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スバル「レガシィ アウトバック」が最高評価のファイブスター大賞を受賞 2021年度自動車アセスメント オンライン表彰式開催
2022年5月26日 07:02
- 2022年5月25日 開催
2021年度は13モデル中9モデルが最高評価「ファイブスター賞」獲得
国土交通省とNASVA(自動車事故対策機構)は5月25日、2021年度の自動車アセスメントの結果を公表し、オンライン表彰式を開催した。
1995年度から続けられている自動車アセスメントでは、一般購入者が自分では確認することが難しいクルマの安全性能について、一定条件下でテストを実施。テスト結果を公表することにより、ユーザーが安全なクルマを選びやすい環境を作ることに加え、自動車メーカーがより安全性の高いクルマを開発するよう促すことを目的としている。
2019年度まで「衝突安全性能」と「予防安全性能」をそれぞれ別に評価していたが、2020年度からは安全性能について総合的に評価を行ない、よりわかりやすい「自動車安全性能」という形式で情報提供している。
最新基準となる「自動車安全性能2021」では、予防安全性能(82点満点)、衝突安全性能(100点満点)、事故自動緊急通報装置(8点満点)の3分野で評価を実施。満点は190点で、総合評価は★(62.09点未満)から★★★★★(151.03点以上)の5段階。また、最高評価の★★★★★を獲得するためには予防安全性能と衝突安全性能の両方で最高評価となるAランクを取得し、さらに事故自動緊急通報装置を備えていることが必要となる。
2021年度は乗用車10モデル、軽自動車3モデルの計13モデルで評価を実施。このうちマツダ「CX-30」、トヨタ自動車「アクア」「カローラ/カローラ ツーリング」、日産自動車「キックス」「ルークス/ルークス ハイウェイスター」「ノート/ノート オーラ」、三菱自動車工業「アウトランダーPHEV」、本田技研工業「ヴェゼル」、スバル「レガシィ アウトバック」の計9モデルが、衝突安全性能評価の最高評価である★★★★★(ファイブスター)の獲得モデルに贈られる「ファイブスター賞」を手にしている。
スバルが2年連続で「ファイブスター大賞」の栄冠に輝く
このほか、ファイブスター賞の対象内で評価年度の最高得点となったモデルに贈られる「ファイブスター大賞」はスバルの「レガシィ アウトバック」が受賞。スバルでは2020年度にも「レヴォーグ」がファイブスター大賞を獲得しており、2年連続の受賞となっている。
ファイブスター大賞の表彰後には、受賞モデルであるレガシィ アウトバックの開発責任者を務めたSUBARU 商品企画本部 PGM 村田誠氏による「ファイブスター大賞 技術プレゼンテーション」が行なわれた。
村田氏は冒頭でこれまでのスバルが中期経営ビジョンの「STEP」などでもアピールしてきた目指すべき将来像について紹介。「安心と愉しさ」をユーザーに提供して笑顔を作る会社でありたいと考えており、2025年ビジョンで取り上げている「Different」「お客様第一」「企業の社会的責任」の3項目のうち、個性を磨き上げるDifferentについて解説。スバル車ユーザーは一般的な価値観よりも広義な環境価値を意識しており、この点が評価されているとの分析から、そうした広義な環境価値を盛り込み、唯一無二の存在としてDifferentを体現しているのが新型レガシィ アウトバックだと述べ、そんなレガシィ アウトバックが栄誉あるファイブスター大賞に評価されたことが本当にうれしいと語った。
本題となるレガシィ アウトバックの安全技術では、自動車安全性能2021で82点満点中81.95点と評価された予防安全性能について、新型ステレオカメラや前側方レーダー、電動ブレーキブースターなどを備える高度な運転支援システム「アイサイトX」を全車標準装備して、右折時の対向車、右左折時の対歩行者・横断自転車などに対応できるようにしていると説明。
また、アイサイトXでは「プリクラッシュステアリングアシスト」「エマージェンシーレーンキープアシスト」「前側方プリクラッシュブレーキ」といった新たな予防安全技術も採用。さらに3D高精度地図ユニットやフル液晶メーター、ドライバーモニタリングシステム、ステアリングタッチセンサーといったデバイスを追加することにより、衛星から受信する自車位置情報を制御に活用しているという。
同じく自動車安全性能2021で100点満点中95.07点となった衝突安全性能では、乗員から近い場所に他車が衝突する側面衝突に対応するため、ボディの基本骨格でセンターピラーの構造を中心に強化を実施。
また、2016年10月発売の「インプレッサ」から採用している次世代プラットフォーム「SGP」(Subaru Global Platform)から搭載を始め、レガシィ アウトバックでも標準装備している「歩行者保護エアバッグ」は、とくに日本国内で発生する交通事故で死亡する人の割合が多い歩行者、自転車乗員の保護を目的としたもの。バンパーやボンネットなどとは異なり、フロントウィンドウは構造上の問題で強度を落としにくく、“衝突安全の死角”になっていると村田氏は表現する。そこで万が一の事故発生時にフロントウィンドウ前方部分にエアバッグを展開させ、死角となっているエリアをカバーして、スバル車の安全性を高める重要な柱になっているとした。
最後に村田氏は「スバルは脱炭素社会に貢献していくと共に、2030年に死亡交通事故ゼロを目指しています。技術をさらに進化させ、お客さまの笑顔を作る会社を目指し、スバルらしく着実に歩んでいきます」と語ってプレゼンテーションを締めくくった。
「安全装備は万能ではない」とNASVA 中村理事長
このほかに表彰式では、国土交通省 自動車局 次長 野津真生氏があいさつを実施。日本国内では交通事故の発生件数が近年減少傾向となっているが、2021年には2636人が交通事故で死亡しており、36万2131人が負傷しているというデータを紹介して「依然として多くの人が被害に遭われている」と説明。こうした状況を踏まえて策定された「第11次交通安全基本計画」では、「世界一安全な道路交通の実現」を目標に掲げ、2025年までに年間で発生する交通事故による死亡者数を2000人以下、重傷者数を2万2000人以下にすることを目指し、国交省でも目標達成に向けて車両の安全性確保といった対策を進めているという。
自動車アセスメントはこの目標達成に向けた重要な対策の1つであり、昨今は自動車技術で安全性能が飛躍的に向上してさまざまな装備がクルマに搭載されるようになったことにより、自動車アセスメントの重要性がますます高まっていると解説。交通事故を削減するためにはクルマの先進安全技術の普及が高い効果を有しており、より安全なクルマ社会の実現に向け、政府や自動車業界をはじめとする民間企業が連携・協力しながら技術の普及を推進していくことが重要だと述べている。
続いて登壇した自動車事故対策機構 理事長 中村晃一郎氏は自動車アセスメントの概要や歴史などを紹介。さまざまな取り組みによって交通事故の発生件数自体は減っているが、今でも死亡事故の件数は多く、重度後遺障害者も減っていないと指摘して、NASVAでは自動車アセスメントによるクルマの安全性向上に加え、交通事故の被害者支援にも努めていると説明した。
また、クルマの安全性能は高まってきているが、搭載されている各種安全装備は、現状はあくまでもドライバーを補助するものであり、万能ではないと説明。「運転者の皆さまにはクルマに頼った運転はせず、自らの手による安全運転を心がけていただきたい」と改めて注意喚起している。