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トヨタ佐藤恒治社長、ダイハツの型式取消・是正命令にあたりお詫び 1か月後をめどに新経営体制や事業領域について発表

ダイハツの型式取消・是正命令にあたり報道対応を行なった、トヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 佐藤恒治氏

 国土交通省は1月16日、ダイハツ工業の認証不正行為に対し3車種の型式指定取消手続きを開始。23日には型式指定を取り消すための聴聞を実施する。

 型式指定が取り消されるのは、ダイハツ グランマックス、トヨタ タウンエース、マツダ ボンゴのトラック。いずれもトラックタイプのみとなる。生産を終了しているダイハツ キャスト、トヨタ ピクシスジョイについては、リコールが必要な場合は速やかに届け出を行なうよう国交省から指導を行なっている。

トヨタ佐藤社長は会見冒頭、トヨタ並びにダイハツのクルマを信頼してくれているユーザーに不安を与えていることに対しお詫びした

 さらに国交省は同日、ダイハツ 奥平総一郎社長に是正命令を手渡し、組織の刷新を求めた。ダイハツは、これらについての対応も実施する必要がある。

 国交省のダイハツ型式取消・是正命令に対し、ダイハツの100%親会社であるトヨタ自動車 代表取締役社長 佐藤恒治氏は報道対応を実施。ダイハツの親会社であるトヨタとして、ダイハツユーザーにお詫びするとともに、トヨタとして踏み込んで改革を行なうと語った。

 改革については、再発防止策、経営体制の刷新を含み、1か月後をめどに発表していく。

 トヨタ佐藤社長は、「トヨタ並びにダイハツのクルマを、ブランドを信頼し、日々クルマをご愛顧いただいているお客さまに対し、多大なご不安、ご迷惑をおかけして、改めまして心から深くお詫びを申し上げます。誠に申し訳ございません。ダイハツのクルマは、生活を守る足であり、大切な命をつなぐクルマで、国民の生活に対してなくてはならない大切なものであると思っています。そういった大切なクルマをお客さまに対して不安な状態にしてしまっていることに心から反省すべきで、1日も早くお客さまの不安を解消し、再び笑顔でご使用いただけるよう全力で取り組んでまいりたいと思います」と、冒頭にお詫びと、トヨタとしても全力で取り組んでいくことを約束した。

 佐藤社長によると、型式取消となるダイハツ グランマックス、トヨタ タウンエース、マツダ ボンゴのトラックについては、新たに型式認証作業をやり直すとのこと。現状のクルマを使い続けることについては可能であるとしつつ、認証手続き面での不備をやり直す形になる。

 ただし、現状これらの車種については新しく購入はできないため、新規購入希望者などについては、トヨタ、ダイハツともに個別に相談しつつ対応していくとした。

 現在、国交省とともに見直し作業も行なっており、国交省の許可が出れば、しかるべき形で順次生産も再開していくとのこと。ただ、二度とこのようなことのないように、再発防止策や事業の改善、経営体制の刷新は必要であるとし、1か月後をめどに発表するという。

 日野自動車、ダイハツ工業とトヨタグループで同様の事例が起きていることに対しては、グループガバナンスの面から豊田章男 代表取締役会長によって発表を行なうとしていた。これは当初2月中旬を予定していたが、前倒しで実施するとのことだ。

 生産が止まっていることから、クルマ作りを支えるサプライチェーンには資金的な不安が生じているところもある。この不安に対しては、ダイハツを通じてトヨタとしてしっかりサポートすることを明言した。

 トヨタはすでに40名の社員をダイハツに送り込んでおり、業務についてのプロセス見直しを開始している。

 佐藤社長は、「経営層がただただわるいわけではなく、会社全体がこのような状態になっていることを全従業員で理解をして、それぞれが自分でできる改善をしていく必要がある」「本当に真摯にクルマ作りに向き合っている多くの従業員がいますので、そういう人たちの未来に向けた希望をしっかり作っていくためにも、事業のスキームとプロジェクト、それから現場での対話をやっていく。それをリードできる体制をしっかりと作っていく」と、従来よりも踏み込んだ形でのトヨタのサポートを語った。