドア外板への防音材の追加、マフラーの大型化などを実施。また、ベンチレーションシステムの強化によって、車内温度の適温化までの時間も短縮されているなど、こだわりの作り込みによって高級サルーンならではのハイレベルな快適性を実現しているワケだ。
エンジンはW型12気筒DOHC 6.0リッターツインターボを搭載。そのスペックは最高出力460kW(625PS)/6000rpm、最大トルク800Nm/2000rpmを誇り、ベントレー4ドアモデルでは史上最強のユニットとなる。組み合わせるトランスミッションはZF製の8速AT。駆動方式は4WDで、通常はフロント:リアには40:60のトルク配分を行うが、シチュエーションに応じてフロント65~リア85まで変化。強烈なエンジンパワーを的確に路面に伝えることが可能となっている。
同時にボディー構造も見直された。先代モデルよりねじり剛性を高める一方で、車両重量は50kg軽量化。とは言え、その重量は2475kgとヘビー級だが、前述したパワートレーンを採用することで、停止状態から100km/hに達するまでに要する時間はわずか4.6秒。エアサスペンションにより車高を2段階調節する機構も備えており、195km/h時にフロント5mm/リア10mm、240km/h時にフロント8mm/リア13mmダウン。エアロバランスを最適化するとともにドラッグ(走行抵抗)を低減することで、最高速は322km/hをマーク、最速の4ドアセダンを名乗るに恥じないパフォーマンスを備えているのだ。
価格は2280万円。ボディーカラーは標準カラーが17色、オプションカラーが100色以上用意される。撮影車両のボディーカラーはグレーシャーホワイト(Glacier White)。シートベンチレーション&マッサージ機構などのセットオプション「コンフォートスペック」、21インチアルミホイールなどのオプションを装着している。