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「撮ってみましたF1日本グランプリ 2013」【前編】

今年も行ってきましたF1日本グランプリ

 Car Watchが創刊した2008年から始まった「撮ってみましたF1日本グランプリ」も6年目となる。ここ数年は「毎年同じような記事しか書けないから、そろそろ終わりにしましょう」などと言っていた筆者だが、今年は「心を入れ替え」、あるいは「腹をくくって」、望まれればこの先5年、10年と体力が続く限り続けていこうと思い臨んだ2013 F1日本グランプリだ。

 そう思った1つ目の理由は、昨年の日本グランプリが素晴らしかったこと。可夢偉の大活躍が最大の要因だが、自分自身が仕事をこなしつつ、いちファンとして充分に楽しめたことは大きかった。そして、その可夢偉がF1の舞台からいなくなったこと。観客が減ることは仕方ないが、ここで支えるのがF1ファンとしての務めだ。

 もう1つの理由は、昨年の記事が多くの読者に読まれたこと。以前から多くの読者に読まれているとは編集長に聞いていたが、昨年の記事は週間アクセスランキングでなんと1位(http://car.watch.impress.co.jp/docs/rank/20121022_567690.html)。たまたま大きな新車発表などがなかったのでランキング上位となったと思われるが、読んでいただける読者が多いなら可能な限り継続していこうと思っている。

 初めて読まれた方は「凄い中身のある記事」かと思われそうな書き出しだが、過去の記事を読まれた方はご存じのとおり内容は撮影日記、どうでもよいような私的な話題が続くほぼ筆者のブログといった感じだ。しかもやたら長い。お時間のあるときにお付き合いいただければと思っている。

 昨年の記事では抜け道情報を紹介した。今年のテーマはスプーンとコスト。スプーンはもちろんスプーンカーブ。ここ数年スプーンカーブであまり撮影していないことに気付いたので、今年はスプーンでの撮影を重視してみた。コストは交通費を含む観戦コスト。毎年F1観戦をしている筆者は、知人から「F1観戦ってお金が掛かるんでしょ」と言われることが多い。おそらく観戦したことのない方で、「なんとなくチケットが高い」「鈴鹿へ行くのにお金が掛かる」「見てみたいが現地の事情が分からないから決心がつかない」と思われている方がいるだろう。高い、安いはそれぞれの判断となるが、コストも意識して参戦する鈴鹿25年目のF1日本ブランプリだ。

今年から川崎がスタート地点に

 秋はレースシーズンだ。筆者が取材するのはSUPER GT全8戦、F1、WTCC(世界ツーリングカー選手権)、WEC(世界耐久選手権)、JAF-GP、たまにスーパーフォーミュラ。昨年は9月末からSUPER GT第7戦(オートポリス)、F1(鈴鹿サーキット)、WEC(富士スピードウェイ)、WTCC(鈴鹿サーキット)、SUPER GT最終戦(ツインリンクもてぎ)と5週末連続で死にそうな忙しさだったが、今年はWTCCが1カ月前に移動したので、SUPER GT第7戦、F1、WECと3週連続となり少し楽になった。

 とは言え、WTCCの開催時期がF1より前になったので、WTCC&F1鈴鹿サーキット撮影ガイドにF1を意識して西コース編を追加したり、レース以外の仕事も入ったりで忙しい時期が長期化、9月から1日も休まず仕事に追われる日々が続いている。忙しくなったのは、名古屋在住だった筆者が1月に東京のお隣、神奈川県の川崎に事務所兼住居を借り活動拠点を移したことでレース以外の仕事が増えたことも要因だ。

 と言うことで、今年の大きな変化はスタート地点が名古屋から川崎となったこと。最寄りのIC(インターチェンジ)は東名川崎となったので、東京都内ではないが関東地方の方で「F1を観戦したいが行ったことがない」という方は参考にしていただきたい。

 撮影面ではカメラがEOS 7Dの2台体制となった。昨年の9月に2台目のEOS 7Dを購入して一瞬2台体制となったが、数日後のSUPER GT(オートポリス)で1台目がお亡くなりになり、F1は引退させたEOS 40Dを引っ張り出し7Dと40Dで撮影。今年3月、レースシーズンの開幕にあわせ3台目のEOS 7Dを購入。今シーズンはEOS 7Dの2台体制で撮影している。

 今年の観戦メンバーは高校の同級生3人。レギュラーメンバーでの観戦となった。筆者は1987年の鈴鹿から富士スピードウェイの2年を含め27年間、金曜日から日曜日まで皆勤賞。友人2人は仕事や子供の運動会など数回欠席しているが、それでも二十数回目のF1観戦だ。

 サーキット観戦を始めた1981年は横浜に住んでいた筆者だが、1987年は静岡市、1988年から浜松市、1993年から名古屋市に住んでいたので関東からのF1観戦は初めてとなる。そのため横浜に住む友人A氏と筆者は木曜日に名古屋に移動し、金曜日の朝に鈴鹿入り。昭島市に住む友人I氏は木曜日深夜に出発し、金曜日早朝に鈴鹿入りすることとなった。

 コストを考えるとI氏のように深夜に移動すると高速代が安くなるが、木曜日に名古屋で用があり前日移動となった。木曜日の朝、友人が筆者宅にきてクルマを入れ替え、筆者のステップワゴンに自転車2台を積み9時過ぎに川崎 百合ヶ丘を出発。9時半に東名川崎から高速に乗り新東名のSA(サービスエリア)で友人に運転を交代。高速道路の運転を楽にするオートクルーズコントローラー(http://car.watch.impress.co.jp/docs/series/minigoods/20130426_596972.html)の使い方を教え、名古屋近郊まで筆者は助手席で気楽に移動。最後は筆者が運転し13時過ぎに名古屋ICを降りた。高速代は平日昼間なのでETC割引で6100円。もし深夜移動ならETC割引で3400円、ガソリン代を10km/L、150円/Lで計算すると約5000円で計8400円、1人あたり4200円となる。時間は掛かるが新幹線の半額以下で移動することができる。

 木曜日に移動した理由は近所(以前住んでいた名古屋)のメガネ屋に行く用があったからだ。どうでもよい話だが、歳をとると老眼の進行が速くなる。若いころは遠くが見えるメガネが1つあれば用が足りたが、遠くが見えるメガネでは近くが見えない。近くが見えるメガネでは遠くが見えない。さらにコンタクトレンズを着けた時には老眼鏡が必要となる。まるでレーシングタイヤをハード、ミディアム、ソフト、インターミディエイト、レインと路面コンディションによって使い分けるように、目的に合わせてメガネを替える必要がある。

 特にパソコンで作業する時間の長い筆者には、30cmから60cmくらいがよく見えるパソコン用メガネは必須。それ以外にテレビを見たり、運転したりするためのメガネも必要だ。以前作ったパソコン用のメガネが見えなくなり(正確には近くが見えなくなり、見えないはずの遠くが見えるようになった)、9月に行われたWTCCの前日にメガネを2つ注文した。1つはパソコン用、もう1つは初の遠近両用。パソコン用は翌日に受け取ったが、遠近両用は時間がかかり、こちらの都合で今回の受け取りとなった。どちらのメガネも快適。特にパソコン用はパソコンとスマホを見るときだけよく見える。仕事の途中、ベランダでタバコを吸う際に遠くを歩く綺麗(そう)なお姉さんがよく見えなくて残念に思うこともあるが仕事中は快適だ。お陰で最近はお洒落目的でもないのにパソコン机はメガネだらけとなっている。

 移動前日の夜にSUPER GT第7戦のフォトギャラリー(http://car.watch.impress.co.jp/docs/photogallery/20131011_619069.html)を完成させ、深夜にF1取材の準備をし3時間ほどの睡眠で名古屋に移動となった。何もなければ早々に寝たかったが、高速で移動する途中で編集長から「金曜日にF1開幕の速報記事を」とメールを受け取っていたので、記事に記載するBS、CSの放送時間などを調べ、ある程度原稿を完成させてから就寝。5時起きしてF1日本グランプリの朝を迎えた。

 金曜日朝6時過ぎ、堀田駅で始発で移動してきたA氏をピックアップ。6時27分に伊勢湾岸道、名港潮見ICから高速に乗り6時40分にみえ川越ICを降りて国道23号に合流した。鈴鹿ICを利用するのが一般的だが、四日市~鈴鹿間は渋滞することが多く混雑すると渋滞を抜けるのに1時間近く要することもある。鈴鹿サーキットに30年近く通っているが、名古屋方面からはみえ川越IC~23号が筆者のお勧めルートだ。

 とは言え金曜日は平日、通勤渋滞があるので23号もそれなりに混む。この日は富洲原橋を渡った先で渋滞が始まったので左折して富田浜橋の手前で合流。橋を渡った先の富田浜町の信号を右折してゴソゴソと関西本線に沿って抜け道を進んだ。

 ここで来年以降に発生しそうな問題を発見。以前は川崎金属という会社があった跡地がカインズホームに。まだ建設中だが、来年以降、鈴鹿サーキットからみえ川越ICに向かう際に影響があるかもしれない。

 その後も四日市市内をJR四日市駅の手前まで進み、左折して踏切を渡り7時8分に23号に復帰。その後は順調に流れ7時26分に柳ランプウェイを右折して鈴鹿市街地に入り、7時半過ぎにマックスバリュー鈴鹿中央店に到着した。名古屋市内から約1時間半。金曜日としてはまずまず、土日はもう少し短い時間で着くだろう。

 ここで買い出し。68円のおにぎりなどを購入し道伯町のセブンイレブン付近のいつもの駐車場に到着した。鈴鹿サーキットは公式の駐車場も事前予約(購入)ができるなど充実しているが、民間の駐車場もサーキット周辺に点在しているのでクルマでアクセスする方は困ることは少ないだろう。この付近の民間駐車場の料金は金曜日は1000円~3000円。3日間駐めるなら出入りは自由なところも多い。テントを張って泊まることができる駐車場もあるので行動パターンにフィットする駐車場を見つけていただきたい。

 駐車場で深夜2時に到着した友人のI氏と合流。お世話になっている駐車場のオヤジさんともしばし雑談。8時過ぎに駐車場からママチャリで移動を開始した。サーキットホテルの出口、鈴鹿サーキット前の交差点、スポーツゲートの前にはサーキットホテルからパドックへ移動するF1ドライバーを待つファンが集まっていた。

68円のおにぎりは気持ちコストダウンに貢献
スポーツゲートの入り口にはファンが集まっていた

 グランドスタンド裏のGPスクエアに行くと、金曜日の朝から多くのファンが展示されたマシンをカメラやスマホで撮影していた。F1チケットの1つである「カメラマンエリア」からの撮影リポートも必要なため、カメラマンエリアの受付でビブスを受け取り再び自転車に乗りヘアピンに向かった。

GPスクエアでは金曜平日の朝からファンが展示マシンを撮影
カメラマンエリアのビブスを受け取るブース。昨年と場所が異なり探してしまった

 この週は10月としては全国的に異例の暑さとなり、各地で観測史上初の真夏日を記録した。金曜日の鈴鹿も30度を超える異常な暑さとなり、鈴鹿サーキット前への登り坂で50歳を過ぎた筆者は息切れ。西ストレートゲートに着いたときは疲労困憊となってしまった。

 直前までは金曜日は雨の予報だったので、暑さは予定外だが晴れたことは喜ばしい。と言うのも、前週のSUPER GT(オートポリス)は豪雨で土曜日のセッションが中止。結果としてF1日本グランプリの3日後に台風26号が関東地方を通過。F1翌週に富士スピードウェイで行われたWECは日曜日のセッション(決勝)が事実上の中止。3日間快晴というのはラッキー、振り返れば「やっぱり鈴鹿は持ってる」と感じさせる天気だった。

 西ストレートゲートにママチャリを置き徒歩でヘアピンへ。10時のセッション開始1時間前に着くつもりだったが、GPスクエアで写真を撮ったりして少々時間を要したのと、暑さで疲れたこともあり20分ほど遅れて到着。40分前だがすでにヘアピン常設席下のカメラマンエリアは隙間なし。ヘアピンの観客席も8割ほど埋まっていた。おそらくセッションが始まるころには満席になったと思われる。

セッション開始40分前には常設席下のカメラマンエリアは隙間なし
ヘアピンの観客席も8割ほど埋まっていた
ヘアピン正面のカメラマンエリアは空いていた
進入側のカメラマンエリアも空いていた

 ヘアピン常設席下のカメラマンエリアは別のセッションで撮ることにして、スプーンに移動。友人2人もスプーンにいたので合流してしばし日陰で休憩。午前中だけ日陰となる喫煙所でセッション開始を待つことにした。

灰皿は鈴鹿らしくMarlboro
スプーン進入側の土手は事実上の自由席、そこそこ観客がいた
白く見えるテントとテントの間がカメラマンエリア。この時いたのは1人だけ
テントとスタンドの間も事実上の自由席
完売となったM席の観客は金曜朝は少なめ
旧N席付近の土手にも数人の観客がいた

今年のテーマの1つ、スプーンでの撮影

 今年のテーマの1つはスプーン。そう思ったのはWTCC&F1鈴鹿サーキット撮影ガイドの最終回で西コースの撮影ポイントを紹介した際に、「最近スプーンの奥で撮ってないなあ」と反省したためだ。昨年もスプーン進入と1つ目へのブレーキングを正面で撮っただけで、1つ目と2つ目の間までは行っていない。筆者としてはお勧めの観戦&撮影ポイントなので、来年以降の記事で紹介できるように今年はスプーンの撮影を増やすのをテーマとした。スプーンを重視すると他の撮影場所が減り、フォトギャラリーのバリエーションの面ではデメリットもあるが、長期的なことを考えるとわるくない選択だと思っている。

 FP1最初の30分はあまりマシンが走らないのでノンビリと撮影を開始。最初はカメラマンエリアでスプーン1つ目のブレーキングを正面から撮影した。フォーカスポイントを左側に移し高速シャッターでの撮影は、現在のデジタル一眼レフの性能なら押せば写る写真だ。

カメラマンエリアの土手の上に立つと、ちょうど金網の上から撮影できる
フォーカスポイントを左に移し、シャッターを押せば簡単に撮れる
レタッチしてフォトギャラリーに掲載した写真(1920×1080ピクセルで掲載)

 昨年はこの場所まで撮ったが、その先は久しく撮っていない。徐々に撮影ポイントをスプーン2つ目側に移動しながら撮影を続けた。カメラマンエリアの中央、右端、さらにカメラマンエリアを抜けてM席手前の自由席エリアへ。ここでは土手上から最下段の金網付近、さらに土手の中段で金網ギリギリの位置と撮影ポジションを変更しながらFP1終了まで撮影した。

カメラマンエリア中央からスプーン1つ目方向
カメラマンエリア右端からスプーン1つ目方向
カメラマンエリアのM席側の入り口
カメラマンエリアとM席の間の土手上からスプーン1つ目方向
カメラマンエリアとM席の間の土手上からスプーン2つ目方向
土手を降りて金網越しにスプーン2つ目方向

 ポジションを替えながら撮った写真を順番に見ていこう。このセッションの撮影はすべて300mmのレンズを使用している。カメラマンエリアの中央付近でスプーン1つ目のクリッピングをシャッター速度1/125秒で撮るが、あまり面白くなかったので1/30秒に変更して撮影。カメラマンエリアの右端付近でアウト側の縁石を抜けるマシンを1/125秒でオーソドックスに撮影。カメラマンエリアを出てM席手前の土手に移動し、最初は土手の上からスプーン2つ目を高速シャッターで撮り始めたら、突如マルドナードのリアタイヤが取れてスピンしたので一応撮影。続いて最下段、金網に貼り付いてスプーン2つ目の立ち上がりを1/30秒で撮り、最後は金網ギリギリとなる中段でアウト側の縁石を抜けるマシンを撮影した。

スプーン1つ目のクリッピングをシャッター速度1/125秒撮影
シャッター速度を1/30秒に変更して撮影
レタッチしてフォトギャラリーに掲載した写真(1920×1080ピクセルで掲載)
アウト側の縁石を抜けるマシンを1/125秒で撮影
レタッチしてフォトギャラリーに掲載した写真(1920×1080ピクセルで掲載)
土手の上からスプーン2つ目を撮影
レタッチしてフォトギャラリーに掲載した写真(1920×1080ピクセルで掲載)
タイヤが取れてスピンしたので一応撮影
レタッチしてフォトギャラリーに掲載した写真(1920×1080ピクセルで掲載)
外れたタイヤが飛んでいく様子も撮ったが使い道なし
スプーン2つ目の立ち上がりを1/30秒で流し撮り
レタッチしてフォトギャラリーに掲載した写真(1920×1080ピクセルで掲載)
中段からアウト側の縁石を抜けるマシンを1/125秒で撮影
レタッチしてフォトギャラリーに掲載した写真(1920×1080ピクセルで掲載)

 午前中のセッションはこれで終了。足下を見ると土手を降りた際にジーンズと靴に大量のひっつき虫が付いていた。子供のころには珍しくない光景だったが、最近では記憶にない悲惨な状態となってしまった。

 前日に編集長から依頼のあった記事を仕上げるためにピットビル内のメディアセンターに向かうこととした。F1開催時はパドックトンネルを抜ける以外にピットビルに行く方法がない。西ストレートゲートまで歩いて戻り、自転車に乗り逆バンクゲートへ移動。逆バンク裏のオアシスで力尽き喫煙所にピットイン。エイトマンのようにタバコパワーを充電してからトンネルを抜けグランドスタンド裏からパドックトンネルを通りパドックまでたどり着いた。

 メディアセンターでスプーンで撮った写真をパソコンにコピー。朝GPスクエアで撮った写真とヘアピンの観客席、スプーンで撮ったマシンの写真から数枚選び、書きかけの原稿を仕上げて編集部に送信。午後のセッションの始まる時間が迫っていたので、お客さんの顔のボカしを編集部にお願いしたが、編集部も忙しかったようで記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20131011_619163.html)にはマシンの写真だけ掲載されていた。

スプーンで撮った写真をレタッチし、記事と合わせて編集部に送った

 原稿に追われ午後のセッション開始まで残り20分。西コースへ向かう体力も時間もないのでFP2は東コースで撮影することとした。

 グランドスタンド裏から1コーナー方面を回りB1席をチラ見してからC席へ。2重金網の切れ目をとおし2コーナーを正面から撮る定番のポイントは絵的に面白くないのでパスしてC席の中央付近まで移動。ここからC席横のカメラマンエリアまで尺取り虫的に撮影ポイントを移しながら撮影することにした。

金曜日は自由席なので人気のB2席はほぼ満席、日陰となるB1席も同様だがC席側は下段は空いている
2コーナーを撮る定番ポイントは金網の切れ目に合わせて斜めにカメラマンが集まっていた。その左右は空いている
C席中央付近で撮影開始。下段はカメラマン、上段は観戦客と住み分けられている

 C席中央付近からC席横のカメラマンエリアは撮影ポイントが豊富。200mmくらいの短いレンズでも充分撮影ができる。特にC席横のカメラマンエリアはエリア内で上下左右に撮影ポイントを移動すると異なる絵が撮れるのでお勧めのポイントだ。

金網の上から撮れるギリギリまで降りてS字進入を200mmのレンズで流し撮り。傾けて撮ったのではなく撮ったら傾いたがトリミングするので気にしない
レタッチしてフォトギャラリーに掲載した写真(1920×1080ピクセルで掲載)
スタンドの観衆をバックに200mmのレンズで縦位置で撮ったが使用せず
S字1つ目に進入するマシンを流し撮りするためC席をS字方向に移動
300mmのレンズでS字1つ目を流し撮り。シャッター速度は1/125秒
レタッチしてフォトギャラリーに掲載した写真(1920×1080ピクセルで掲載)
C席横の土手の下段。カメラマンエリアの仕切ロープよりも下でS字へ進入するマシンを斜め前から撮影。この写真はセッション終了後に撮影している
300mmのレンズで流し撮り。シャッター速度は1/125秒
レタッチしてフォトギャラリーに掲載した写真(1920×1080ピクセルで掲載)
最下段に降りて金網越しにS字2つ目に向かうマシンを背後から撮影
300mmのレンズで撮影したが、もう少し短いレンズで手前イン側の縁石を入れた方がよかったかも
レタッチしてフォトギャラリーに掲載した写真(1920×1080ピクセルで掲載)
C席横カメラマンエリアの左最上段付近からS字1つ目の右ターンへ向かうマシンを撮影
300mmのレンズを使用してシャッター速度1/160秒で撮影。トリミング後は背景が路面だけとシンプルになるのでシャッター速度を少し速めにした
レタッチしてフォトギャラリーに掲載した写真(1920×1080ピクセルで掲載)
カメラマンエリアの右最上段付近からS字1つ目の右ターンのクリッピングを斜め後ろから流し撮り
200mmのレンズを使用してシャッター速度1/125秒で流し撮り。日陰が微妙
レタッチしてフォトギャラリーに掲載した写真(1920×1080ピクセルで掲載)

車中泊してみました

 これで金曜日のセッションは終了。逆バンクゲートの駐輪場に行くと筆者のママチャリの横にいたお兄さんは電動アシスト付きの自転車だったので「電動、いいですよね」と話しかけると「鈴鹿の坂を登るために用意した」とのこと。確かに、と思うが年に3日のために自転車を買い替えるのは微妙だ。

 正面ゲートまで自転車で移動し遊園地を抜け再びメディアセンターに移動。パソコンに撮影データをコピー。デジカメのバッテリーも充電。暑さでヘロヘロになっていたので、荷物を軽くするため日曜日のドライバーズパレードまで使用しないストロボやパソコンはロッカーに入れて駐車場へ向かった。

 筆者は通常は日帰りで3日間名古屋~鈴鹿を往復、友人I氏は駐車場で車中泊を基本としている。例年なら名古屋の自宅へ向かうところだが、今回は記憶にないくらい久しぶりに車中泊をしてみた。関東から観戦にきて名古屋に泊まる家があるのはレアだろうから、今回の2つ目のテーマであるコストを意識して記事ネタとして車中泊体験をお伝えしよう。

 まずは風呂。選択肢はいくつかあるが、毎年車中泊しているI氏のお勧めで鈴鹿スポーツガーデン内の天名乃湯へ繰り出すこととした。行くまではスポーツ施設のシャワールーム程度かと思っていたが、行ってみたらなかなか豪華で露天風呂もある立派な温泉だった。入浴代は500円とリーズナブル。I氏によると金曜日は空いているが、土曜日は入場制限が行われることもあるとのこと。

 入浴後に気分はフルーツ牛乳だったが売っていなかった。何を飲もうかと自販機の前にいたら、隣のオジサンが「瓶入りのコーヒー牛乳は味が違う」と言うので筆者もコーヒー牛乳を飲むことにした。さすがに針で刺して蓋を取るタイプではなかったが、記憶にないくらい久々の瓶入りコーヒー牛乳は温泉気分を増幅してくれた。

天名乃湯の入り口。施設内の様子はホームページ(http://www.sportsmanhousesuzuka.com/spa.html)で確認していただきたい

 風呂の次は食事。遠い昔は自炊などもしたし、大勢で居酒屋に繰り出したこともあった。オッサン3人なので当然飲みに行くわけだが、足をどうするかで協議を開始。クルマで行って代行で戻る。ジャンケンで負けた人が飲まずに運転手……。まずは何処に飲み屋があるかをそのままクルマで下見。道伯町から算所町あたりまで行き、帰りは1本西側の道を戻ってくると北道伯の交差点付近に数軒の飲み屋を発見。さらに戻る途中で住吉町の方へ右折してみたが飲み屋はなし。その代わりにホームセンターなどの並びにマックスバリューがあることを発見。予定外の収穫となった。

 結局、自転車で北道伯付近まで行き深夜まで飲んで、帰りはダラダラと戻ることとなった。お店の中で「代行1500円」の貼り紙を確認。これも来年以降のプラス情報となった。

 筆者は車中泊に備え毛布と寝袋を用意、A氏も寝袋を用意してきたが、昼間同様、夜になっても気温は高く車内は暑くて寝られないほどで寝袋も毛布もこの日は不要だった。ステップワゴンの2列目、3列目をフラットにしてオッサン2人が寝始めたが、暑いので窓を少し開けることにした。これが大失敗。2人とも蚊に刺されまくって何度も目を覚ますこととなった。窓は閉めたが殺虫剤などは持っているわけもなく辛い車中泊となってしまった。

 次回後編は土曜日の予選、日曜日の決勝をお届けする。

(奥川浩彦)