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ソフトバンクとWCP、5Gによる車両間通信の実証実験に成功。新東名で車間距離10mのトラックが隊列走行

2020年3月25日 発表

新東名高速道路で車間距離10mのトラックが隊列走行する実験の構成

 ソフトバンクとWCP(Wireless City Planning)は3月25日、5G(第5世代移動通信システム)の新たな無線方式「5G-NR」の無線伝送技術に基づく車両間通信を活用した実証実験に成功したと発表した。

 5Gの車両間通信となる3GPP 5G-NR Sidelinkは、4月以降に標準化予定の技術。

 今回、5Gの車両間通信(4.5GHz帯使用、無線区間の伝送遅延1ms以下)を活用した実証実験は、新東名高速道路の試験区間(約20km)を約80km/hで走行する3台のトラック車両間で、位置情報や速度情報、操舵情報などを共有し、目標車間距離10mでの協調型車間距離維持制御「CACC(Coordinated Adaptive Cruise Control)」に加えて、リアルタイムで後続車両の自動操舵制御を実施した。

 2月27日~28日に行なわれた実験は、一般車両が走行する高速道路という実用的な環境下で行なわれ、トンネル内を含む試験区間において、10mという短い車間距離での安定した隊列維持に成功した。

実験の様子(静岡県内)

 トラックの隊列走行においては車両間でのリアルタイムの制御情報の共有や、隊列後方の安全確認のために後続車両周辺監視用の大容量動画像を後続車両から先頭車両へリアルタイムに伝送する必要がある。これらの通信には高信頼・低遅延かつ大容量通信が可能な5Gが期待されているという。

 今回の実証実験の成功は、車両間制御の安定化や高信頼化、後方安全確認時の視認性の向上に貢献するものとし、ソフトバンクとWCPではトラック隊列走行の早期実用化に向けて引き続き実験を推進していくとしている。