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【SUPER GT 第6戦 オートポリス】GT500優勝は39号車 DENSO KOBELCO SARD LC500。中山雄一選手初勝利
GT300はウェットの中、スリックを選択した60号車 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3が優勝
2019年9月8日 21:53
- 2019年9月8日 開催
オートポリスインターナショナルレーシングコース（大分県日田市）で9月8日、SUPER GT 第6戦「AUTOPOLIS GT 300km RACE」の決勝レースが行なわれ、GT500クラスは39号車 DENSO KOBELCO SARD LC500（ヘイキ・コバライネン/中山雄一組、BS）がトップでチェッカーを受けた。
GT300クラスは60号車 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3（吉本大樹/宮田莉朋組、DL）が優勝した。中山雄一選手はGT500クラスのデビューイヤーでの初勝利。吉本大樹選手にとっては自身のSUPER GT参戦100戦目を祝う記念すべき勝利となった。
※各チームのかっこ内末尾2文字表記は使用タイヤを表す。BS：ブリヂストン、DL：ダンロップ、MI：ミシュラン、YH：ヨコハマ
タイヤ選択が明暗を分けたGT500クラス
レーススタート前、20分間のウォームアップ走行で、ポールポジションを獲得していたGT500クラスの17号車 KEIHIN NSX-GT（塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS）は、ここでも2番手に1秒以上の差をつけるトップタイムをマーク。ところが、そのウォームアップ走行中に突如コースサイドでマシンを停止するアクシデントが発生。あわや最後尾スタート、もしくはリタイアになるかと思われたが、レース開始までに復旧させた。
無事に全車出走となったフォーメーションラップからのローリングスタート。GT500クラスは8号車 ARTA NSX-GT（野尻智紀/伊沢拓也組、BS）がやや先行する形で17号車とともにサイドバイサイドで1コーナーに突入するも、ウエイトハンデの軽さを活かして17号車がトップを奪い返しリードを広げる。
ところがこのとき、1号車 RAYBRIG NSX-GT（山本尚貴/ジェンソン・バトン組、BS）がオープニングラップで16号車 MOTUL MUGEN NSX-GT（武藤英紀/中嶋大祐組、YH）に追突されてコースアウトしており、スタート直後にセーフティカーが導入。それでも再スタート後は17号車がハイペースで2番手以降を引き離し、そのギャップは一時10秒前後にまで広がる。
15ラップに差し掛かったあたりで、予想されていた降雨がコースのところどころで発生し始め、突然の強い雨にコースオフする車両も現れる。17号車は濡れた路面やGT300クラスのトラフィックの影響で2番手に一時3秒台にまで詰め寄られる場面もあったが、危なげなく淡々と周回していく。
雨は中盤にかけて落ち着いたかと思いきや、30ラップを超えたところで再び雨脚が強まる。給油・タイヤ交換のためのピットインタイミング直前ということもあり、各車スリックタイヤにするかレインタイヤにするかの難しい判断を迫られることに。
そんな中、トップを走る17号車はピットインすると、雨が弱まると見て新しいスリックタイヤに交換してコースに復帰。しかし、直後にほぼサーキット全体で雨が強まり、それと同時にピットインラッシュへと突入。大混雑によりピットでまっすぐ駐車できないチームも多く、リスタート時には車両同士の接触や、エアインパクトレンチを引きちぎるなどの混乱が発生してしまう。
そうしている間に本コースではコースアウトするマシンも出て、ここで2度目のセーフティカーが導入される。セーフティカーラン中には雨が強まったり、コースの一部で雨が上がったりとコンディションがめまぐるしく変わったが、レース再開時にはウェットタイヤが有利な状況。スリックタイヤに交換したばかりだった17号車はレース再開直後、GT300クラスの車両にも抜かれてしまい、耐えきれず2度目のピットインでウェットタイヤに交換することとなった。
一方、コースではまたしてもアクシデントが発生しており、すぐに3度目のセーフティカー導入となる。51ラップ目でレースが再開したときにトップに立っていたのは39号車 DENSO KOBELCO SARD LC500（ヘイキ・コバライネン/中山雄一組、BS）。
このとき、後続の2番手を走っていた16号車 MOTUL MUGEN NSX-GT（武藤英紀/中嶋大祐組、YH）はスリックタイヤだったため、セーフティカーが去った後にスピードを上げ始めたレインタイヤの39号車についていけない。3番手の38号車 ZENT CERUMO LC500（立川祐路/石浦宏明組、BS）以降はコントロールライン通過まで追い抜きができず、正式なリスタートまでにトップの39号車がリードを広げる予想外の展開に。
セーフティカー導入中に4番手にまでポジションを落としていた17号車は、路面が乾きはじめる中でペースを上げて2番手まで追い上げる。トップの39号車とはその時点で残り10周、13秒以上の開きがあったが、急激なペースアップで残り4周で3.3秒差というところまで接近する。が、力及ばず。最後は39号車がチェッカーを受け、ドライバーの中山雄一選手にとってはGT500クラス初となる勝利を挙げた。
GT300クラス、60号車が最終盤にスリックタイヤで怒濤の追い上げ
GT300クラスは、レーススタート直後、「ホッピービバレッジ会長の弔いレース」と話していたポールポジションスタートの25号車 HOPPY 86 MC（松井孝允/佐藤公哉組、YH）を筆頭に、52号車 埼玉トヨペット GB マーク X MC（脇阪薫一/吉田広樹組、BS）、4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG（谷口信輝/片岡龍也組、YH）と続く。しかし、25号車のペースがなかなか上がらず、上位8台による接近戦に。
しばらく耐えていた25号車だったが、十数ラップ目で2番手を走っていた52号車にオーバーテイクされると、後続にも次々に抜かれずるずると5番手付近にまで後退する。その後、4号車がトップに躍り出ると、レース中盤には2番手に10秒前後のギャップを作って逃げ切るように思われた。しかし、中盤のセーフティカー導入で他車との差がなくなり、ウェットタイヤに交換したルーチンのピットイン作業で順位を落としてしまう。
3回目のセーフティカー導入からのレース再開時、トップを走っていたのは55号車 ARTA NSX GT3（高木真一/福住仁嶺組、BS）。ところが、直後にピットレーンでの他車への接触に対するドライブスルーペナルティが課され、後退を余儀なくされてしまう。代わりにトップに立ったのは88号車 マネパ ランボルギーニ GT3（小暮卓史/元嶋佑弥組、YH）だった。
終盤、88号車と2番手の720号車 MacLaren 720S（荒聖治/アレックス・パロウ組、YH）は1秒未満の差でトップ争いを繰り広げ、残り5ラップというタイミングでついにその順位が入れ替わる。そんなトップ争いを繰り広げている一方で、後続から唐突に現れたのが60号車 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3（吉本大樹/宮田莉朋組、DL）だった。
ピットインタイミングだったレース中盤は完全にウェットコンディションだったことから、ほとんどのマシンがレインタイヤに交換していたが、スリックタイヤを選択するという「賭け」に出ていた60号車。終盤になると路面が乾いてドライコンディションに近づき、ここぞとばかりに怒濤の追い上げを見せる。
周囲の車両より1ラップあたり10秒以上速い驚異的なペースで走る60号車は、最終盤の残り2～3ラップのところで一気にトップの720号車までオーバーテイク。結局、60号車がそのまま先頭でチェッカー。60号車の吉本大樹選手は、SUPER GT参戦100戦目となる記念すべきレースを優勝で飾った。
GT500クラス 決勝レース正式結果（上位10チーム）
1位：39号車 DENSO KOBELCO SARD LC500（ヘイキ・コバライネン/中山雄一組、BS）
2位：17号車 KEIHIN NSX-GT（塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS）
3位：37号車 KeePer TOM'S LC500（平川亮/ニック・キャシディ組、BS）
4位：38号車 ZENT CERUMO LC500（立川祐路/石浦宏明組、BS）
5位：8号車 ARTA NSX-GT（野尻智紀/伊沢拓也組、BS）
6位：6号車 WAKO'S 4CR LC500（大嶋和也/山下健太組、BS）
7位：64号車 Modulo Epson NSX-GT（ナレイン・カーティケヤン/牧野任祐組、DL）
8位：19号車 WedsSport ADVAN LC500（国本雄資/坪井翔組、YH）
9位：24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R（高星明誠/ヤン・マーデンボロー組、YH）
10位：36号車 au TOM'S LC500（中嶋一貴/関口雄飛組、BS）
GT300クラス 決勝レース正式結果（上位10チーム）
1位：60号車 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3（吉本大樹/宮田莉朋組、DL）
2位：720号車 MacLaren 720S（荒聖治/アレックス・パロウ組、YH）
3位：88号車 マネパ ランボルギーニ GT3（小暮卓史/元嶋佑弥組、YH）
4位：4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG（谷口信輝/片岡龍也組、YH）
5位：96号車 K-tunes RC F GT3（新田守男/坂口晴南組、BS）
6位：55号車 ARTA NSX GT3（高木真一/福住仁嶺組、BS）
7位：65号車 LEON PYRAMID AMG（蒲生尚弥/菅波冬悟組、BS）
8位：56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R（平峰一貴/サッシャ・フェネストラズ組、YH）
9位：18号車 UPGARAGE NSX GT3（小林崇志/松浦孝亮組、YH）
10位：10号車 GAINER TANAX triple a GT-R（星野一樹/石川京侍組、YH）
