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ホンダ、2026年3月期通期決算 売上収益は0.5%減の21兆7966億円だが、EV関連損失の1兆4536億円が影響して営業利益は4143億円の赤字に

2026年5月14日 開催
2026年度3月期の通期決算について説明する本田技研工業株式会社 取締役 代表執行役社長 三部敏宏氏

 本田技研工業は5月14日、2026年3月期 通期(2025年4月1日~2026年3月31日)の決算内容を発表した。

 2026年3月期 通期の売上収益は前年同期(21兆6887億6700万円)から0.5%減となる21兆7966億1000万円、営業利益は前年同期(1兆2134億8600万円)から赤字化して4143億4600万円減、営業利益率は1.9%減、税引前利益は前年同期(1兆3176億4000万円)から赤字化して4033億円減、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期(8358億3700万円)から赤字化して4239億4100万円減となった。

 また、グループ販売台数は、4輪車が前年同期(371万6000台)から32万9000台減の338万7000台、2輪車が前年同期(2057万2000台)から152万9000台増の2210万1000台、パワープロダクツ事業が前年同期(370万台)から11万1000台減の358万9000台という結果になっている。

ホンダの2026年度3月期 通期連結業績。右側にEV関連損失について調整した場合の数値も掲載されている
2輪、4輪、パワープロダクツの事業別販売台数

EV関連損失の1兆4536億円の調整後は営業利益1兆393億円、当期利益7955億円

本田技研工業株式会社 取締役 代表執行役副社長 貝原典也氏

 同日に行なわれた説明会では、本田技研工業 取締役 代表執行役副社長 貝原典也氏が決算内容について説明した。

 貝原副社長は2026年3月期の通期決算について、「2026年3月期、2027年3月期にかけて4輪電動化戦略の見直しを行なったことに伴い、EV関連損失が発生して当社の事業実態が見えづらくなっている」との理由から、EV関連損失を反映する前の営業利益を元にした調整後利益についても合わせて開示した。

 全体の決算内容は前出のとおりとなるが、EV関連損失として計上した1兆4536億円を調整した数値として、営業利益が1兆393億円、営業利益率は4.8%、親会社の所有者に帰属する当期利益は7955億円という数字を紹介している。

 営業利益の増減要因分析でもEV関連損失を除外した数値が示され、前年同期の1兆2134億円から1741億円減の1兆393億円となっていると説明。また、米国で実施されている追加関税の影響は3469億円の減益要因になっているという。

2026年3月期 通期における営業利益の増減要因分析
事業別に見た2026年3月期 通期の売上収益と営業利益

2027年3月期の業績見通しは売上収益23兆1500億円、営業利益5000億円、当期利益2600億円を計画

2027年3月期の業績見通し

 続いて2027年3月期の業績見通しでは、4輪事業で北米で販売が増加する一方、中国を中心としたアジア市場での減少を反映して対前年度3000台増の339万台、2輪事業で主にアジアでの販売増を反映して対前年度69万9000台増の2280万台、パワープロダクツ事業は主にアジアでの増加を反映して対前年度6万1000台増の365万台の販売を計画。

 これにより、連結業績見通しは売上収益を23兆1500億円、営業利益を5000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を2600億円としている。なお、EV関連損失は2027年3月期にも営業利益を5000億円押し下げる影響を与えるため、この調整後の数値としては、営業利益は1兆円、親会社の所有者に帰属する当期利益は6200億円という数字を示している。

2027年3月期の事業別販売台数見通し

「引き続き高い財務の健全性を維持している」と三部社長

決算内容のサマリーを紹介する三部社長

 説明会では本田技研工業 取締役 代表執行役社長 三部敏宏氏も登壇して決算内容のサマリーを紹介。

 2026年3月期はBEVに関する事業環境が大きく変化する情勢を受け、迅速にEV事業と投資の再整理を実施。米国ですでに販売しているBEVの損失引当や減損を第3四半期までに行ない、2671億円のEV関連損失を計上。さらに北米で生産を予定していたBEVの発売と開発中止を決定したことで、第4四半期で1兆3106億円の追加損失を計上したことにより、2026年3月期のEV関連損失は合計1兆5778億円となっていると説明した。

2026年3月期 通期決算のサマリー

 また、2027年3月期の連結業績見通しでは、EV関連損失について「現時点では発生額を精緻に見通すことは困難」としつつ、可能な限り内容を精査して、2027年3月期のEV関連損失は5000億円と設定。これに加え、足下の中東情勢への懸念や材料価格が高騰している影響などを勘案しつつ、EV関連損失を除いた営業利益の見通しを1兆円、EV関連損失を含む2027年3月期の営業利益の見通しも黒字の5000億円としている。

2027年3月期の連結業績見通しについて

 このほか、三部社長は財務の健全性についても強調。R&D調整後営業キャッシュフローは引き続き強固な創出力を維持しており、2026年3月期の事業会社におけるネットキャッシュ残高は3.3兆円で、十分なネットキャッシュを保持。自己資本比率についても過去から積み上げてきた利益剰余金により、金融サービス事業を除く事業会社の財政状態は自己資本比率55%を維持しており、引き続き高い財務の健全性を維持しているとアピールした。

三部社長は引き続き高い財務の健全性を維持していると紹介した
本田技研工業 2026年3月期 決算説明会・2026 ビジネスアップデート(時間分秒)