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ボルボ、新車の納車前点検など集約する「埼玉サービスセンター」オープン 年間約5000台分の作業を集約して店舗サービス工場を効率化

2021年6月22日 オープン

 ボルボ・カー・ジャパンは6月22日、新車の納車前点検など、これまで店舗サービス工場で行なっていた作業の一部を集約する「埼玉サービスセンター」(所在地:埼玉県比企郡川島町6丁目2)をオープン。同日、オープニングセレモニーが開催され報道関係者に内部が公開された。

 埼玉サービスセンターは、ボルボ・カー・ジャパンの直営7店舗が取り扱う新車の納車前点検や板金などの重整備をはじめ、認定中古車の商品化や、豊橋や藤沢に分散していた在庫車の一時保管などが行なわれる施設。

 ディーラーオプション品のETCセットアップなど新車納車前に行なわれる作業を集約することで店舗サービス工場の負担を軽減するとともに、板金塗装などについては作業を内製化することでスピードやクオリティの向上を目指している。また、埼玉サービスセンターを活用した店舗のオペレーションを含めて、店舗サービス工場の作業スペースや人材の効率化をさせることにより、ユーザーへのサービス向上を図ることを目的にしている。

 同施設の規模は、敷地面積が約4300m 2 、建物が地上3階建て、延べ床面積が約6900m 2 。納車前準備を行なうテクニシャンが6名、板金塗装を行なうテクニシャンが8名在籍。年間のキャパシティとして、新車納車前準備で3000台、中古車の納車前準備で1100台、板金塗装で1100台、計5200台相当の作業を行なえるという。

1階の整備スペース
1階の板金塗装スペース
2階の作業スペース
3階にも作業待ちのクルマが並ぶ
屋上にも作業待ちのクルマが並ぶ。埼玉サービスセンターは、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の川島IC(インターチェンジ)からクルマで約4分というアクセスのよい場所に立地する

 内部が公開された当日はすでにセンターは稼働を開始していて、空調の整った静かな環境で、それぞれの作業が行なわれていたのが印象的。外注業者によるボディコーティング作業なども行なわれていた。

パーソン社長「将来的にボルボ・カーズがさまざまなタイプのサービスフォーマットを必要とする」

ボルボ・カー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 マーティン・パーソン氏

 同日開催されたオープニングセレモニーでは、ボルボ・カー・ジャパン代表取締役社長 マーティン・パーソン氏がオープニングスピーチを実施。埼玉サービスセンターのオープンに対して、パーソン社長は「個人的にも意味深いものとなります」との思いを話し、「2016年から2019年にかけて私はボルボ・カーズのグローバルカスタマーサービスの責任者としてスウェーデンの本社で勤務していました。そうして、大規模なサービス戦略を含めたグローバル戦略の策定に携わりました。これを行なったのは将来的にボルボ・カーズがさまざまなタイプのサービスフォーマットを必要とすることを理解していたからです。その中にサービスセンターという概念がありました。サービスセンターがあれば、サービス入庫量の急激な増加にも対応でき、より高い効率性を実現することができます。数年前にスウェーデン本社で開発チームに参加して練り上げた戦略を本日のボルボ・カーを率いて実現できることが、私にとりまして大きな誇りとなっていて、とっても幸せなことと思います」と述べた。

 そして、埼玉サービスセンターの2つの役割について、パーソン社長は「まず第1に、このサービスセンターによってボルボ・カー・ジャパンの販売店はお客さまにさらに強力なサービス体験を提供できるようになります。直接お客さまとの対面の必要としない作業を1か所に集中、集約させることで、各ワークショップではお客さまへのサービス作業を増やすことができます。これによりお客さまの待ち時間は短縮され、サービススタッフはお客さまの個々ニーズにより集中することができます」と説明。続けて、「第2に、このサービスセンターは効率的なサービスオーペレーションを行なうためのショーケースとして披露する場となります。ボルボ・カー・ジャパンは、このサービスセンターを新しいサービスプロセス、機器、ボディリペア方法を試す場と位置付けています」と述べた。

 将来的な埼玉サービスセンターの展開として、直営7店舗の作業を受け入れるだけでなく、各ディーラーからの作業受け入れも検討。そして、各地のディーラーにおいても同様のサービスセンター設置の検討をしてもらうという。パーソン社長は「埼玉サービスセンターは、すべての面で世界トップクラスの設備になるという明確な役割をもっています。そして全国のボルボディーラーを招待し、見学してもらい、学んでもらいます。このようなサービスセンターを運営することで、その価値を理解してもらい、できれば自社での運営を検討してもらいたいと考えております」との期待感を述べた。