人とくるまのテクノロジー展 2019
「カルソニックカンセイ」と「マニエッティ・マレリ」が統合された新ブランド「マレリ」がブースを出展
27型デジタルメーターやガソリンエンジン向け板金製ターボハウジングなど展示
2019年5月22日 19:54
- 2019年5月22日~24日 開催
- 入場無料
自動車技術会が主催する自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」が5月22日、神奈川県のパシフィコ横浜・展示ホールで開幕した。会期は5月24日まで。登録が必要だが入場は無料。
展示会場には自動車メーカーやティアワンの部品メーカーなどが所狭しとブースを構えている中、「マレリ」として再スタートを切ったマニエッティ・マレリCKホールディングスもブースを出展。
マレリはカルソニックカンセイとマニエッティ・マレリが5月に統合してできた新ブランドで、カルソニック・カンセイが開発してきた板金製タービンハウジングのガソリン・ターボ・エンジン向け版と、マニエッティ・マレリが開発してきた製品を同じブース内に展示している。
ブランド合併によりマレリとなった両者、展示はマレリとして行なわれる
マレリは、日本のティアワン部品メーカーであるカルソニック・カンセイと、イタリアのティアワン部品メーカーであるマニエッティ・マレリが統合されてできたティアワンの部品メーカー。元々カルソニック・カンセイは日産自動車系、マニエッティ・マレリはフィアット系の部品メーカーだったが、CKホールディングスが2017年にカルソニック・カンセイを子会社化し、その後フィアットからマニエッティ・マレリを買収。5月13日に、ブランドがマレリに統合されることが明らかにされたばかりだった(別記事参照)。
その発表からまだ10日も経っていないが、すでにブースはマレリに統一されており、カルソニック・カンセイの製品、マニエッティ・マレリの製品がマレリの製品として展示された。ブースでも目立つところには「MARELLI」の大きなブランドロゴが表示されており、その下に小さくカルソニック・カンセイのロゴとマニエッティ・マレリのロゴが表示されていた。ただし、展示されている製品の方はまだ新しいロゴになっておらず、それぞれカルソニック・カンセイやマニエッティ・マレリのロゴがそのまま使われていた。
27型デジタルメーター、ガソリン用板金製タービンハウジングなどが展示される
マニエッティ・マレリ関連の製品では、27型デジタルメーターパネルと12.3型カーブ・デジタルメーターパネルの2つが展示されていた。
27型デジタルメーターパネルは12.3型ディスプレイを2枚搭載したデジタルメーターパネル。どちらのパネルもマルチタッチパネルになっており、ピンチやズームといったスマートフォンでおなじみの操作が可能になる。1枚のパネルにはメーターを、もう1枚のパネルにはIVI(車載情報システム)の役割を割り当てて使用するイメージでデモを行なっていた。
また、12.3型のカーブ液晶は、ディスプレイ素子自体が歪曲しているディスプレイが利用されており、平坦なデザインしか選択肢がなかったデジタルメーターに、新しいデザインの選択肢を提案することが可能になる。
カルソニック・カンセイ側ではそうしたデジタルディスプレイをメーターなどに組み込んだデモを実施。
加えて、板金製のターボ用タービンハウジングも展示。一般的なターボでは、タービンのハウジング(外装)に一体成形の鋳物を利用しているが、カルソニック・カンセイでは鉄を利用した板金製に置き換えを実現。すでにディーゼル・ターボ・エンジン用に関しては量産され、実際に採用されている。今回展示したのは、そのガソリン・ターボ・エンジン向けの板金製ハウジングで、一体成形の鋳物と比較して軽量かつ、出力が向上するという特徴があるという。ガソリンエンジンではディーゼルエンジンに比べて熱量が大きく、そのまま使えなかったため、ガソリンエンジン用に再設計をして実用化。現在、自動車メーカーなどの顧客に売り込みを行なっている状況で、顧客が見つかり次第量産に取りかかることができる状況にあるとのことだ。