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テスラ「モデルS」を国内で初披露
「CHAdeMO」に対応
(2013/1/10 20:27)
テスラモーターズジャパンは1月10日、東京 青山の同社ショールームで「モデルS」の実車を報道関係者に公開した。
モデルSは、「ロードスター」に続く同社製電気自動車(EV)。ロードスターは2シーターのオープンスポーツカーだったが、モデルSは5ドアのサルーンとなる。
一見普通の乗用車だが
モデルSの外観は、内燃機関の乗用車とほぼ同様で、長いボンネットの後にファストバックスタイルのキャビンが続いている。
しかし、そのボンネットの下にはエンジンはない。モーターはリアアクスル上に、バッテリーは床下に搭載されている。このため低重心でねじり剛性が高く、スペースユーティリティに優れるボディーを実現できた。
エンジンのあるはずのスペースはラゲッジスペースになっており、同社はこれを「フランク」と呼ぶ。この空間はクラッシャブルゾーンとしても機能している。
ボディーはオールアルミのモノコックだが、キャビンの一部には補強のためのスチールが使用されている。
サイズは4980×1960×1440mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2960mm、前/後トレッドは1660/1700mm。最低地上高は155mmだが、エアサス仕様車は約150~220mmの範囲で車高を変えることができる。車高は、高速走行時に下げるなどの自動制御のほか、手動でも変えることができる。
バッテリーは容量や性能の異なる4つのコンフィギュレーションが用意され、ユーザーはこれらから航続距離と性能、価格を考慮して選択することになる。
容量 | 推定航続距離 (NEDCドライブサイクル) | 0-100km/h加速 | 最高速度 |
---|---|---|---|
40kWh | 250km | 6.9秒 | 175km/h |
60kWh | 375km | 6.2秒 | 190km/h |
85kWh | 500km | 5.9秒 | 200km/h |
85kWh パフォーマンス | 500km | 4.6秒 | 212km/h |
リアアクスルには車載充電器が搭載されており、オプションのデュアルチャージャーを選ぶと充電時間を短縮できる。
なお同社は、日本発の自動車用充電規格「CHAdeMO」に対応することを発表した。同社が開発したCHAdeMO用のアダプターを使用する。
17インチタッチスクリーンで操作
キャビンに乗り込んでみると、ドライブシャフトやエキゾーストパイプを収めるセンタートンネルがないため、床が平らになっている。
前席はセンターコンソールで仕切られており、この中に後席用のエアコンユニットが収められているのだが、シートとシートの間の仕切りは低く、車内を左右へ移動するのは容易だ。
ダッシュボードのセンタースタックには17インチの縦長の大型タッチスクリーンがある。インフォテインメントをはじめ、空調、車体設定等はすべてこのタッチスクリーンで行うため、センタースタックにはスイッチの類がない。タップやスワイプなど、スマートフォンやタブレット端末と同じ操作をすることになる。大型のグラスサンルーフを備えるが、この開閉もタッチスクリーンで操作する。
操作系は、ステアリングホイールと、コラムから生えるシフトレバー、ライト&ワイパーコントロールレバー、クルーズコントロールレバー、アクセルとブレーキのペダルのみ。
ステアリングホイールの奥のメーターパネルも液晶パネルになっていて、エネルギー効率やナビゲーション、インフォテインメント、車両情報などを表示することができる。
日本での価格は未定
エクステリアやインテリアのカスタマイズの範囲は広いが、これらはショールームのサンプルを見ながら、タッチスクリーンでバーチャルにモデルSをカスタマイズでき、そのまま発注することもできる。
テスラモーターズはディーラーシップを採らず、ショールームはすべて直営店で、スタッフも皆、テスラモーターズの社員、という点もユニークだ。ショールームは「アップル・ストアの生みの親」と呼ばれるジョージ・ブランケンシップ氏が手がけている。
このモデルS、米国ではすでに納車が始まっているが、日本には公開された車両が1台あるのみで、これからナンバー取得の作業が始まる。したがって日本での納車時期や価格は未定だ。ちなみに米国での価格は、5万9900ドルからとなっている。
【お詫びと訂正】記事初出時、最低地上高の数値を誤っておりました。お詫びして訂正させていただきます。【お詫びと訂正】記事初出時、価格を誤っておりました。お詫びして訂正させていただきます。【お詫びと訂正】記事初出時、ロードスターもCHAdeMOに対応すると記述しましたが、その後、ロードスターへの対応は未定と確認しました。お詫びして訂正させていただきます。