人とくるまのテクノロジー展 2019
ショーワ、高度な自動運転に対応するステア・バイ・ワイヤシステム採用のステアリングシミュレータ
電子制御式と周波数応答型の電子制御式ダンパーも
2019年5月23日 11:16
- 2019年5月22日~24日 開催
- 入場無料
自動車技術会が主催する自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」が5月22日、神奈川県のパシフィコ横浜・展示ホールで開幕した。会期は5月24日までとなっており、入場は登録を行なうことで無料となっている。
ショーワブースは、「究極の気持ち良さと楽しさをすべてのユーザーへ~Performance.Pleasure. Progress.~」をテーマにして、4輪用のSBWS(ステア・バイ・ワイヤシステム)やステアリングシミュレータ、電子制御式ダンパーの「IECAS(イーキャス)」、2種類の電動パワーステアリング、第3世代のデファレンシャル・キャリアアッセンブリーなどを展示している。
ステアリングシミュレータは高度な自動運転に対応するSBWSを利用していて、機械的なバックアップ接続がないのが特徴となる。現状のステア・バイ・ワイヤシステムの多くは、万が一のことを考慮してステアリングシャフトを有している。だが、ショーワのSBWSはステアリングシャフトを排除した代わりに、多くのフェールセーフ機能によってトラブルのリスク低減を実現するという。ステアリングシャフトをなくすことでステアリングの設置位置は自由になり、右/左ハンドルでも部品の共用ができる。ステアリングシミュレータでは、ステアリングの操舵スピード反力をコントロールでき、自動運転のモードも再現している。SBWSは2020年代中盤の商品化を予定しているそうだ。
ダンパーは電子制御式と周波数応答型の2タイプを展示。「IECAS」と呼ばれる電子制御式ダンパーは、車輪速センサーなどのCAN情報を元にダンパーストローク速度を推定演算し、路面状況に合わせて最適な減衰力を提供するというもの。
一般的な電子制御式ダンパーは、ダンパー速度をセンシングするストロークセンサーの変化を元に減衰力を調整しているが、IECASは車輪速を演算するのが特徴になる。CAN情報は、現在ではほとんどのクルマで純正装備されているので、従来型の電子制御式ダンパーよりもコストの低減が可能。また、ストロークセンサーを使ったモデルよりも減衰力を調整するレスポンスに優れているために、ドライバーやパッセンジャーはより快適な乗り心地が体感できる。
このIECASは、すでにアキュラやホンダの主力車種に採用されている。
第2世代の4輪車用周波数応答型ダンパー「SFRD」は、路面の凹凸から伝わる振動周波数によって減衰力を自動的に調整するメカニカル構造を用いたモデル。低コストながらも操縦安定性と乗り心地のよさを両立する。ダンパーへの入力が低い状態では減衰力を落とし、大きなギャップを乗り越えるときなどは高い減衰力を生み出す。作動方法は振動の周波数によりオイル流路を変えることを実現。オイル流路の改良によってロードノイズの低減にも貢献するそうだ。