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コンチネンタル、コネクティッドカー向け「サイバーセキュリティ」技術説明会

車載ECUからクラウドまで、エレクトロビットやアーガスとの取り組みを紹介

2018年7月26日 開催

OTAソフトウェアアップデート機能を持つ車載インフォテイメントシステム

 コンチネンタル・オートモーティブ・ジャパンは7月26日、クルマのコネクテッド化で課題となるサイバーセキュリティについて、アーガス(Argus Cyber Security)とエレクトロビット(Elektrobit)とともに取り組んでいる同社の技術説明会を開催した。

 アーガスは2017年にコンチネンタルグループ傘下に加わったイスラエルのスタートアップ企業でセキュリティ関連技術を有する。また、エレクトロビットはOTA(Over-the-air:無線通信)向けソフトウェアプラットフォームを有する企業。

 ドイツ本国のコンチネンタルは7月24日(現地時間)に、アーガスとエレクトロビットのサイバーセキュリティやOTAソフトウェアアップデートソリューションをコネクティッドカー向けエレクトロニクス製品としてテレマティクスユニット、インフォテインメントシステム、ゲートウェイなどに組み込むと発表した。

 同社は、クルマの自動運転化やコネクティッド化において求められる新たなインフォテインメントシステムや外部ネットワークとの接続性の実現に取り組んでいるが、クルマがコネクテッド化する中で大きな課題となるのがサイバーセキュリティという。

 同説明会では、クルマのドアロックやエアコンといったインテリア関連の装備品をコントロールするECUのセキュリティ技術、カーナビなどのインフォテイメントシステムのOTAソフトウェアアップデートにおけるセキュリティ技術、コネクティッドカーやクラウド環境を監視するセキュリティ技術といった3つの領域の技術を紹介。

セキュリティ機能を搭載したインテリアの装備品を制御するECU
OTAソフトウェアアップデート機能を持つ車載インフォテイメントシステム
コネクティッドカーとクラウド環境を包括的に監視するセキュリティシステム

 同社はクルマに搭載するECUから無線通信、クラウド環境まで、セキュリティ技術を採用したコネクティッド関連製品をラインアップすることで、自動車メーカーなどでの採用拡大を狙う考え。

コンチネンタル・オートモーティブ・ジャパン株式会社 ボディ&セキュリティ 日本OEM統括責任者 インテリア日本担当 青木英也氏

 コンチネンタル・オートモーティブ・ジャパン ボディ&セキュリティ 日本OEM統括責任者 インテリア日本担当 青木英也氏は「自動車業界には、自動運転、電動化、コネクティビティという3つのメガトレンドがあり、その中でコネクティッドカーは北米を中心に拡大しており、欧州や日本もこれに追従する大きなトレンドとなっていて、つながることによるメリットを考えるとこの流れは今後も加速していくと思います」との考えを示した。

自動運転、電動化、コネクティビティという3つのメガトレンドを紹介

 このコネクティッドカーに向けたサイバーセキュリティーに関わるコンチネンタル、エレクトロビット、アーガスという3社の役割について、青木氏は「コンチネンタルはECUの開発、エレクトロビットはOTAを中心としたソフトウェア開発、アーガスはセキュリティの開発といった役割分担を持っています」と紹介。続けて「自動運転、電動化、コネクティッドという3つのメガトレンドは、ソフトウェアがますます高度化していくことを意味しています。ソフトウェアを共通化して、1つのメーカーが開発したものを他のメーカーでも使えるようにしないと、効率的な開発が行なえません」と明かした。

 青木氏は「エレクトロビット、アーガスが開発したソフトウェアやセキュリティが、他のティア1サプライヤーにも供給される、あるいは自動車メーカーと直接契約する場面も出てくると思います。コンチネンタル、エレクトロビット、アーガスが、それぞれ独自のブランドで独立運営して、より高度なソフトウェアへ改良をしていくのが新しい道ではないかとコンチネンタルでは考えています」とコネクティッドカーの普及に向けた同社の戦略を示した。

コンチネンタル、エレクトロビット、アーガスの3社は独立して運営されるとしている