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写真で見る レクサス「LC500」「LC500h」

LC500h“L package”。ボディカラーはホワイトノーヴァガラスフレーク

 レクサス(トヨタ自動車)「LC」は、同社のフラグシップとなる新型ラグジュアリークーペ。もともとショー向けのデザインスタディモデルだった「LF-LC」が市場に好意的に受け止められたことから、量産化への取り組みを開始。新世代のFR向け「GA-Lプラットフォーム」をベースに、LF-LCのイメージをモチーフとしたエクステリアを組み合わせ、レクサスらしい走りと独創的なデザインを両立している。車名のアタマに付く「LC」は「Luxury Coupe」であると同時に、「Lexus Challenge」でもあるという。

 クーペらしいフォルムのボディは4770×1920×1345mm(全長×全幅×全高)とワイド&ローを体現。エンジンなどの重量物を車両中心近くに配置するフロントミッドシップレイアウトを採用するとともに、高張力鋼板をはじめCFRP(炭素繊維強化プラスチック)やアルミ部材などを積極的に採用。剛性を確保するとともに、ガソリンエンジン車では2000kgを切る車両重量を実現している。

 こうしたボディを支えるサスペンションは前後とも新設計。フロントは上下4本のアームを持つ構造としたハイマウントマルチリンクサスペンション、リアもマルチリンクサスペンションを採用する。タイヤは20インチと21インチが設定され、どちらもランフラットタイプとなっている。

随所にCFRPを活用することで軽量化を実現
歩行者検知対応のプリクラッシュ機能などを備えた先進安全装備「Lexus Safety System+」が全車に標準装備となる

 LCのモデルラインアップは2タイプ。これは2種類用意されたパワーユニットの違いによるもので、ガソリンエンジン車は「LC500」、ハイブリッド車は「LC500h」となる。

 まず、ガソリンエンジンはV型8気筒DOHC 5.0リッター「2UR-GSE」ユニットを搭載。最高出力は351kW(477PS)/7100rpm、最大トルクは540Nm(55.1kgm)/4800rpmと、数字上でも間違いなくハイパフォーマンスだが、加えてチタン製吸排気バルブや鍛造クランクシャフトなどによる軽量化で、レスポンスや伸びといったフィーリング面にも配慮されている。組み合わされるトランスミッションは、レクサス初となる10速AT。高応答かつ高精度なクラッチ圧の制御とパワートレーンを統合制御することにより、Mモードでは約0.1秒の変速時間を実現している。JC08モード燃費は7.8km/L。

 ハイブリッド車が積むガソリンエンジンはV型6気筒DOHC 3.5リッター「8GR-FXS」ユニット。従来のGR系ユニットをベースとしながらも、ピストンの軽量化などLC500h用に専用チューニング。最高出力220kW(299PS)/6600rpm、最大トルク356Nm(36.3kgm)/5100rpmと、出力向上とともに高回転化を果たしているのが特長。モーターはリチウムイオン電池により最高出力132kW(180PS)、最大トルク300Nm(30.6kgm)を発生する「2NM」。システム全体では最高出力264kW(359PS)を発生する。

 この両者を結びつけているのが、世界初となる「マルチステージハイブリッドシステム」。レクサスがこれまで採用していたハイブリッドシステムはCVTとの組み合わせとなっていたが、このシステムでは有段ギヤの自動変速機構に変更。エンジンの使用領域を低速域、高速域の両面に拡大することにより、これまでのハイブリッド車とは異なるダイナミックな走りを可能にしている。燃費面にもその効果が現れており、大型のハイパフォーマンスカーながら、JC08モード燃費はなんと15.8km/Lを達成している。

 バリエーションはLC500、LC500hともにベースグレードと“L package”“S package”の3タイプ。“L package”はガラスパノラマルーフやセミアニリン本革シートなどが標準装備となるラグジュアリーグレード、“S package”はトルセンLSDに「LDH(レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム)」を組み合わせコーナリング性能を向上するなどスポーツ色を強めたグレードとなる。

 ボディカラーはホワイト、シルバーなど無彩色系が6色、レッドなどが5色の計11色が用意される。

 価格はLC500が1300万円~1400万円、LC5000hが1350万円~1450万円。

LC500

新規開発色のネーブルスイエローコントラストレイヤリング
LC500h“S package”。ボディカラーはラディアントレッドコントラストレイヤリング。細部カットは撮影時間の関係で異なるグレード、カラーの車両でも撮影している
スピンドルグリルはさらに精悍な表現に。メッシュ部は下部から上部へと密度が変化していくデザイン
上部をブラックアウトしたドアミラー。付け根の部分にはトヨタ自動車で言うところの「エアロスタビライジングフィン」を装備
ドアハンドルは走行時に格納されるポップアップ式
LC500h“S package”には格納式のアクティブリアウイングが標準装備される。約80km/hでアップし、約40km/h未満になると自動格納される
リアコンビネーションランプは非点灯時にランプの存在を意識させないハーフミラー虚像発光式
リアコンビランプ上面にもフィンが設けられている
V型8気筒DOHC 5.0リッターの2UR-GSEユニットを搭載。吸気効率を向上させるデュアルエアクリーナーなどを新たに採用
平成17年排出ガス基準75%低減レベルを達成
サスペンションタワー上部はアルミダイキャスト製
“S package”は21インチ鍛造アルミホイールが標準装備される。タイヤはランフラットタイプでサイズはフロントが245/40 RF21。ブレーキは対向6ピストンのアルミブロックキャリパー。ローター径はφ400mm
リアのタイヤサイズは275/35 RF21。ブレーキは対向4ピストンのアルミブロックキャリパーとφ359mmローターの組み合わせ
ベースグレードと“L package”に標準装備となる20インチ鍛造アルミホイール。タイヤサイズはフロント245/45 RF20、リア275/40 RF20になる
マフラーまわりも凝った造形。中央部にバックランプが内蔵されている
運転席まわりはゆったりとした広さを持ちつつも、ドライビングに専念できる適度なタイトさを持ち合わせている。インテリアカラーはブラウン系カラーを組み合わせたオーカー
ステアリングはφ365mmの小径タイプ。操舵時の圧力分布を解析してデザインされたグリップ形状を持つ。電動でチルト&テレスコピックが可能
上下に長いパドルシフトはマグネシウム製
シフトまわり。一般的なゲートタイプではなくレクサスFRモデル初のエレクトロシフトマチックを採用している
シフトの手前側にはパーキングブレーキの自動ホールドボタン、アクティブリアウイングの操作ボタンが付く
パーキングブレーキの操作はどこかと言えば、インパネ下部の奥まったところにボタンがある
ペダルまわり
メーターパネルにはTFT液晶を採用。「LFA」や「IS」と同じく可動式メーターリングを備えることで表示内容のカスタマイズが可能
カラーヘッドアップディスプレイは全車オプション
質感の高いスタートスイッチ
マルチメディア系の操作を行なうタッチパッド式リモートタッチ
エアコンの操作パネルと光学メディアスロット。USB接続ではハイレゾ音源にも対応
ステアリングコラム右側のスイッチパネル
ルームミラーはフレームレスタイプ
“S package”にはショルダー部の張り出しが大きなスポーツシートを採用。シート表皮はアルカンターラと本革のコンビネーション
ベースグレードと“S package”のスカッフプレートはCFRPタイプ
シンプルながら品質感の高い運転席ドアトリム
リアシート。乗車定員は4名となる
LC500のラゲッジルームは奥行きが長く、約197Lの容量を持つ
トランク下部にはバッテリーやツール類が収納される
V8エンジンサウンド

LC500h

ボディカラーはホワイトノーヴァガラスフレーク
リアタイヤ前にマルチステージハイブリッドを示すバッヂが付く
リアのバッヂもハイブリッド車を表わすブルーのアクセントが入ったもの
ヘッドライトは3眼の小型LEDランプとL字型クリアランスランプの組み合わせ。ターンランプも独立して配置される
ハーフミラー虚像発光式のLEDリアコンビランプにより奥行き感のある表現
V型6気筒DOHC 3.5リッターの8GR-FXSユニットを核としたマルチステージハイブリッドを採用
このサイズのハイパフォーマンスカーでありながら自動車取得税、自動車重量税の軽減措置が受けられる
フューエルリッドは左側。無鉛プレミアムガソリン仕様でタンク容量は82L
ブルー、オレンジ、ホワイトの3色を組み合わせたブリージーブルーのインテリアカラー
深みのある赤系のインテリアカラー、ダークローズ
ステアリング
ハイブリッド車のパワースイッチはブルー
メータークラスター左側にドライブモードセレクトスイッチを用意
右側はVSCのスイッチ
ステアリングコラムの左右にヘッドライトとワイパー関連のレバー
シフトまわり
EVモードのスイッチを追加
アクティブリアウイング装着車の場合はボタンが3つになる
メーターと走行モードの表示。こちらはSport S+
Sport S
Comfort
Eco
ドライブモードはカスタマイズモードの設定も可能
メータ表示
SDナビゲーションシステムを標準装備。モニターは10.3インチのワイドタイプ
ナビ画面以外にもさまざまな情報を表示可能
モニター横にGPSによる時刻補正機能付のアナログ時計がある
ステアリングコラム右側のスイッチパネル
センターコンソール前端にカップホルダーを装備
横に長いグローブボックス
“L package”にはセミアニリン本革シートが標準
ブリージーブルーは相当にビビッド
ベゼルレスのドアハンドル。ドアのアンロックもハンドル操作で可能
“L package”のスカッフプレートはアルミタイプ
リアシート
ダークローズのシート
サンバイザーは照明付き。新車時3年間無料のテレマティクスサービス「G-Link」が付く。「ヘルプネット」サービスにも対応
ガラスパノラマルーフは“L package”のみ
ハイブリッド車のトランクは奥行きが短くなり容量は約172Lとなる
トランク下はガソリンエンジン車と同様