ニュース
伝説的な人気を誇った「TRD 3000GT」を彷彿とさせる「GR Supra 3000GT CONCEPT」がSEMA SHOWで登場
2019年11月6日 10:56
- 2019年11月5日(現地時間) 公開
「TRD」と「MODELLISTA」ブランドを展開するTCD(トヨタカスタマイジング&ディベロップメント)は、SEMA SHOW 2019において「GR SUPRA 3000GT CONCEPT」の世界初公開を実施。北米トヨタブースはGRスープラ一色に染められていて、その中にGR SUPRA 3000GT CONCEPTの姿もあった。
TRDは80スープラをベースにした「TRD 3000GT」を、1994年の東京オートサロンで発表した。当時の全日本GT選手権に参戦していたスープラをそのままロードゴーイングカーに仕立てたのが「TRD 3000GT」で、拡幅されたオーバーフェンダーや冷却性能を向上させる大きなダクトを設けたフロントバンパー、空力特性を意識した各部のエアロパーツが特徴となっていた。ワイドボディキットは当時としては破格の92万5000円というプライスタグで、各エアロパーツも10万円を超えるものが多かったが人気を博し、伝説的なモデルとして語り継がれている。
90スープラが登場した時点で、TCD内でも3000GTを復活させたいという意見があり、今回の「GR SUPRA 3000GT CONCEPT」の開発がスタートしたという。なぜ、SEMA SHOWでの公開となったかというと、TRD 3000GTは映画のワイルド・スピードで登場したことでアメリカでも認知度があり、パーツは日本から輸出され販売されていた。そして90スープラの最大の市場となるのが北米で、会場での反応やリサーチの意味でもアメリカを初公開の場として選んだようだ。
GR SUPRA 3000GT CONCEPT は、TRD 3000GTへのオマージュを各部に見受けることができる。やはり最大の特徴となるのはオーバーフェンダーで、デザインこそ当時と異なるが外観のキーとなるこの部分は踏襲された。また、ボンネットのダクトはほぼ同じ形状となっていて、リアウイングも全幅に合わせてサイズは調整したが、翼端板やウイングステーの一部が同意匠となる。これらの外装パーツは、TRD 3000GTを成型して生産した協力会社が今回も担当しているそうで、製作面でもレガシーを大事にしていることが分かる。
サイドスカートやサイドドアガーニッシュ、リアサイドスポイラー、トランクスポイラーはすでにTRDが市販化しているパーツを装着していて、フロントスポイラーも一部を流用するなど、コンセプトモデルだが市販化を大いに想定していることが伺える。
国内ですべての開発と企画を行なったGR SUPRA 3000GT CONCEPTは、メイドインジャパンにこだわったモデルでもある。機能パーツは、サスペンションがTEIN、マフラーはHKS、ブレーキはBrenboジャパン、ホイールはTWS、シートはBRIDEと各アフターメーカーの協力を得て製作。発表の場所はアメリカになったが、日本のパーツメーカーなどの英知を結集させて作り上げたのだ。
現状ではコンセプトカーのため法規などに合わせた意匠にはなっていないが、市販パーツをさまざまな箇所に装備していることから判断すると、市販化も遠くはないのかもしれない。まずはSEMA SHOWでの反応を確認して、販売へ向けて進んでいくようだ。