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マセラティ、日本人初の9秒台スプリンター桐生祥秀選手ブランドアンバサダー就任記者会見

“日の丸カラー”の最終車両「グラントゥーリズモ グランフィナーレ」初公開

2020年2月18日 開催

特別限定車「グラントゥーリズモ グランフィナーレ」とマセラティ ブランドアンバサダーに就任した桐生祥秀選手(左)、マセラティ ジャパン株式会社 代表取締役社長 ルカ・デルフィーノ氏(右)

 マセラティ ジャパンは2月18日、陸上競技 短距離走の桐生祥秀選手をブランドアンバサダーとして起用。同日に都内で就任発表記者会見を開催した。これに合わせ、4シータークーペ「グラントゥーリズモ」現行モデルの最終生産車両を使った特別限定車「GranTurismo GranFinale(グラントゥーリズモ グランフィナーレ)」を初公開している。

 マセラティでは2019年11月にグラントゥーリズモ 現行モデルの生産を終了するにあたり、このモデルを後世に残す1台としてマセラティが保管する記念車両「グラントゥーリズモ ゼダ」を製作しているが、会場で公開されたグラントゥーリズモ グランフィナーレは、販売向けに生産されたグラントゥーリズモ最後の1台を使用。「日本とイタリアをつなぐ」という意味を込め、ボディカラーは富士山をイメージした「ビアンコ・フジ」をベースに、ボンネットやルーフ、トランクリッドは「ロッソ・イタリアーノ」でカラーリング。日本国旗の“日の丸”を連想させるデザインが与えられている。

グラントゥーリズモ グランフィナーレ
「グラントゥーリズモ MC」がベースとなり、ボディサイズは4920×1915×1380mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2940mm。最高出力338kW(460PS)/7000rpm、最大トルク520Nm(53.0kgfm)/4750rpmを発生するV型8気筒DOHC 4.7リッター自然吸気エンジンを搭載する

「グラントゥーリズモ MC」をベースとしたグラントゥーリズモ グランフィナーレは、専用となる2トーン仕様ボディのほか、20インチアロイホイール「トロフェオ」とアルマイト加工のレッドキャリパーで足まわりを彩り、フロントリップスポイラーやドアミラー、ドアハンドル、リアスポイラーにカーボン素材を使用。

 インテリアではカーボンファイバー製のステアリングホイールを備え、ダッシュボードやドアシル、シフトパドル、シートフレームなどにもカーボン素材を採用。レザーとアルカンターラのコンビネーションシートやセンターコンソールなどに赤いステッチが施されている。

 この世界に1台だけとなる特別限定車は、2月22日~24日のマセラティ 仙台を皮切りに、3月29日まで日本各地のマセラティ正規ディーラーで巡回展示を実施。これに合わせ、2月22日10時からマセラティ正規ディーラーで入札を受け付けるオークション販売が行なわれる。最低入札金額は2700万円とされ、落札金額の一部は陸上競技の普及、振興を目的に「日本陸上競技連盟」に寄付される。入札の受付終了は4月9日23時59分で、期間中にはオークション情報の紹介Webサイトで落札予想価格を随時紹介していく。

ボディカラーは「ビアンコ・フジ」と「ロッソ・イタリアーノ」の2トーン仕上げ
フロントグリルの“トライデント”エンブレムにも赤いラインが入る
ドアミラーやドアハンドルがカーボン素材となる「エクステリア・カーボン・キット」を特別装備
20インチアロイホイール「トロフェオ」とアルマイト加工のレッドキャリパーを装備。タイヤはピレリのP-ZEROで、サイズはフロントが245/35ZR20リアが285/35ZR20
カーボンファイバー製のステアリングホイールやMCデザイン・アルミニウム製スポーツペダル、、レッドステッチなどで車内のスポーティイメージを強調している

“より速く”という桐生選手の情熱とマセラティの理念が合致

マセラティ ジャパン株式会社 代表取締役社長 ルカ・デルフィーノ氏

 記者会見では最初に、マセラティ ジャパン 代表取締役社長 ルカ・デルフィーノ氏が登壇。

 デルフィーノ社長は会場で初公開したグラントゥーリズモ グランフィナーレの解説にあたり、2007年に誕生したグラントゥーリズモはマセラティにとってフラグシップとも言えるスポーツカーであり、発表から12年の間に世界中で成功を収めてきたと説明。これまでにクーペとカブリオを合わせて4万台がイタリア モデナの工場から世界中に送り出されたことをアピールした。

 オークションにかけられるグラントゥーリズモ グランフィナーレが日本向けに用意された理由は、日本がグラントゥーリズモの販売が最も多かった重要な市場の1つであり、この感謝を込めて“スペシャルな1台”が用意されることになったという。

 また、桐生選手をマセラティのブランドアンバサダーに起用した理由として、桐生選手が長きにわたって日本の陸上界をリードし続け、“より速く”という情熱を持ってチャレンジを続けていることが、マセラティの持つ理念と合致したことだと語った。

桐生選手とデルフィーノ社長によってグラントゥーリズモ グランフィナーレがアンベール(16秒)
桐生祥秀選手とグラントゥーリズモ グランフィナーレ

 桐生選手はマセラティのブランドアンバサダーに就任したことについて、自分はクルマ好きなので素直にうれしいと感想を述べ、世界で活躍するマセラティとともに歩んでいくことはとても光栄で、自分もこの先、世界での戦いを続けていきたいとコメント。

 マセラティの印象については、エレガントさやラグジュアリー感を持っているブランドで、スポーツカーのグランツーリズモからSUVの「レヴァンテ」まであり、どれか1台というより、どのモデルも好きだと語った。

 クルマの運転については「週7ペース」で日ごろからステアリングを握っていると語り、すっかり生活の一部になっているとコメント。高校時代には自宅から最寄り駅まで父親が運転するクルマで送ってもらっており、自身は練習、父親は仕事で忙しくしていたが、車内で過ごす15分程度の時間で会話をしていたことが、現在の関係性に続いているのかもしれないと語った。

 今後については、2019年に自身が持っていた100m走の日本記録を更新されてしまったので、2020年は自分で更新し返して桐生祥秀という名前を日本国内に響き渡らせ、メダルをたくさん取れるような1年にしたいと意気込みを語った。

練習中にはテンションを高めるためEDMなどの激しい曲を聴いているが、移動中の車内ではリラックスできるよう、バラードなどスローテンポの曲で心を落ち着けていると桐生選手

 デルフィーノ社長はブランドアンバサダーに就任した桐生選手に対し、レヴァンテの最上位モデルである「レヴァンテ トロフェオ」を車両提供すると説明。レヴァンテ トロフェオはカテゴリー最速と言えるモデルで、桐生選手にぴったりの1台だと述べた。また、トロフェオはイタリア語でトロフィを意味する言葉で、桐生選手にこのクルマに乗って移動してもらい、この2020年にたくさんの優勝トロフィを手にしてもらいたいとの期待を口にした。

2020年に「レヴァンテ トロフェオ」に乗る桐生選手に、たくさんの優勝トロフィを手にしてもらいたいとデルフィーノ社長は語った