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「SUZUKA 10H」記者会見。モビリティランド 山下社長がミカ・ハッキネン氏の参戦経緯など説明

エントリー状況は2018年を上まわる規模

久保田克昭選手(左)、株式会社BHJ CEO 武井真司氏(中央)、株式会社モビリティランド 代表取締役社長 山下晋氏(右)

 2018年から始まったFIA-GT3車両などを利用する10時間耐久レース「SUZUKA 10H(鈴鹿10時間耐久レース)」は、2019年も「2019 第48回サマーエンデュランス“BH オークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース”」として8月23日~25日の3日間に渡って開催される予定だ。

 2019年のSUZUKA 10Hには豪華なドライバーラインアップが計画されており、その目玉となりそうなのが、1998年と1999年のF1世界チャンピオンであるミカ・ハッキネン氏が、2015年、2017年のスーパーフォーミュラ王者の石浦宏明選手と組んで「マクラーレン 720S GT3」を駆って参戦するというニュース(別記事参照)だ。

 全日本スーパーフォーミュラ選手権 開幕戦「2019 NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース」を開催中の鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で、鈴鹿サーキットの運営会社であるモビリティランドが記者会見を開催し、SUZUKA 10Hにハッキネン氏が参戦することになった経緯などが説明された。

2018年以上にレベルの高いエントラントと台数が集まる見通し

株式会社モビリティランド 代表取締役社長 山下晋氏

 冒頭でモビリティランド 代表取締役社長 山下晋氏から、SUZUKA 10Hの状況などに関しての説明が行なわれた。

 山下氏は「SUZUKA 10Hは2018年に第1回を開催した、開催にあたっては50台のエントリーを目指すと言って、最終的には13車種・35台になったが、世界中から強豪が集まってくれて中身はすごかった。それによりわれわれの想定以上に激しいレースを繰り広げてくれて、それが世界中に放送されたこともあり、とくに欧州での認知度、注目度が上がった。ご存じの通り、初めての取り組みとしてGT3レーシングカーによる鈴鹿市の公道でのパレードも計画したが、残念ながら台風で実現しなかった。その時の市長だった末松市長の無投票再選も決まったので、再びご協力いただけるものと期待している」と述べ、2018年のSUZUKA 10Hを振り返った。

株式会社BHJ CEO 武井真司氏

 その上で、2019年のレースに関してはBHJが運営する「BHオークション」がタイトルスポンサーとなり、2輪レースの「鈴鹿8時間耐久レース」やヒストリックレーシングカーのイベント「SUZUKA Sound of Engine」においてコレクタブルマシン・オークションが行なわれることなどが山下氏から紹介され、BHJ CEO 武井真司氏が記者会見に同席してあいさつを行なった。

 山下氏によれば「10Hでもハイパーカーやオークションにかけられるマシンの展示を行なう。また、2019年のレースでは新たにテレビ東京系全国ネットの地上波放送でダイジェスト放送を行なうし、GYAOでの生中継も継続する。より多くのお客さまに楽しんでいただけるコンテンツにする。チケットは5月5日から販売開始予定になっており、令和元年にふさわしいレースにしていきたい」と述べた。

 なお、現在のSUZUKA 10Hのエントリーの状況について山下氏は「2018年の開催を受けて、魅力的なチームからのオファーをいただいている。第1次締め切りの段階では2018年の35台は上まわる規模になっている。FIA-GT3のレースとして“スパ24時間”の次ぐらいの規模になっている。担当者からは『40台を超えると言え』と言われているので、40台以上になると言っておく(笑)。『ミスターGT』と呼ばれる脇阪寿一さんも弟さんと出てくれるし、まだ言うことはできないが、2018年と比べて台数だけでなく内容も充実したエントリーになると思う。第1次のエントリーリストは4月22日に発表する予定だ」と説明した。

伊勢エビでハッキネンを釣った(?)のではなく、鈴鹿でレースをしたかったハッキネン氏の思いが結実した

 また、記者会見の後半ではハッキネン氏がSUZUKA 10Hに参戦することになった経緯について説明された。

 山下氏は「ハッキネン氏は2年前の2017年に鈴鹿サーキットに来てもらった。その時はサーキットを走らなかったけど、2018年は2度来てくれて、走ってもくれた。そこでわれわれと彼の間で『レースには出ないの?』という話をしていた。彼も1度走ってみたら鈴鹿を走ってみたいと思ったことと、われわれが用意した彼の大好物である松阪牛や伊勢エビ、あわび入りの鉄板焼きが効いた(笑)。そこで今はマクラーレンのアンバサダーを(ハッキネン氏が)務めているので、マクラーレンのGT3でなら参加できるかもという話になった」。

「われわれはオーガナイザーでチームを作ることはできないので、どなたかハッキネン氏と組んでもらえると嬉しいなぁと探していると、日本を代表するジェントルマンドライバーの1人である久保田(克昭)さんではないかと。そこで東京オートサロンで相談したら、ハッキネン氏、そして日本のトップドライバーの1人である石浦選手というドリームチームができた。久保田さんのおかげでこうした形にできたことは感謝したいが、われわれはオーガナイザーなので特別扱いはできないので、そこのところはご理解いただければ(笑)」と冗談を交えながら、ハッキネン氏とジェントルマンドライバーの久保田克昭選手、そして日本のトップドライバーの1人である石浦選手がトリオを組んで参戦することになった経緯を説明した。

久保田克昭選手

 久保田選手は現在58歳のジェントルマンドライバーで、「マスターズF1」と呼ばれるヒストリックF1カーのレースに参戦し、たびたび優勝して話題を集めている。久保田選手はネットワーク機器やIoT機器を販売するプラネックスコミュニケーションズの代表取締役社長を務める経営者でもある。プラネックスコミュニケーションズは、このイベントではF3レースに出場中の久保田選手のレーシングスーツにも取る付けられている「スマカメ」といったネットワークカメラなどが好評を博しているメーカーだ。最新のスマカメはLTEモデムを内蔵しており、Wi-Fiなどに接続しなくても設置して気軽に使えることが特徴になっている。

 過去にはプラネックスコミュニケーションズのブランドでフォーミュラ・ニッポンのチームのスポンサーになったり、2010年のF1 日本GPで、小林可夢偉選手が所属していたザウバーF1チームのスポットスポンサーになったりしている。また、石浦選手との関係は深く、久保田選手によれば長年パーソナルスポンサーをしているほか、石浦選手からドライビングに関してアドバイスをもらっている関係だという。

 その久保田選手は「ひと言で言うととんでもないことになった。モビリティランドさんから打診をいただいた時には、2019年は58歳になるのでこれから先レースで乗れる時間も限られている。これまではプロフェッショナルが参加するレースには参加していなかったのだが、まさかF1世界チャンピオンのハッキネンとマクラーレンで走れるなんて思っていなかったので、ぜひやらせてほしいとなった。ミカともすでに話をしたが、本人もレースに対して今でも真剣で、鈴鹿でもう1度走りたいと思っていたと話してくれた。石浦選手も、通常であればトヨタ車にしか乗れないはずだが、たまたまトヨタさんから特別に許可をいただき乗っていただけることになった。(その2人に比べれば)自分は圧倒的に遅いが、迷惑をかけないように努力していきたい」と述べた。

 なお、チーム体制に関しては、SUPER GTのGT300クラスに参戦しているレーシングチームのゲイナーが、機材やメカニックなどを提供してメンテナンスを行なう予定で、チーム名や車両のデザインなどに関しては現時点では未定。参戦マシンとなるマクラーレン 720S GT3は4月の末ごろに納車となる予定で、スケジュールの都合で3人そろってのテストは難しそうだということで、石浦選手を中心にテストすることになりそうだと久保田選手は説明した。