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エアレースパイロット室屋義秀選手、レッドブル・エアレース千葉大会3連覇へ挑戦
5月26日~27日開催の「レッドブル・エアレース千葉2018」に向け、地元の福島で調整進む
2018年5月12日 00:00
- 2018年5月9日 開催
- レッドブル・エアレース千葉2018:2018年5月26日~27日開催
5月26日~27日に開催される「レッドブル・エアレース千葉2018」で千葉大会3連覇に挑戦する、エアレースパイロット室屋義秀選手が5月9日、レース本番への意気込みや、開幕戦、カンヌ大会への振り返りについて話した。
室屋選手の2018年シーズンを振り返ると、開幕戦アブダビでは2位表彰台で12ポイント獲得、第2戦カンヌでは決勝ラウンド「ファイナル4」に進出するもペナルティにより4位に終わり7ポイント獲得、2018年のシリーズランキングでは19ポイントで3位となっている。
開幕戦アブダビについて、室屋選手は「(これまでの)開幕戦ではだいたい失敗していて、2017年も実は失敗して機体はオーバーヒートでレースができない状態でした。2018年のアブダビ戦についてほぼ2017年と同じ形態で参戦して、その後に時間がある時に改造を進めていく作戦がとれたので、今年は安定したスタートを迎えることができたと思います」と振り返った。
第2戦カンヌについて、室屋選手は「レース前のフリープラクティスは、フランスで改良した部品のテストが大きな目的でしたが、フライトは安定していてタイムを出しやすく、チームとしてはいい状態でした。予選は6位でしたが去年だったら3位ぐらいタイムなので、今年は予選から僅差で気を抜けない展開。ファイナル4については、途中から強い風が入ってきてそれに対応できなかった。それを除けばほぼ完璧なレース内容で、チーム全体の力としては去年より上がっている」と話した。
千葉大会を戦う機体に関しては、新しいエンジンカウル、翼の周辺にできる空気の渦を制御するという「ウイングチップ」がカンヌ戦から投入された。
そのエンジンカウルについて、室屋選手は「1つは前面投影面積を小さくして空気抵抗を減らしていること。空気の取り入れ口から排出口までの空気の流れでエンジンを冷却しているのですが、これが抵抗となるので、冷却効率を高めながら空気抵抗を下げるというものを作り込んだ」と話すとともに、「冷却状態はよくなっていることはフランスでも実証されている」と述べ、福島でさらに調整を進めるという。
また、ウイングチップについては「ウイングチップのよさはウイングレットと比べてほとんど乗り心地が変わらないところ。大きなウイングレットを取り付けるとロール方向の制御が少し不安定になりうる部分があるので、レースでの安定度を崩さないためにもこのウイングチップを採用した」と明かした。
5月26日~27日に開催される千葉大会に関しては、室屋選手は2016年に自身初となる優勝を果たし、2017年は2連覇を達成。2018年はこれまでの2戦においてもラウンド4進出を果たすなど安定した成績を残しており、千葉大会3連覇への期待がかかる。
千葉大会への意気込みについて、室屋選手は「昨年ワールドチャンピオンを獲得したことと、日本では3連覇もかかっていますので、大きな注目と期待をいただいています。フランスで準備をしてきて、福島でも準備をしていきますが、開催までの2週間、その期間を無駄にしないようにレースに挑むしかない。皆さんからの期待はありがたく頂戴しつつ、あまり緊張してもうまく飛べるものではないので、見ていただく方にいっぱい緊張いただいて(笑)、その分、我々チームとしてはいつもどおりにしていきたい」と話した。
ファンに向けたメッセージとして、室屋選手は「地元開催ということで海外のレースとは比べものにならない多くの声援がありますので、我々チームとしても全力をつくすべく準備を進めていきたい。2018年シーズンは本当に僅差で、カンヌ戦で見ていただくと0.1秒、0.2秒の差でレースが決まっていて、操縦している身としては、自分でも分からないくらいの差で勝敗が決まっていて、そういったところで支援いただいているファンの力が心のどこかで支えになっていたりしますので、応援いただいて力をいただきたいと思います」とコメントした。
2015年の初開催から4回目の開催となる千葉大会。その注目度に関して室屋選手は「特に福島県内は(チケットの)購入数も多くて県民の方には知っていただいていると思います。当日の会場には9~10万人以上は入れないので、それ以外の方はTVで見てもらうしかないのですが、今年はライブで配信されたりもして非常に注目度は高いと感じています」と話した。