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車中泊やキャンプを「ZR-V」「ステップワゴン」「N-VAN」で楽しむノウハウを3人のアウトドアの達人が解説

2023年3月15日 開催

ホンダアクセスが「Honda純正アクセサリー アウトドア取材会」を実施した

 ホンダ車用の純正アクセサリーを製作、販売するホンダアクセスが開催したちょっと風変わりな取材会を紹介しよう。それが「Honda純正アクセサリー アウトドア取材会」だ。

 名称から「ホンダ純正アクセサリーを装備したクルマでアウトドアレジャーのシーンを再現」という内容かと思いきや、まったくそうではなく、車中泊を取り扱う雑誌「カーネル」で活躍する車中泊の達人や有名アウトドアコーディネーターが「ホンダ車でアウトドアや車中泊を楽しむ」をテーマに、「ZR-V」「ステップワゴン」「N-VAN」といった、それぞれ担当のクルマを「遊びのクルマ」にアレンジし、クルマのカタログや普通のクルマメディアの記事では見えないホンダ車の魅力を伝えたいという趣旨。ミニバンやSUV、軽自動車でアウトドアレジャーを楽しみたいと考えている読者は、今回紹介した達人のノウハウをぜひ参考にしていただきたい。

今回の企画のアドバイザーの方々。左からカーネル誌のアンバサダー rui(るい)さん、中央が株式会社雀屋の代表、アウトドアコーディネーター 小雀陣二さん、そして右の女性はカーネル誌のアンバサダー ちょもかさん

充実したファミリーキャンプができるギア選び&積載ノウハウ

最初はアウトドアコーディネーターの小雀さんが担当するステップワゴンe:HEV AIRとZR-V e:HEV X Premium Styleの紹介
アウトドアコーディネーターである小雀陣二さん

 今回の展示で小雀さんが提案したのは、家族でキャンプを快適に楽しむためのギア選び。

 ミニバンのステップワゴンはもちろんのこと、SUVのZR-Vもリアシートを倒せば広いラゲッジスペースが確保できるが、それでは乗車できる人数が減ってしまう。ステップワゴンは3列目シートを収納してラゲッジスペースとするのは仕方ないが、足もと広々の2列目シートを前にスライドさせるような積載方法はクルマの特徴をスポイルしてしまうのでできれば避けたいところ。

 とはいえアウトドアでは美味しい料理を調理したり、チェアに座ってのんびりしたり、住み心地のいいテントで過ごす時間も楽しみたいので、それなりの数の道具を持っていく必要がある。となると、ポイントになるのは道具選びと積載方法だ。

 ちなみに、キャンプ道具は対象人数や運ぶ手段によって道具の大きさも形状も変わるので、すでに道具を持っている人でも、クルマを乗り換えたり家族や仲間が増えたり、キャンプスタイルが変わった場合は道具も変わる。それだけに「持っているよ」という方も小雀さんの話を参考にしてほしい。なお、ステップワゴンは4名、ZR-Vは3名でのアウトドア遊びを想定している。

ステップワゴン e:HEV AIR。エクステリアにはホンダアクセスの純正アクセサリー「フォグライトガーニッシュ」「ボディサイドモール」「リアコーナーガーニッシュ」「MS-046アルミホイール」「ドアプロテクションフィルム」「オートサイドステップ」を装着
ZR-V e:HEV X 4WD。こちらは「フロントロアスカート」「ガーニッシュキット」「サイドロアガーニッシュ」「リアロアガーニッシュ」「LEDフォグライト&フォグライトガーニッシュ」「ドアハンドルプロテクター」「ドアバイザー」「MG-030アルミホイール(19インチ)」「ドアミラーカバー」「テールゲートスポイラー」「リアライセンスガーニッシュ」「クロームメックエンブレム」を装着している

 大型テントにタープ、人数分のシュラフ、ゆったり使えるテーブルにチェア、そして凝った調理も可能なツーバーナーコンロ、大容量のウォータージャグ、大型クーラーボックスはどちらも同じ装備となっているが、前記したようにステップワゴン、ZR-Vともに人の乗車スペースを犠牲にすることなく、充実の道具を積むことを前提としているので、ラゲッジスペースのサイズが異なる2台では道具のチョイスに工夫があった。

ステップワゴン e:HEV AIRでいくキャンプスタイル。人員は家族4名設定
ステップワゴン用に展開した装備。4名が就寝でき、前室もあるテントに大型のテーブル、木製の折りたたみ式チェア
調理用ラックにツーバーナーコンロ
大型のクーラーボックスにウォータージャグは地面に直に置くと使うときに使いにくいのでベンチを持っていってそこに置くといい
ZR-V e:HEV Xは大人3名で行く設定
ZR-Vの装備。テーブルは天板を外して丸めて、フレーム継ぎ手を外すと筒状になるタイプ。テーブルと高さの合うチェアもコンパクトにたためるものを選んでいる
テントはステップワゴンより大きいものとしている。テント本体と前室は別パーツで販売されている。シングルレイヤータイプ
広々と3名で寝る設定。前室も広い

 積んでいくギアを決めるポイントになるのは大きさと素材。ラゲッジスペースに余裕があるステップワゴンでは、チェアを木製の折りたたみ式を選んでいたのに対して、ZR-Vは組み立て式のコンパクトチェアをチョイスしている。

 そしてテーブルも少し小さいものを選択。さらにクーラーボックスやウォータージャグという比較的かさばる道具もハード素材とソフト素材で使い分けることでスペースを節約していた。

 なお、小雀さんによると、初めて道具を揃えるときは、どんなモノ、どんなサイズを買ったらいいか分からないと思うので、レンタル品を借りて自分のキャンプスタイルに合うものを探していくといいそうだ。

チェアは種類が多いので積載スペースに合わせた選びかたができる。テーブルと一緒に使うのでテーブルの高さを意識してサイズを選ぶ
左がハードケース、右がソフト素材。ソフト素材は畳めるので中身を使い切った帰りはスペースが生まれる。なお、両方とも4人家族ぶんの食材なら十分のサイズ。飲み物を増やしたい場合は別のボックスを用意すると積むときかさばらなくて楽。保温性はハードケースが優れている
ウォータージャグ(水入れ)。ハードケースのほうが保冷性は高いがかさばる。ソフト素材のものを複数用意するというのもありだという

 小雀さんの積載方法で大きなポイントになるのが、コンテナのような大きな箱を使用しないことと、大きなものや現地で最初に使用するものは最後に積むこと。

 アウトドア道具に限らず、同じ目的で使用する道具はちょうどいいコンテナなどにまとめるのが一般的だ。しかし、アウトドアで使う道具は大きさや形状もそれぞれで違うので「四角い箱」に詰めていったときにすき間ができるもの。そこで小雀さんのトランクボックスを使わない積載方法。ただし、これは単純に「剥き出しのまま積みました」ということではない。

 キャンプ場到着後はテントやテーブル、チェアなど大きいものから設営していくので大物は手前に積む。これなら降ろすときは順に引き抜いていけばいい。そして撤収時は小物から片付けるので小物を先に積んで、あとから大物とやっていくと、とくに意識することなく来たときと同じように積めるのだ。また、クーラーボックスも道中に食料品を購入した場合に入れやすいように(=食料品を入れたら当然重くもなるので)手前に積むのがセオリーだという。

 コンテナに入れることを前提にすると作業性を重視した積み方もできなくなる。これは時間のムダにもなるとのこと。それゆえに単体で積むのはラゲッジスペースを有効に使えるだけでなく、道具の展開、撤収にもメリットがあるという。また、必須ではないが折り畳みベンチも積んでおくと、前日の雨などで現地の地面がぬかるんでいた場合、クーラーボックスなどを汚さずに置けるので重宝するという。

ステップワゴンへの積載。展開している道具と同じものをもうワンセット用意してそれを積んでいる。展開状態からみるとかなりコンパクトに積めているが、これは「箱」に入れないから実現するもの
たっぷり積んでも2列目シートはこの位置で使用できる
ZR-Vのラゲッジスペースはキャンプ道具が積めるほど広いイメージはなかったが、こちらも展開している道具と同じものがすべて積まれている
荷物をたくさん積んでも後席は快適に使える。とはいえラゲッジスペースを見ると「まだ積めそう」と思ったが、小雀さんは「ここに3人分の着替えで、リュック3つくらいを積む必要がありますから」とひと言。なるほどそれらも積むことを想定しての積載方法であった

 そのほかの細かい積載方法は画像で紹介するが、ステップワゴン、ZR-Vとも、複数人数での快適なキャンプができる道具が無理せず積めることを証明した展示だった。

 なお、キャンプ道具は使わないときはクルマから降ろして自宅やレンタル倉庫などにしまうことになるが、今回のセットであれば、ラゲッジと同じわずかなスペースを用意すれば収納できるということだ。

内装の形状には凹んだ部分もあるので、そこに小物を入れると空間が有効に使える
シートバックには角度がついているので下側にデッドスペースができやすい。小分けにしてあればそこも使える
シュラフやブランケットは収納バッグから出して隙間に入れていく。省スペースと同時に荷物の緩衝剤になる。また、使用後に収納バッグに戻すという地味に面倒な作業も省略できる
室内をよく見ると使っていないスペースがあるので、そこも使えばさらに省スペース化
シュラフやブランケットはクッションカバーに入れ換えておくと乗員用のクッションとしても使える。同時にラゲッジに余裕が出る
ZR-Vに積んでいた道具をヴェゼルに積み替えてみたところ、ZR-Vよりラゲッジスペースが狭いものの、ちゃんと積むことができた。ホンダのSUVであれば大人3人でのキャンプもスマートに出かけられることが分かった
ZR-Vにはホンダ純正アクセサリーのラゲッジトレーが使われていた。アウトドア道具は土汚れがつきやすいのでラゲッジトレーは必需品だ

母と娘で出かけるキャンプスタイル

カーネル誌のアンバサダーである「ちょもか」さん。ダイハツハイゼットでの車中泊を続けている方
使用するクルマはステップワゴン e:HEV SPADA.。カラーはプラチナグレー。外装はフロントグリル、フォグライトガーニッシュ、MG-029アルミホイール、ドアバイザー、ドアハンドルプロテクションカバー、マッドガード、ハンズフリースライドドアを装着

 ちょもかさんは車中泊やキャンプを得意としている女性で、女性目線からの「楽しいキャンプ」を提案。テーマはステップワゴンを使った「母と娘でいくキャンプスタイル」で、ポイントはテントではなく就寝は車中泊で行なうという部分だ。

 最近のテントは設営が容易になっているとは言え、女性ひとりで組み立てるのは大変。とくにファミリーキャンプで使うような背の高い大きなテントなら小柄な人にはよりハードルが高くなる。そこでちょもかさんはクルマをテント代わりに使用し、食事やくつろぎの場としてカーサイドタープを使用。

母と娘(小学校低学年の設定)でのキャンプを想定したコーディネート内容

 こちらも組み立て式ではあるが、テントよりはるかに設営が簡単で(ただ、風が強いときの設営は勧めないという)、日差し避けも十分、途中で雨が降ってきても問題なく、サイドの幕を閉めれば風の吹き込みをシャットアウトできる。また、適度に周囲からの視線も防げるものだ。なお、テントを使用しない理由は、しっかりロックができる車内の方が安心感が高く、女性だけでリラックスして就寝できるからだという。

テントではなくカーサイドタープを使用する。展開、撤収はテントより楽だし、雨風が十分しのげ、採光も適度にあるから暗い雰囲気にならない。食事などはここで行なう
就寝は車中泊としている。ベッドスペースはシートアレンジで作れるが、快適さをさらに高めるために2人分それぞれ独立したマットを敷き、さらにその上にラグを敷く
小学生の女の子と一緒の設定なので、照明類に凝ることで楽しい非日常感を演出している
ステップワゴンには純正アクセサリーに「プライバーシェード」があるのでそちらを活用してプライベート空間を作っている
運転席との境も純正アクセサリーの「セパレートカーテン」を使用
セパンレートカーテンを運転席側からみた感じ。フロントガラスに掛けるモノではないので、クルマの移動もしやすいのが特徴(カーサイドタープは吸盤取り付け)
ステップワゴンには純正アクセサリーの「15.6インチリアモニター」が付いていたが、せっかくのアウトドアなのでプロジェクターを用意。カーサイドタープのメッシュ窓のカバーをリアゲートにぶら下げるとスクリーン代わりになるので、大画面の上映会を楽しめる
シート下のラゲッジスペースに貴重品など入れておき、上から見えないようにシーツなどで目隠しをするというアイデア

 キャンプのとき楽しみといえば食事だが、父親がいない日は母と娘で食べたいものをチョイス。ちょもかさん的には「チーズフォンデュとケーキですかねぇ」といっていた。そんな調理に使うギアも女性キャンプ目線で選んでいたが、これも興味深い。

 前出の小雀さんもそうだが、男性は機能で道具を選ぶ傾向が強いが、ちょもかさんが選んだ道具はデザインや雰囲気重視であり、さらに花やラグマットなどもさりげなく飾っているのが特徴。

 また、タープ内にはマットが敷かれたスペースが設けてあったが、ここは子供が靴を脱いで座って、お絵かきしたりするために用意した場所となっていた。子供は飽きっぽいので、チェアだけでなく、車内やマットなどちょこちょこ移動できる場所を用意しておくといいそうだ。

テーブルやチェアを選ぶだけでなく、ギアやマットなども女性目線で気に入るモノを揃えている
ものをただ置くのではなくて飾るように置く
子供が靴を脱いで遊べるスペース。ちょもかさんの知り合いの家庭にキャンプコーディネートを依頼されたとき、実際にやってみて評判がよかったという

 ここで家族をキャンプに連れて行きたいお父さん(彼氏さん)に向けてのアドバイス。男性はキャンプに行くことをストレートに楽しめるが、女性はそれだけではなにか足りない気がしているかも知れない。そこでちょもかさんがやっていたように、テーブルまわりやテント内の装飾の選択を同行する女性に頼んでみてはどうだろう。その道具を買いに行くところからキャンプを楽しめるのではないだろうか。

大がかりなものを買う必要はなく、このような一品でもあると雰囲気が変わるので、こういう部分を女性に任せることで、より一緒にキャンプを楽しめるのではないだろうか

N-VANの住人が提案するZR-Vは車中泊仕様

続いてはカーネル誌のアンバサダーであるruiさん
使用するクルマはZR-V e:HEV X。フロントロアスカート、ガーニッシュキット、サイドロア-ガーニッシュ、リアロアーガーニッシュ、LEDフォグライト、フォグライトガーニッシュ、ドアミラーカバー、ドアハンドルプロテクションカバー、テールゲートスポイラー、リアライセンスガーニッシュ、エンブレム、MG-030 19インチアルミホイールを装着

 3人目は1年のうち300日近くを「N-VANの中で過ごす」というruiさんが提案するZR-Vの車中泊スタイルだ。取材班は当初「ZR-Vで車中泊? ちょっと無理しているのでは?」と思ったが、実際の仕上がりを見たらまったくそんなことはなく、かなりワクワクする内容であった。

 そこでZR-Vの説明をするにあたって、まずはruiさんのことを知って欲しいので、愛車=「お住まい」であるN-VANを紹介したい。

1年のうち300日以上をこのN-VANで過ごしているという

 グレードは「+STYLE FUN」のFFでCVT車。当初は仕事用の機材を運ぶクルマとして購入したが、コロナ禍で仕事のやり方に変化が出てからはテレワークをする場にもなっていったという。それから車中泊の機会も増えていくうち、室内を自分好みに作り替えていった。いろいろな仕様を試したが自分が車内でやりたいことを整理すると机での作業と寝ることの2点に絞ったそうだ。

 そしてDIYで室内を製作。雰囲気だけでも最高だが、これは既製品ではなくてruiさんがN-VANの中で暮らしやすいことにこだわってモノの選択、モノの配置、機能などで構築。そこに自分の部屋としてふさわしい装飾を追加した作りなので、うらやましく憧れてしまうまさに部屋。また、かなり手の込んだクルマに仕上がっているが、穴を開けるなどの車体加工は一切なし。すべて取り外せて、そのまま別のN-VANに付けることも可能だという。

助手席は常時ダイブダウン。足もとにポータブル電源、その後にポータブル冷蔵庫。ポータブル電源はインバーター経由でアクセサリーソケットから電源を取っている
N-VANの室内。右が机、左がくつろぎおよび就寝スペースとなっている
ルーフキャリアは2つ使用。前にはテントなどキャンプ用品をケースに入れて積載。後のキャリアはコンパネにソーラーパネルを固定した太陽光発電も搭載し、室内のポータブルバッテリに充電しているという
就寝マットは折りたたみ式のクッション。ふだんはソファーとして使用する
机の引き出しにフタを付けている。引き出しを出すことで机のスペースが広がるというアイデア
天井も作り込んでいる。単に装飾のためだけなく、収納スペースとしている
家庭用カーテンレールを流用してカーテンを装着。目隠しは毎晩のことなのでシェードを貼るのではなくカーテンにしているのだという。なお丈の短いカーテンは特注品

 そんなruiさんだって最初から満足する空間が作れていたわけではない。メイク&トライを繰り返して心地いい場所を作ったという。そしてそんな人だから車中泊を楽しむツボを知り尽くしている。

 そこでZR-Vだ。まずは就寝スペース。後席を前倒して助手席を一番前までスライドさせれば伸長180cmでも真っ直ぐに寝ることが可能。ただ、前席と後席の間には空間ができてしまうが、そこに35Lサイズのトランクボックスを入れることで対処していた。

ZR-Vでの車中泊というユニークな楽しみ方を紹介
後席を前倒し、前席を前にスライドすると180cmほどの奥行きを持つスペースが作れる
前席と後席の隙間を埋めるためトランクボックスを使用する
このカタチのトランクボックスを使っている

 さらに、床面の凹凸をなくす狙いと断熱効果のある銀マットを敷き、その上にテント泊用のマットを敷けば十分寝られる状況となるのだが、N-VANの車内をDIYで自分の居所としているruiさんとしては、この空間にもruiさんらしい個性を持たせていた。

 それがカーテンやテーブル、そしてラグマットなどだが、ZR-Vを購入した人が「ZR-Vでやりたいことのリスト」において、車中泊は下位のもの、もしくは考えてもいなかったことであることも想定できる。

 そこでruiさんはあえて「簡易的」な装備を選択。ホームセンターなどで入手する「流用品」で作ることで、DIYの楽しさと、要望の下位の「コト」らしいチープ感を演出。それによりZR-Vという車格の高いクルマに対して「いたずら」をしているような雰囲気を味わう空間とした。

ペットボトルや軽食などが置けるようメッシュテーブルを積む。スマホやクルマのリモコンキーをしまっておく小物入れもあると便利だ。また、ラジオなど気に入っている小物を持ち込むのもいい。知らない町で車中泊をしながらローカルのラジオ放送を聞くのも楽しそうだ
ZR-Vはインパネにメッシュデザインを採用しているので、そこに合わせてメッシュタイプのテーブルをチョイス
銀マットは安価で効果があるアイテム。クッション性と保温性をあげるため2枚敷いている。ただそのままでは味気ないのでラグを上に敷いている
窓の目張りはマグネット付きの汎用カーテンを使用
汎用カーテンだけでは雰囲気が出ないので、自分が気に入ったカーテンを追加。カーテンレールは100円均一で買える突っ張り棒を使用。ひもなどを使って簡易的に固定。ひもも自分の好みの柄を選択して楽しむ
セパレートカーテンも装着。内装の隙間にフックをかけてカーテンを通すロープを左右に渡している。内装の隙間にフックをひっかけているだけなので、直ぐに取り外せるしクルマを加工することもない

 人の感じ方はそれぞれだろうけど、取材班はruiさんの解説を聞き、その空間を見たところ、子供のころに作った「秘密基地」を思い出した。そしてワクワクした。ZR-Vに作られたこの就寝スペースは天井高が低いのでそれほど快適ではないだろうし、テーブルがあっても床が柔らかく斜めなのでPCで仕事をするのには向いていない。でも、そんな不自由込みでワクワクする空間になっていたのだ。

 ZR-Vで車中泊ができることもトピックだが、このクルマからはそれ以上のものが感じられた。意外性を含めて、今回の展示の中でもっとも面白いと思えたモノだった。

大人のSUVと言えるスタイリッシュなZR-Vでの車中泊は意外でそして面白い

ホンダアクセスもN-VANとZR-Vでの遊び方を提案

 最後はホンダアクセスが提案する2台を紹介。まずはN-VAN。たくさんのホンダ純正アクセサリーが装着されているが、今回はテールゲートカーテンに注目。

ホンダアクセスもN-VANの用品には力を入れているが、そのなかでテールゲートカーテンに注目

 筆者もN-VANに乗っているが、景色がいいとか居心地がいい場所では、簡易的なデイキャンプスタイルを取りたいと思うことがある。具体的にはちょっとした幕の中にイスを出してのんびりしたいというもの。そんなときにサッと出せてセットできるのがテールゲートカーテン。画像のように片側をロールアップして使えるのがポイントだ。

 N-VANにはベッドキットなど車中泊用アイテムがたくさん出ているし、カーサイドタープもあるが、たいていが「展開がそれなりに大がかり」だし、常時積んでおくのも場所を取る。しかし、テールゲートカーテンなら付け外しも早く、収納も場所を取らない。N-VANでフラッとお出かけするのが好きな人には、ぴったりのアイテムだと思う。

テールゲートカーテンは2万4200円。テールゲートの長さ分の屋根ができる。1面、もしくは2面をロールアップすると気持ちいい。3面閉めると着替えも可能なほどの広いプライベート空間が確保できる
マルチボード(ラゲッジ用/リア用を組み合わせるベッド。運転席側も寝られるようになるのが特徴
ベッドの下に収納スペースができる
N-VANで人気の高いアクセサリーはルーフコンソール。価格は1万8150円。N-VANは前席まわりに収納が少ないので重宝する。ruiさんのN-VANにも付いていた
ルーフインナーサイドパイプ(ロングタイプ)も人気。価格は2万2000円。フックなどと組み合わせて袋など吊すと小物収納ができる。ルーフインナーラックも付けてあった
キャンプ場にある電源から100V電気を取り車内へ引き込める外部電源入力キット(3万7400円)。5mの電源ケーブルが付属する
ラゲッジ左後方に1500Wまで使えるコンセントとアクセサリーソケットが付く。冬場の車中泊などではエンジンをかけることなく電気毛布を使用できる

 ZR-Vはお父さんが週末に愛犬をつれてフラリと出かけるシーンを想定した装備を装備。ラゲッジスペースにはミノウラ製のサイクルキャリアを載せてクロスバイクを搭載。大径ホイール車でも前輪を外してサドルを下げることで積めてしまうのだ。

お父さんがZR-Vに乗って休日を1人で楽しむシーンを想定した仕様だが、1人ではちょっとさみしいので愛犬も一緒という設定
クーラーボックスなどと一緒にクロスバイクを搭載
後席背面もカバーするラゲッジソフトトレー(リアシートバックソフトトレー付)を装着。価格は1万9800円
サイクルキャリアは前輪を外して積むタイプを使用

 愛犬には「ペットシートプラスわん2」を助手席に用意。従来のモデルよりサイズアップさせたことで小型犬にも対応した。サイズは約35×約45×約45cm(幅×奥行き×高さ)で、表面は撥水加工。飛び出し防止のリードフック付き。助手席と後席にシートベルトや本体のベルトで固定する。また、使用しないときはペットシートプラスわん2をシートに着けたまま畳めるのでそのまま人やものを載せることもできる。

ペットシートプラスわん2。価格は2万1450円
小型犬も乗せることができる。上部だけでなく側面からも出入りできる
走行中はメッシュのフタを閉める。メッシュなので外が見えるので愛犬も安心