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豊田章男氏、トミ・マキネン氏とともにWRC第9戦ラリーフィンランドSS1を観戦

WRC第9戦ラリーフィンランドのSS1をトミ・マキネン氏とともに観戦する豊田章男会長

ラリーフィンランドで代表代行に就任した豊田章男会長

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(以下、TGR-WRT)とトヨタ・モビリティ基金がフィンランド ユバスキュラ市とカーボンニュートラルの達成と持続可能な社会の実現を目指して基本合意書を締結した8月3日は、ユバスキュラを舞台に行なわれるWRC(世界ラリー選手権)第9戦ラリーフィンランドのデイ1の日でもあった。

 この日、スペシャルステージとなるSS1 HARJU1のみが18時42分から行なわれ、本格的にラリーフィンランドが始まった(前日にセレモニアルスタートを実施)。

8月3日の午前中はユバスキュラ市との発表会があり、昼の激励はスーツ姿だった。夕刻スタートのSS1にはTGR-WRTユニフォームで登場した

 このラリーフィンランドで話題となっているのは、WRCを2連覇中のTGR-WRTを率いるヤリ-マティ・ラトバラ チーム代表が選手としてスポット復帰すること。チーム代表代行にはチームオーナーでありトヨタ自動車 代表取締役会長でもある豊田章男氏がこの1戦のみ就任し、チームを率いていく。

 8月3日午前中にユバスキュラ市役所での調印式を終えた豊田章男会長は、夕刻にはユバスキュラ市内にあるSS1 HARJU1に登場。午前中はスーツ姿だったが、このときにはTGR-WRTウェアとなっており、チーム代表代行として現われた。そのため本記事では、午後以降は豊田章男会長ではなく、豊田章男代表代行もしくは豊田章男氏と表記する。

豊田章男氏はトミ・マキネン氏とともにSS1を観戦

SS1のホスピタリティエリアに現われたトミ・マキネン氏。現在のトヨタラリーチームを一緒に築き上げた豊田章男氏と語る

 このSS1 HARJU1には、食事もできるホスピタリティゾーンが併設されており、食事をそこで取りたい人は夕食を兼ねてラリー観戦ができるエリアもある。日本でも野球場や常設型のサーキットでは可能な観戦スタイルだが、非常設型のモータースポーツにおいて実現できているのが、モータースポーツ観戦が文化となっているフィンランド(というよりヨーロッパですかね)ならではだろうか。

 このSS1には歴史的なラリードライバーであり、フィンランドを代表するドライバーでもあるトミ・マキネン氏も観戦に訪れた。トミ・マキネン氏は三菱自動車のランサーでWRCを4連覇するなど当時の連覇記録を更新したほか、2017年にトヨタがWRCに復帰したときのチーム代表。豊田章男氏がユバスキュラ市との発表の際に触れていたように、TGR-WRTがユバスキュラ市を本拠地とするきっかけにもなった。

 SS1のホスピタリティエリアを訪れたトミ・マキネン氏は、豊田章男氏にあいさつ。その後、豊田章男代表代行、TGR-WRT 社長兼CEO 春名雄一郎氏とともに、3人でSS1の走りを見守っていた。

 ル・マン24時間の記者会見記事においても触れたが、豊田章男氏はモリゾウ選手としての走りもトップクラスであるだけに、走りを見抜く目も超一流。2022年のWRCラリーベルギーでは、クルマのインカット走行に着目し「インカット評論家」として各選手の走りについて楽しくコメントしていた。

トヨタ社長 豊田章男 さんがいかにクルマ好きで、ラリー好きかが良く分かるひとコマ

 SS1で見学していたコーナーはインカットしづらい状況となっており、インカット評論とはならなかったものの、アップダウンのあるコースでの走りを3人で楽しく見学。マキネン氏、豊田氏、春名氏は多くのドライバーの走りを確認していたようだった。

ラリー2の走行もチェックする豊田章男氏。将来的にGRヤリス ラリー2の発売を予定しているためか、走りを見る目は厳しい