日下部保雄の悠悠閑閑

エアコン洗浄

「空気の洗車屋さん」の世田谷本店でクルマのエアコン洗浄をしてきた

 ラジオパーソナリティの織田千穂さんから「空気の洗車屋さん」を紹介された。つまりカーエアコンのクリーニングだ。家庭用のエアコン洗浄は多くあるが、クルマのエアコン洗浄は私自身これまでやったことがない。

 お世話になったのはクリーンデバイス・テクノロジーさん。クルマのエアコン洗浄を専門とする2018年創業のベンチャーで、全国にフランチャイズ展開しながら成長中だ。

 空気の洗車屋さんは、通常だとエアコンを取り外さなければできないようなエバポレーター洗浄を、わずか1時間ぐらいの作業で行なえるところにメリットがある。つまりコストも下がる。エアコン洗浄価格は車種によって異なるが、通常は国産車で3万8500円、輸入車で4万4000円とのこと。後述する出張で行なう場合も出張費はかからない。

 洗浄したのは自分のND型「ロードスター」。2019年に手に入れたが、2020年で初年度登録から5年目、走行距離約1万9000kmの中古車だ。日常的にはエアコンの効きも臭いも気にしていなかったが実際どうなんだろう? ということで施行してもらうことなった。

 世田谷の本店に持ち込んだNDロードスターは、さっそくスタッフの手によってシートなどをカバーされ、ビニールシートの上に外された内装パーツが並べられていく。

シートにカバーをかけてエアコン清掃の作業に入る

 意外な発見もあった。NDロードスターには通常は付いているエアフィルターが装備されておらず、取り入れ口には大きなごみを阻む網があるのみだった。自分の場合は葉っぱなどがそこに引っかかっていた。オープンが基本のロードスターならではなのだろうか。

取り外された内装。落ち葉が結構入っていた

 軽量コンパクトにこだわったロードスターはエアコンもコンパクトだ。初めてNDロードスターに取り組むスタッフもやりにくそうだが、手際よく作業は進み、ファンも外されて洗浄されていく。

 エアコンの心臓部である熱交換器のエバポレーターは、その構造により結露が発生するためホコリやダニなどが付着し、さらにカビも発生しやすくエアコン特有の臭いの原因となる。従って、エバポレーターを洗浄しないとエアコン特有の臭いは消えない。これがなかなか難しい。

高圧洗浄の薬剤

 空気の洗車屋さんでは、エバポレーターをカメラで目視しながら薬剤で高圧洗浄するため、すみずみまでキレイになる。

カメラで見た洗浄中のエバポレーター

 これらの行程で清掃が済んだら、最終工程として世田谷本店ではオプションとなる防カビコーティングを行なって念を入れる。あとは内装材を取り付けて、最後は残った液剤をドレーンコックから落として終了となる。

除菌作業でダクトから薬剤を注入する

 最初にドレーンから出た洗浄液は濃い茶色だったが、さらに2回ほど洗浄されると液は透明になった。

最初の洗浄液(手前)と2番目の洗浄液(奥)。3回目はさらに透明になった

 今回はスタッフも初めてのNDロードスターだったので、終了するまで約2時間かかったが、通常は1時間ぐらいで終わると言い、出張サービスも可能だ。

 作業が完成する間、CEOの大野さんといろいろな話をする機会があった。アメ車好きはカルフォルニア居住以来の筋金入り。泥棒に入られた時の警察の対応など、彼の地では考えられない経験を積んできたようだが、困難なことをサラリと語るところにパイオニア精神を感じられた。

 また、エアコンは構造上いろいろなものが入りこみ、なかにはびっくりするようなものが出てくることもあるという。そんな話を聞いたあとに茶色の洗浄液を見ると、カーエアコンも定期的に掃除したほうがいいな、という気になった。

 帰りのNDロードスターのエアコンは本当に無臭だった。あえて言えば新車のにおいという感じだろうか。ファンも気のせいか軽く回るようだ。NDロードスターも機嫌がいいゾ。

日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/16~17年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。