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レクサス、「LC500 コンバーチブル」発表。書の三折法にヒントを得たソフトトップ採用

LC500h/LC500一部改良でばね下質量を約3.7kg軽量化

2020年6月18日 発表

LC500h/LC500:1350万円~1500万円

LC500 コンバーチブル:1500万円

レクサス「LC500 コンバーチブル」

 レクサス(トヨタ自動車)は6月18日、「LC500」「LC500h」の一部改良モデルと、新たに追加するコンバーチブルモデル「LC500 コンバーチブル」を発表した。発売日はLC500/LC500hは6月18日、LC500 コンバーチブルは7月15日。価格はLC500/LC500hが1350万円~1500万円、LC500 コンバーチブルが1500万円。

 LCのパワートレーンは、LC500とLC500 コンバーチブルが、V型8気筒5.0リッターエンジンを搭載して、トランスミッションは10速AT、駆動方式は2WD(FR)。LC500hがV型6気筒3.5リッターエンジンを搭載するハイブリッドモデルとなり、駆動方式は2WD(FR)となる。

LC500h/LC500一部改良でばね下質量を約3.7kg軽量化

 LC500h/LC500一部改良では、クルマや路面との対話を感じられる「一体感のある走り」を実現するため、基本性能の向上を図った。フロントのサスペンションロアアームのアルミ化、リアスタビライザーバーの中空化、コイルスプリングの高強度材採用、アルミホイールの軽量化など、ばね下質量を約3.7kg軽量化した。

 バウンドストッパーの特性変更やAVS(Adaptive Variable Suspension system)によるショックアブソーバーの伸び側減衰力の独立制御により、路面変化に対する追従性の高いしなやかなサスペンションの動きを実現して、上質な乗り心地に寄与するという。

 ショックアブソーバーでは、伸び側と縮み側を独立制御するAVSの制御をそれぞれ変更することで応答性を高め、サスペンションの質量低減効果を最大限発揮させた。加えてEPS(Electric Power Steering)の制御をより滑らかでリニアな応答とするなど細部までこだわり、優れた操舵レスポンスやライントレース性を実現。また、新たにアクセルを踏み込んだ際に発生しやすいアンダーステアを抑制するアクティブコーナリングアシスト(ACA)を採用するなど、さらなる進化を追求したとしている。

 日常生活時の走行シーンにおいては、LCが持ち味とする滑らかでパワフルな加速性能を感じられる駆動力特性を追求して、ガソリンモデルでは停止状態から100km/hあたりまでの常用域において、より気持ちのよい加速と強い伸び感、心地よいエンジンサウンドが楽しめるようにした。ハイブリッドモデルでは、バッテリーの使用領域を拡大することで、モーターからのトルクアシストを増幅させ、駆動力を向上させたとしている。

LC500h
LC500hのインテリア

書の三折法にヒントを得たソフトトップを採用するLC500 コンバーチブル

LC500 コンバーチブル

 LC500 コンバーチブルは、LCシリーズとしての統一感を保ちながらも、専用パッケージングによりソフトトップルーフの軽快感や開放感、リアのダイナミックな印象など、LC500 コンバーチブルならではの個性が引き立つエクステリアを目指した。

 ソフトトップは、ルーフオープン時にソフトトップが完全に格納される自動開閉式のトノカバー付きフォールディング機構を採用して、ルーフを開いても閉じていても美しいシルエットのコンバーチブルを目指した。

トランク後端を左右方向にも広げることでラグジュアリースポーツらしい存在感を際立たせたリアデザインとした。またソフトトップの材質や質感を吟味し、骨格と素材の張り具合を徹底的に検証することで、ルーフクローズ時にクーペのような美しいルーフラインとなるようこだわった

 ルーフの開閉時間は約15秒に設定するとともに、速さだけではなくその動き方にもこだわったという。書の三折法にヒントを得て、開閉動作を「動き出し」「途中」「動き終わり」の3ステップに分解し、動き出しと動き終わりには適度な「タメ」を持たせながらも、極端な速度変化がないようリズムよく繋ぐことで、優雅で自然な動きを実現させたとしている。

ルーフの開閉時間は約15秒に設定。さらに速さだけではなく、その動き方にもこだわった。書の三折法にヒントを得て、開閉動作を「動き出し」「途中」「動き終わり」の3ステップに分解し、動き出しと動き終わりには適度な「タメ」を持たせながらも、極端な速度変化がないようリズムよく繋ぐことで、優雅で自然な動きを実現させた
パームレスト内にあるルーフスイッチは、ルーフ開閉とスイッチを傾ける方向を合わせることで直感的に操作が可能。開閉作動中は、マルチインフォメーションディスプレイにルーフの動きをグラフィックで表示することにより、作動状況が一目でわかるようにした。ルーフは約50km/h以下の走行時でも開閉することが可能
LC500 コンバーチブル

 また、ソフトトップを採用することで車両重量の軽量化に貢献するといい、さらにルーフの収納スペースを最小化できルーフオープン時の美しいスタイリングを実現。また、吸音材を組み合わせた4層構造とすることで優れた静粛性も実現。

レクサス クライメイト コンシェルジュを採用し、四季折々のオープンドライブにおいても快適に乗員が過ごせるようエアコン、シートヒーター、ネックヒーター、ステアリングヒーターを自動制御し、乗員にとって最適な室内空間を提供。またエアコンの制御をルーフのオープン/クローズ状態に合わせて変更することでそれぞれの環境における快適性を追求した

 走行性能では、V型8気筒 5.0リッターエンジンと10速ATの組み合わせで、伸び感のあるリニアな加速を追求。ドライバーがどのような環境下で走行しているのかを判定し、走行シーンに応じて駆動力をきめ細かく制御。日常のスムーズな加速から限界域の車両コントロールまで、ドライバーの感覚に合う走りを提供するという。また、自然吸気V8エンジンのサウンドを楽しめるよう、吸気音をキャビン内に共鳴させるサウンドジェネレーターや、より迫力のある排気音を演出する外装バルブをクーペと同様に採用。ルーフオープン時のより気持ちよいサウンドを作り込んだ。

ボディ構造。ブレースの配置や形状に徹底的にこだわり、リアサスペンションタワーブレースや床下ブレースの結合部などには形状自由度が高く、軽量かつ高剛性なアルミダイキャストを採用。また、マグネシウムやアルミニウムなど軽量素材の最適な配置によって、高剛性と軽量化の両立に加え、優れた重量バランスを実現。さらに、リアに「パフォーマンスダンパー」を採用して、上質な乗り心地とドライバーの意図に忠実な優れた運動性能を実現させたとしている

 エンジンサウンドを楽しめる室内空間を提供するため、音響シミュレーションを用いて吸音/遮音を適切に行ない、ノイズを発生源から抑制。さらにアクティブノイズコントロール(ANC)を採用し、オープン/クローズともに人間が不快に感じる低周波ノイズを低減させたとしている。

マルチメディアシステムは、SmartDeviceLink、Apple CarPlayやAndroid Autoに対応。iPhoneやAndroidスマートフォンを10.3インチワイドディスプレイに連携することで、画面操作や音声操作が可能になるなど利便性を向上させた

 オーディオ/サウンドシステムについては、音源の中の楽器、ボーカル、聴衆の歓声、録音時の環境音までを原音に忠実に再現。加えて、オープンとクローズで音響設計を変えることで、それぞれの環境で楽しめる音響空間を実現。

 そのほかの特長として、エクステリアカラー11色とソフトトップ2色、内装色3色で44通りの組み合わせを設定。豊富なバリエーションからオーナーのライフスタイルに応じたコーディネートが可能としている。

 レクサス インターナショナル チーフエンジニアの武藤康史氏は「われわれは『LCらしさを追求し、常に進化を続ける』ということを開発の念頭に置き、LCとともにレクサスの乗り味を育てるべく挑戦を重ねてまいりました。今回、新たな進化の形として新規開発したのがLC500 コンバーチブルです。LC独自の世界観をコンバーチブルでも明確に表現するため、ソフトトップの採用で軽快感や開放感とともに一目で『LCのコンバーチブル』だとわかるスタイリングを実現しました。さらに乗る人すべてにとって心地よい空間を考え抜くことで、四季折々の心地よい風と官能的なエンジン音の調和を肌で感じながら走りも楽しめます。そんな唯一無二の五感を刺激する体験をお客様にお届けしたいと考えています。またクーペでは、高い基本性能をさらに磨き上げるべくサスペンションやステアリング制御など細部にまで手を加え、さらにV8モデル、ハイブリッドモデルともに駆動特性を改良するなど、走りを『より鋭く、より優雅に』熟成させました。LCで運転する喜びをぜひご体感ください。」とコメントしている。