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セントラルラリー大会組織委員長 坂井正治氏に聞く。「ドクターヘリを4機用意し、メディカルインスペクション」

来年のパブリックビューイング募集中

2019年11月7日~10日 開催

セントラルラリー大会組織委員長 坂井正治氏。セントラルラリーについて、そしてその先にあるラリージャパンについて話をうかがった

 11月7日から愛知県、岐阜県を舞台に始まった「セントラルラリー愛知・岐阜2019」。8日はサービスパークなどが置かれる愛・地球博記念公園(モリコロパーク、愛知県長久手市)でセレモニアルスタートを実施。本格的なイベントが開始された。

 このセントラルラリーは、2020年に同じモリコロパークなどを舞台に開催されるラリージャパンのテストイベントと位置づけられており、実際にラリーを行なうことで、コースの確認、観客席の確認、周辺自治体との調整、各種ホスピタリティの確認などを行なっていく。そのためWRC(世界ラリー選手権)関係者も来日しており、セントラルラリー大会組織委員とともに各種確認を行なっている。実際にどのような確認ができているのか、セントラルラリー大会組織委員長 坂井正治氏に話をうかがった。

 坂井委員長はオートスポーツなどを発行するサンズの代表取締役社長でもあり、ラリージャパンの招致にもここ数年取り組んできた。

 坂井委員長によると、「メディカルインスペクションを確認できたことが大きな成果」という。メディカルインスペクションとは、大会開催中になにか事故が起きた際に、どのように事故対応・救命・救急を行なっていくのかという手順で、このイベントでは4台のドクターヘリを用意。ラリーは広域で開催されるため、各ステージをカバーできるような配置が必要で、救急医療を行なう医師とともにその動きを確認できたという。

 また、ラリー車の事故でドライバーが閉じ込められた際の対応などもJAF(日本自動車連盟)とともに確認。実際、モリコロパーク内ではJAFが事故対応訓練を行なっているのを見かけることができた。

JAFは訓練車両を使って、緊急脱出作業の訓練を行なっていた

自治体などによるパブリックビューイング募集中

 坂井委員長は、セントラルラリーというテストイベントを行なうことで自治体のさらなる盛り上がりを行なっていければともいう。ラリーは公道を使用して行なうイベントとなるため、各自治体の協力が欠かせない。ラリーの舞台となる愛知県内や岐阜県内の各自治体の協力があってこそ成り立つイベントだ。であるからこそ、世界的なビッグイベントであるWRCを日本で10年ぶりに開催するにあたって、さらに盛り上がっていきたいという。

 ラリーにおいて本気で走るSS(スペシャルステージ)は、ぜひとも観戦したいものだが、このSSは山の中の道路に設定されることも多く、山の中の有料観覧席となるとラリーに対する興味が高くないと、なかなか見てもらえない。そこで坂井委員長が期待するのは、各自治体などでファンゾーンのようなパブリックビューイングを設置してもらえること。パブリックビューイングがあることで、ラリーを初めて見る人も無料でその迫力のある走りを実感でき、いずれはラリーファンになってくれ、ラリージャパンを支えてもらえるようになる。

 とくにラリージャパンを開催する地元の人が見てくれることで、ラリーに対する理解が進み、ラリーというものが日本に根付いていく。それを実施するためにハードルとなるのが、パブリックビューイング用の映像をどうするのかということ。それに関しては「映像提供の用意がある」(坂井委員長)と言い、事務局に相談してもらえれば前向きに協力したいとのこと。

 実際、今回のセントラルラリーでも11月9日 土曜日 10時30ごろから「おかざきクルまつり」会場よりライブ配信を予定。これは、SSのライブ配信ができるのかどうか確認を行なうのとともに、映像の権利関係の解決ができているメッセージでもあるのだろう。興味のある自治体や団体は、セントラルラリー大会組織委員会、ラリージャパン運営事務局に問い合わせてみていただきたい。

ラリージャパン運営事務局