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国交省、福井県永平寺町の移動サービス運行車両に国内初の自動運転車(レベル4)認可

2023年3月31日 発表

 国土交通省中部運輸局は3月30日、福井県永平寺町で移動サービスとして運行する車両について、全国で初めて、道路運送車両法に基づき、運転者を必要としない自動運転車(レベル4)として認可した。

 申請者は、産業技術総合研究所で、運行主体は永平寺町。運行区間は福井県永平寺町の「永平寺参ロード」のうち約2km。運行車両は、ヤマハ製電動カートを産総研が改造し、自動運転機能を追加、運行形態は道路に敷設した電磁誘導線上を追従しながら12km/hで走行するもの。

 この自動運転車(レベル4)は、自動運転を継続することが困難な状況が生じた場合(故障、天候の急変等)には安全に停止することが可能であり、車内にも遠隔地にも運転者を必要としないものとしている。今後、2023年4月1日より施行される改正道路交通法に基づく許可が得られた場合には、運転者を配置せずに自動運転移動サービスを行なうことが可能となるとしている。

 これまで国内で認可されたレベル3の保安基準では、「安全を確保しつつ自動走行し、自動運行が困難な状況(故障、天候の急変等)が生じた場合には、運転者に運転引き継ぎの警報を発すること」とあり、運転引き継ぎの警報に対応するため運転者が必要であった。あらたに認可されるレベル4の保安基準では、「安全を確保しつつ自動走行し、自動運行が困難な状況(故障、天候の急変等)が生じた場合には、安全に停止すること」と、運転者に引き継がず自動運行装置が安全に停止するため運転者を必要としない。

 国交省では、今後の取り組みとして、交通事故の削減、地域公共交通の発展のためにこのような自動運転移動サービスを全国に拡大することが重要であると認識し、2023年を「自動運転実装化元年」と位置付け、レベル4自動運転移動サービスの実現を目指す地方公共団体の取り組みに対する支援を拡大していくとしている。