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トヨタのEV普及に向けた取り組み、スバルとEV専用ユニットを共同企画
2020年には国内向けに超小型EVを市場投入予定
2019年6月7日 16:42
- 2019年6月6日 開催
トヨタ自動車は6月7日、「~トヨタのチャレンジ~ EVの普及を目指して」と題して、EV普及に向けたトヨタの取り組みについて説明した。
トヨタはEVの普及に向けた取り組みとして、大きく3つのテーマを取り上げた。1つ目は国内市場向けで、超小型EVの展開。2つ目はすでにEVの市場ができあがりつつある海外市場での展開。3つ目はEVの商品力に直結する高性能な電池の開発と供給について。EVの普及のためには、従来の「EVを作って買っていただく」という発想にとらわれず、よりよい社会への貢献を視野に、幅広くオープンに仲間を募り、新しいビジネスモデルの構築に向けた取り組みを推進することが必要だとした。
日本市場での超小型EVの展開
日本市場におけるEVに期待する利用者の声として「毎日長い距離は乗らない。買い物・病院など近所の用事を不自由なく」「普通のクルマは乗りこなせるか不安」「乗るときは自分1人か2人」「訪問先でも駐車場に困らない大きさであれば便利」といった意見から、EVは小型、近距離、法人利用などに新たなビジネスチャンスがあると紹介。
そうした利用シーンを想定したモデルとして、2020年発売予定の2人乗りの超小型EVや、都市部のラストワンマイルをカバーする2輪車サイズの「i-ROAD」を紹介。また、歩行領域EVとして、立ち乗りタイプを2020年発売予定としたほか、座り乗りタイプや車いす連結タイプを2021年発売予定とした。
こうした超小型EV、歩行領域EVの普及に向けた取り組みとして、「さまざまな分野の仲間と協調、お客さまと会話しながらビジネスモデルの確立を目指す」といい、現在想いを共有しもらっている企業・自治体は40団体程度に上るとした。
グローバルでのEV展開
中国、米国、欧州などすでにEVの需要が高い市場における普及に向けて、ニーズの異なるさまざまなユーザーに選んでいただくために、必要十分なバリエーション(2020年以降グローバルで10車種以上)を用意。さらに効率で賢い開発を行なうことで、リーズナブルな価格を実現するとした。
具体的には、効率的な企画・開発を行なうため、スバルやスズキ、ダイハツ工業などそれぞれ得意分野を持つパートナーと共同で、「ミディアムセダン」「ミディアムクロスオーバー」「ミディアムミニバン」「コンパクト」「ラージSUV」「ミディアムSUV」の6つのバリエーションを展開する。
さらに「e-TNGA」を導入し、フロント、センター、リアといったモジュールごとの開発をすることで、効率的に複数のボディタイプやサイズを展開可能とするほか、フロントモーターとリアモーターの組み合わせによって、FFにもRRにも4WDにもできる専用EVユニットをスバルと共同企画し、ニーズに合わせた駆動方式を提供可能とするとした。
バッテリーの開発と供給
トヨタはこれまでのハイブリッド車開発で養った、少ない電池容量でも低燃費を実現する技術をEVにも展開し、プリウスPHVにおいては、他社のプラグインハイブリッド車と比較して電池容量あたりのEV走行距離を約10%向上しているという。さらに電池の耐久性においても、初代プリウスPHVから2代目プリウスPHV、さらに2020年に中国市場に投入予定のC-HR/IZOAと、代を重ねるごとに耐久性を向上してきており、世界トップレベルの耐久性能を目指すという。
こうした電池の耐久性の向上は、EVの商品力の向上に直接つながるだけでなく、EVの中古車販売や、あるいは電池のリユースといったビジネスにおいても有効に働くとした。
同時に、従来の見込みを大幅に上まわるペースで電池の需要が拡大しているといい、従来からのパートナーであるパナソニックやプライムアースEVエナジーに加え、世界の電池メーカーと協調して、電池の調達に努めるとした。
最後にこれからのEVの普及のためには、車両の開発だけでなく、電池の安定的な供給や耐久性の向上、リユースの備えなど、やるべきことがたくさんあるといい、新しいビジネスモデルの構築などトヨタの体制作りを進めていくとした。加えて、これまで以上に幅広くオープンに仲間を募り、一緒に取り組みを加速させていきたいとの考えを示した。