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ポルシェ、アーティスト・SHUN SUDO氏とコラボしたアートカー公開 タイカンのスピード感・躍動感をデザインで表現

2022年3月3日 公開

SHUN SUDO氏によるアートが描かれたフル電動スポーツカー「タイカン」を公開

 ポルシェジャパンは3月3日、アーティストであるSHUN SUDO氏とコラボレーションしたフル電動スポーツカー「タイカン」のアートカーを公開した。同社は3月5日より東京、名古屋、大阪でアートカー展示イベント「Taycan Soul Canvas(タイカンソウルキャンバス)」を開催する予定で、そのイベントに先駆けて報道陣にタイカンアートカーをお披露目した。

 この公開イベントにはポルシェジャパン 広報部の黒岩真治氏、マーケティング&CRM部 執行役員の前田謙一郎氏、SHUN SUDO氏が登壇してトークショー形式で今回のアートカーについて解説を行なった。

ポルシェジャパン株式会社 広報部 黒岩真治氏
ポルシェジャパン株式会社 マーケティング&CRM部 執行役員 前田謙一郎氏
アーティストのSHUN SUDO氏

 ポルシェは2021年12月から夢を追い続けている人たちを応援するグローバルブランドコミュニケーションプログラム「Dreamers.On.(ドリーマーズ オン)」の国内展開をスタート。これはポルシェの創設者であるフェリー・ポルシェ氏の言葉「私は自らが理想とするクルマを探したが、どこにも見つからなかった。だから自分で造ることにした」というポルシェを特徴づけてきた側面にフォーカスするとともに、人生の「夢」というテーマに焦点を当てて夢を追い続けている人たちを応援する企画を展開している。

 ポルシェジャパンでは日本国内におけるDreamers.On.プログラムの第1弾として「オリジナルPodcast」をスタート。「Bucket List -Driven by Dreams-」というタイトルで、夢を叶えてもさらに次の夢を追い続けているアーティスト、アスリート、起業家などをゲストに迎えた番組を配信している。

 アートカー展示イベント「Taycan Soul Canvas」はそのDreamers.On.のプログラムの一環として行なわれるものとなるが、そもそもなぜポルシェがアートカーを作るのか。前田氏によるとポルシェとアートカーの歴史は長く、これはロックンロールの女王であるジャニス・ジョプリンのサイケデリックな356 SCに端を発しており、その後もアーティストのビギビラが手がけた911 カレラ(996)、アーティストのリチャード・フィリップスがデザインを手がけて2019年のル・マン24時間レース(GTE Am)で優勝した911 RSR、現代美術家のダニエル・アーシャムによるボディにクリスタルを埋め込んだ911、ガラス彫刻家のデイル・チフーリがデザインしたタイカンなどがある。ポルシェとしては同社のモデルが各界のアーティストの創作意欲を刺激する素材になればと考えており、その考えのもとさまざまなアートカーが生まれてきた。

これまで手がけてきたさまざまなアートカー

 そして今回公開されたタイカン ターボをベースにしたアートカーは、和を想起させる水墨画的な繊細なタッチ、ストリートのPOPなテイストを特徴とするSHUN SUDO氏がデザインしたもの。水墨画的なタッチとアメリカングラフィティが組み合わさったアートがエクステリアに描かれた。これはSUDO氏が実際にタイカンに試乗し、そこで感じたインスピレーションを鮮やかな色使いとともにSUDO氏の代名詞ともいえるボタン・フラワーのモチーフ、さらに夢を追う人々のエネルギーを表現したものという。

タイカン ターボをベースにしたアートカー
SUDO氏は911オーナーで、911について「クルマ自体がアート」と評価

 SUDO氏は自身も911オーナーで大のポルシェファンとのことで、その911について聞かれたSUDO氏は「見るだけでワクワクするし、クルマ自体がアートかなと思います。何度乗ってもその感動が薄れない本当にいいクルマ」と評価するとともに、旅をすることがデザインの源泉になっていることを報告。また、SUDO氏のデザインの大きな特徴となっているボタン・フラワーのモチーフについては「花はどの状況下にあっても癒しの効果があって、ボタンは生地と生地をつなぎ合わせるもの。それを世界地図に例えたときに花の癒しで世界を1つにする、そういう意味を込めてボタン・フラワーを自分のアイコンとして使っています」と解説した。

 また、タイカンを実際に運転した感想を聞かれたSUDO氏は「タイカンは本当に電気自動車という概念を超えていて、SF映画の世界に入ったような感じで加速もすごいですし内装も素晴らしいし、ただただワクワクするクルマ」と述べるとともに、そこから得たインスピレーションについては「乗ったときのスピード感、躍動感がすごかったのでそれをなるべくイメージし、あとはボタン・フラワーでエネルギーを表現しています。僕の絵のスタイルは全てアクリルなのですが、水墨画のようなタッチのクラシカルな絵を描いたうえに別人格でグラフィカルなポップな絵を誰かが落書きしているような手法で作品を製作しています。富士山も描かれているのでぜひご覧ください」と述べた。なお、製作期間は1か月としており、クルマにデザインを描くことに苦労はなかったという。

 日本人アーティストとして初のポルシェアートカーとなる今回のモデルは、3月5日からスタートする「Taycan Soul Canvas」で見ることができる。東京では3月5日~6日に六本木ヒルズ 大屋根プラザ、名古屋では4月2日~3日にJRゲートタワー イベントスペース、大阪では4月9日~10日にグランフロント大阪 ナレッジプラザで展示されるので、ぜひ実車をご覧になっていただきたい。