イベントレポート

【東京モーターショー 2019】住友ゴムはウェットグリップ性能の低下を半減した新しい低燃費タイヤ「エナセーブ NEXT III」を発表

ダンロップとファルケン両ブランド合同で出展。市販品や技術コンセプトなど紹介

2019年10月23日 開幕

2019年10月25日 プレビューデー

2019年10月25日~11月4日 一般公開日

 10月23日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で「第46回東京モーターショー2019」が開幕した。10月25日はプレビューデー、10月25日~11月4日が一般公開日となる。

 東京ビッグサイト 南4ホール(S4401)にある住友ゴム工業ブースでは、ダンロップとファルケンの両ブランドの製品や技術を訴求する展示を実施。24日に行なわれたプレスカンファレンスでは、住友ゴム工業 代表取締役社長 山本悟氏がウェットグリップ性能の低下を半減したダンロップブランドのフラグシップ低燃費タイヤ「エナセーブ NEXT III(ネクスト スリー)」を発表した。

住友ゴム工業のブース。ダンロップとファルケンの両ブランドの製品や技術を訴求する展示を実施
ウェットグリップ性能の低下を従来品よりも半減させた低燃費タイヤ「エナセーブ NEXT III」
エナセーブ NEXT III

 エナセーブ NEXT IIIは、「性能持続技術」のコンセプトを取り入れるとともに、「SMART TYRE CONCEPT」の主要技術を採用した第1弾製品。発売は12月1日で、タイヤサイズは195/65R15の1サイズ。価格は2万5100円(税別)となる。

 新採用技術として、タイヤの原材料情報に加えてゴム内部の構造情報である高度分析データのリアルな情報から高精度なゴム物性推定や、仕様前後の構造変化の検知によって使用後のゴム物質推定などに応用できるAI技術「Tyre Leap AI Analysis」を導入。ナノからミクロンレベルまでゴムの内部構造を連続的かつ鮮明に解析し、シミュレーションすることを可能とする新素材開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN」を駆使することで、タイヤの摩耗や経年による性能低下のメカニズムを分子レベルで解明した。

 さらに、従来のポリマーとは異なる「水素添加ポリマー」をタイヤで初めて採用。ゴム内部の分子と強い結合力と切れても戻る結合が実現でき、グリップ性能の低下を「エナセーブ NEXT II」と比べて半減させた、

 また、高機能バイオマス素材であり、国が重点産業として推進している素材「セルロースナノファイバー」を世界で初めてタイヤに採用。環境性能を高めて循環型社会の実現に寄与する「ライフ・サイクル・アセスメント(LCA)」の観点から環境負荷低減にも貢献するとした。

住友ゴム工業株式会社 代表取締役社長 山本悟氏

 山本氏はプレスカンファレンスにおいて、「当社はタイヤの性能低下をゼロにすることを目指して技術を開発しております。今回開発いたしました新しい技術は、これまでとはまったく異なるポリマーを初めて採用したところでございます。このポリマーを採用することでゴムのしなやかさが年数を経ても持続し、2万km走行後もウェットグリップの性能が持続することができました」とエナセーブ NEXT IIIをの特徴を紹介した。

エナセーブ NEXT IIIに関する説明

 続けて、山本氏はソリューションサービスについても紹介。「2020年にはセンサーを使って得られるタイヤ空気圧・温度データを活用したタイヤ空気圧管理ソリューションサービスの展開を法人向けに行なう予定」と述べ、センサーを使用して走行時のタイヤ空気圧・温度を監視することでパンクなどトラブル発生時のメンテナンスに対応可能になるとした。

 このサービスは今後個人向けにも展開する予定と言い、ローテーションや交換時期といったメンテナンス情報を最適なタイミングでスマートフォンに直接通知できるようになると説明した。

ソリューションサービスに関する説明
新しいスマートタイヤコンセプトによるタイヤ、およびサービスが生き生きとした豊かな社会を支えることをイメージしたというジオラマ

 最後に山本氏は「われわれ住友ゴムはIoTやAI技術の革新による市場変化を新たな事業機会ととらえまして、新しい時代と新しいモビリティ社会のためのタイヤ、およびその周辺サービスをこれからも提供してまいります。どうぞご期待ください」と述べ、カンファレンスを締めくくった。

エナセーブ NEXT IIIと住友ゴム工業株式会社 代表取締役社長 山本悟氏
ダンロップブランドのタイヤ
2輪用サーキット・パフォーマンスタイヤ「SPORTMAX Q4」
ダイハツ工業のコンセプトカー「WakuWaku(ワクワク)」装着タイヤ
低燃費プレミアムタイヤ「VEURO VE303」
コンフォート低燃費タイヤ「LE MANS V」
ミニバン専用低燃費タイヤ「エナセーブ RV505」
低燃費タイヤ「エナセーブ EC204」
オールシーズンタイヤ「ALL SEASON MAXX」
スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02」
空気を使わないエアレスタイヤコンセプト「GYROBLADE(ジャイロブレイド)」
世界初の空気入りタイヤのレプリカ
2013年に発売された100%石油外天然資源タイヤ「エナセーブ 100」
タイヤそのものをセンサーとする安心・安全に貢献する技術「センシングコア」に関する展示。雪道を走っている画面になると、クルマの模型の下の画面も雪道に変わって警告が出る
ファルケンブランドのタイヤ
4×4 オールテレーンタイヤ「WILDPEAK A/T3W」
4×4 マッドテレーンタイヤ「WILDPEAK M/T01」
プレミアムタイヤ「AZENIS FK510」
ドレスアップ バン用タイヤ「W11」
ホワイトレターが映えるW11
SUV用コンフォートタイヤ「ZIEX S/TZ05」
WILDPEAK A/T3Wを装着したジープ「ラングラー」も展示

編集部:北村友里恵