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KINTO、移動のよろこびを提供する新サービス「モビマ」の狙いを小寺社長が語る

サービスとサービスを結び付けて新たなサービスを生み出すことも見据えている

2021年1月20日 実施

株式会社KINTO 代表取締役社長 小寺信也氏

 KINTOは1月20日、現在展開中のクルマのサブスクリプションに加え、国内外の企業と提携して多様なモビリティサービスを提供するオンラインプラットフォーム「モビリティマーケット」(モビマ)の立ち上げに関してオンライン説明会を行なった。

2020年は短期間に施策を次々と行ないサブスクの土台を築けた1年

 登壇した小寺信也社長はまず、2020年の振り返りから解説。KINTOが展開しているクルマの新たな持ち方=サブスクをさらに広く普及させるため、新型車の「ハリアー」「ヤリスクロス」「GRヤリス」「GRスープラ(台数限定)」「KINTO特別仕様車」などを追加して取り扱い車種を15車種から31車種まで拡大。また、法人利用の受け付けを開始したほか、もっと長く乗りたいというユーザー向けに5年・7年といった長期プランの追加や、他車種への乗り換えを可能にしたサービスも開始するなど、商品強化を図ったことを紹介。

 また、20~30代の若者世代には菅田将暉さんを起用したTV-CMを放映。40~50代の中堅世代には佐藤浩市さんを起用し、レクサスを契約したユーザーの声を紹介する特設サイト「KINTO VOICE」を開設。60代以上のシニア層には、BS放送を利用したインフォマーシャルを実施するなど、全世代への認知度アップを図ったという。

 特に「クルマの購入経験がなく、Webに親しみのある」20~30代については、TV-CMに有名人を起用したこともあり、狙い通りかなり取り込めていて、今後もそこはメインターゲットになることに変わりはないと明かした。

 さらに、自社コールセンターの立ち上げ、有人チャットの導入、対面相談ができる専用カウンターを東京お台場のメガウェブ内に設置するなど、ユーザーとの接点づくりも積極的に強化したと言及。

 その成果もあり、新型コロナウイルス感染拡大による移動制限や緊急事態宣言などマイナス要因の多かった2020年だったが、6月以降は申し込み数が単月で1000件を超え、下半期(7月~12月)は前年比6倍以上も増加。ただし、サービスを開始した2019年度はまだ契約数が少なかったため、2020年度は昨対比6倍増という結果を残せた。2021年は昨対比6倍とまではいかなくても、同じくらいの増加スピードは維持したいと意気込みを語った。

2020年の振り返り 2020年全体のポイント
2020年の振り返り 商品強化1
2020年の振り返り 商品強化2
2020年の振り返り 商品強化3
2020年の振り返り 商品強化4
2020年の振り返り 認知度アップ1
2020年の振り返り 認知度アップ2
2020年の振り返り お客さまとの接点づくりの強化1
2020年の振り返り お客さまとの接点づくりの強化2

 小寺社長はこれらの申し込み数増加の要因は「若年層を多く取り込めた」「クルマ未保有の人に多く選ばれた」「Webで簡単に契約できる便利さが支持された」「コロナ禍でクルマのニーズが高まった」と4つを挙げた。

 クルマのニーズの高まりについては、2020年11月にコロナ禍においてクルマに対するニーズがどうなっているかの意識調査を実施したところ「自動車の購入を検討するようになった」というユーザーが15%に上ったことを紹介。実際にコロナ禍によりクルマのニーズの高まりは数字にも表れていることも紹介した。

2020年の振り返り 2020年の申し込み数推移
2020年の振り返り 申し込み数増加の要因
2020年の振り返り お客さまの年代構成
2020年の振り返り 契約前のクルマの保有状況
2020年の振り返り Web申し込み状況
2020年の振り返り コロナ禍を受けたクルマのニーズ

新サービス「モビマ」によりKINTOは第2フェーズへ

 続いて小寺社長は新サービスを立ち上げる理由として「世界中で移動が制限されたことで、改めて移動するということが、人類の本能であり、喜びであると改めて認識した」と説明。

 そして、これまでの“もっと気軽にクルマと付き合ってほしい”というサブスクを立ち上げた当時の想いから、これからは“クルマのある生活をもっと楽しんでほしい”という移動できることの喜びを感じられるサービスの提供を決めたという。

 そこで2020年末には先行して、キャンピングカーと車中泊スポットをセットにしたワーケーション体験、シェアサイクルを組み合わせた旅行プラン、レンタカーとドライブシアターをセットにしたエンタメ体験など「移動のよろこび」と題したスタートアップキャンペーンを実施。参加者の満足度も70%を超えたことで手応えを感じたと紹介した。

新サービス名称は「モビリティマーケット」(通称:モビマ)で、誰でも利用できるクルマでの移動を楽しめるサービスがたくさん並ぶサイトとなり、KINTO契約ユーザーは優遇されるという

 新たなサービスとなる「モビリティマーケット」(モビマ)は、KINTOの想いに賛同してくれるパートナー企業が提供している“移動のよろこび”につながるさまざまなサービスを簡単に見つけられ、気軽に利用できるようなプラットフォームとなる。

 このモビマは誰でも自由にアクセスできるが、各サービスを利用するには会員登録が必要となり、既存のKINTO契約ユーザーは3万円相当の優待などメリットを打ち出す予定だという。さらなるモビマの特徴として、16の国と地域で展開しているカーシェアサービス「KINTO SHARE」を利用できる点も紹介した。

「移動のよろこび」キャンペーンを先駆けて実施
「モビリティマーケット」のサービスカテゴリー
「モビリティマーケット」のサービスカテゴリー詳細
海外のサービス提供

 すでに提携を予定しているパートナー企業は、NTTドコモやJTBをはじめ20社以上、中にはグルメ体験を提供する企業や、サーキットやオフロードコースを運営する企業、体験型ギフトを提供する企業、ペーパードライバーをサポートする企業など多岐に渡る。

 具体例として小寺社長は「何かのイベントなどで野球場や施設へ行った際に周辺の駐車場はすぐに埋まってしまい探すのが困難になるが、そういう場合にモビマから空き駐車場を探せるサービスがあるとか、そういった便利なものをイメージしている」と説明した。

 また「パートナー企業はモビマへの出店料などが必要になるのか?」という質問に対し小寺社長は「パートナー企業からいただく費用は必要最低限としていて、出店料で利益をあげるのが狙いではない。あくまでユーザーに対してさまざまなサービスを提供して、クルマでの移動を楽しめるコンテンツをたくさん利用していただくことが1番の目標であると明言。

 新サービス開始後も「こんなサービスがあったらいいのに」といったユーザーの声にも耳をかたむけ、そのサービスを提供している企業に一緒にやりませんかと声をかけて拡張していくし、サービスとサービスを結び付け新たなサービスを生み出すことも考えていると未来像についても言及した。

 小寺社長は最後に「4月のオープンを前に、2月~3月にプレオープンの体験キャンペーンも予定しています」と締めくくった。

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