独ボッシュ、液晶ディスプレイとカメラ、AIからなる革新的なサンバイザー「バーチャルバイザー」

　独ボッシュは1月6日（現地時間）、米国ネバダ州ラスベガスで行なわれている世界最大の技術見本市「CES 2020」にて、液晶ディスプレイパネルとドライバーをモニターするカメラとを連動させ、人工知能（AI）により液晶ディスプレイ上でドライバーの目に光が届く部分のみを暗くして、残りの部分は透明なままでドライバーの視界を遮ることのない「バーチャルバイザー」を初公開した。

　太陽の光は一時的に目が見えない状況を生み出すこともあり、他の天候条件と比較すると約2倍の自動車事故を誘発していて、太陽のまぶしさに起因する自動車事故は年間数千件発生していると報告されている。しかし、これまでのサンバイザーでは、この懸念に十分には対応できておらず、日光の一部が目に入らないように遮ることは出来るものの、同時に視界の一部までも遮ってしまっていた。

　今回のバーチャルバイザーについて、ボッシュのカーマルチメディア事業部長のSteffen Berns氏は「多くのドライバーは、バイザーコンポーネントが危険な運転につながる太陽からのまぶしい光を避けるには不十分であると認識しています。とりわけ、夜明けと夕暮れ時にドライバーの視力を大幅に減退させることがあります。シンプルなイノベーションの組み合わせが、最大の効果をもたらします。バーチャルバイザーは、ドライバーの視界を変えるのです」 とコメント。

　また、ボッシュ北米法人のテクニカルエキスパートを務め、バーチャルバイザーの共同開発者の1人であるJason Zink氏は「開発の初期段階にユーザーが従来のサンバイザーを使用するにあたり、常に目に影が落ちるように調整していることに気づきました。この気付きはとても大きく、製品コンセプトの簡素化と、テクノロジーデザインの加速に繋がりました」と述べている。

　このバーチャルバイザーはCES 2020にて、28の分野を対象としたコンペティションでCESイノベーションアワードを受賞。また、車載エンターテインメントおよび安全性部門においても、デザイナー、エンジニアおよびテクノロジー関連メディアのメンバーで構成される審査員から最高得点を獲得し、ベストオブイノベーションも受賞した。