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ルネサス、ドライバーの状態を認識する新開発のコネクテッドカーなど「CES 2018」出展

ADASや自動運転デモカーも機能と性能を向上

2017年12月21日 発表

コックピットのセンターに17インチのフルHDコンソールを装備し、メータークラスタも12.5インチの3Dのデジタルクラスタを採用する新開発のコネクテッドカーなど3台を出展

 ルネサス エレクトロニクスは、ダッジ ラムをベースにして新開発した新型コックピットを搭載したコネクテッドカーなどを米ラスベガスで開催される「CES 2018」(2018年1月9日〜12日)に出展する。

 新開発のコネクテッドカーには、コックピットのセンターに17インチのフルHDコンソールを装備、メータークラスタも12.5インチの3Dのデジタルクラスタを採用。Green Hills Softwareの「INTEGRITYR Multivisor」による仮想化機能により、Safe OS上のクラスタ表示と最新「Android 8.0」を搭載したコンソール上のアプリケーション間の表示連携を、同社の車載コンピューティング・プラットフォーム「R-Car H3」で実現する。

 また、室内をカメラでセンシングし、ドライバーの状態を認識するとともに、クラウドとのアプリ連携を図るほか、リア/サイドビュー電子ミラーや、SDR(Software Defined Radio)なども搭載予定。

 このほか、2016年にルネサスとして初めて実車デモを行なった ADAS(Advanced Driving Assistance System:先進運転支援システム)を搭載するキャデラックベースのデモカー、2017年にデビューした自動運転デモを行なうリンカーンベースのデモカーも、それぞれ機能と性能を強化して出展。

 自動運転デモカーでは、市街地での自動運転の実現を見据えてバージョンアップを図り、センサーカメラ9個、GPSとLiDARセンシングを備えて、それぞれのセンサーを高性能化。低消費電力の「R-Car SoC」でレーン認識、停止標識、速度制限標識、信号機、歩行者、駐車スペースの検出などを行なう。

 とくにコストに優れるR-Car V3Mではディープラーニングによる認識を実現。HADソリューションキット2台を使用してセンサーフュージョンやコグニティブ処理を行なう本システムは、フェールオペレーショナルを実現し、30Wの低消費電力で動作する。

 ルネサスエレクトロニクス 車載システム事業開発統括部の Vice President である Amrit Vivekanand氏は「ADASや自動運転システム、またコネクテッドカーを開発されているお客様にとって、市場投入までの期間短縮や、将来を見据えた柔軟性、さらにはコストの制約など、課題は急速に厳しくなっています。我々のこれらのデモカーは、開発プラットフォームとして高い評価をいただいており、今後も素晴らしいパートナーとのコラボレーションを強化し、お客様の自動運転やコックピット開発を加速します」とコメントしている。