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トヨタ、2014年3月期 第2四半期決算を発表

売上高は前年同期比で8753億円(16.2%)増の6兆2821億円、純利益は1805億円(70.0%)増の4384億円

決算内容を解説するトヨタ自動車 取締役副社長の小平信因氏
2013年11月6日発表

「原価低減の努力を今まで以上に続け、できるだけ為替変動に左右されない収益体制を作る努力を続けています」と語る小平副社長

 トヨタ自動車は11月6日、2014年3月期 第2四半期決算内容の説明会を実施した。

 第2四半期(7月~9月)の決算は、連結販売台数が前年同四半期比で1万2000台減の223万5000台。売上高が8753億円(16.2%)増の6兆2821億円、営業利益は2514億円(73.8%)増の5920億円、純利益は1805億円(70.0%)増の4384億円となっている。販売台数は日本国内では4万台減の57万5000台、海外市場全体では2万8000台増の166万台となっている。

 発表会では、トヨタ自動車 取締役副社長の小平信因氏が決算の概要について説明。日本国内の減少は前年がエコカー補助金により需要が拡大していたことがギャップの原因であると説明。北米市場は自動車市場が堅調に推移するなかで、RAV4やアバロンといった新車が販売を牽引して台数拡大につながっている。アジア市場ではタイでの自動車購入減税が終了したこと、インド市場が弱含みで推移したことで販売減少となった。その他の地域では、中近東、中南米を中心に販売が伸びていると説明する。

 また、通期見通しの連結販売台数は、第1四半期決算で発表した910万台という数値を据え置いている。日本市場ではここまでの景況感を背景にユーザーの購入マインドが高いこと、カローラ ハイブリッドやSAIなどのハイブリッドカーを中心とする新商品が好調ということで前回見通しの数値を1万台上方修正。北米、欧州の市場では各2万台の上方見通しだが、アジアでの停滞は続くと判断して6万台下方修正。その他の地域での1万台上方修正と合計して増減なしという見通しを出している。

世界市場全体での販売台数は、7-9月の3カ月では前年同期間比で1万2000台減の223万5000台。日本市場とアジア市場での減少がそのほかの地域での増加分を上回っている
所在地別の3カ月、6カ月の営業利益。どちらも全地域でプラスとなっている
連結決算の3カ月、6カ月の要約と6カ月の純利益増減要因。第1四半期決算から引き続き、極端な円高から円安基調にシフトしたことによる為替変動の影響が大きな押上げ要因となっている
純利益の好調な推移を受け、中間配当は純利益で最高を記録した2008年と同じ1株65円に設定。中間配当金の総額は2059億円となる
通期見通しは第1四半期決算の数値から各項目を上方修正
設備投資と減価償却費も増える見通しとしている
スライド冒頭で10月に発売したばかりの北米市場向けカローラを紹介。さらに終盤では8月にビッグマイナーチェンジを実施して販売が好調なSAIを取り上げている

 概要説明後に行われた質疑応答では、販売台数が伸び悩むアジア市場に対する分析と施策について質問され、前出のタイにおける自動車購入減税の終了を上げて販売総量が減少していることを上げたほか、競合他社が投入するエコカーモデルに対抗する車種がなかったことも原因であると説明。10月にはエコカーモデルになる新型ヤリス(ヴィッツ)を発表。今後も新型ヴィオスの発売が控えており、この2モデルで販売計画に活用していくと説明した。

 また、来年度に予定されている消費税の増税に関連する駆け込み需要については、販売見通しの数値にも需要増を反映させていると説明。需要の先取りによる減少については、消費税を増税するにあたって自動車取得税などの車体課税を増税分に見合う分だけ引き下げてほしいと要請しており、こうした自動車に関する税制が決まるまでは具体的な影響について明確に回答できないとしている。

質疑応答に臨むトヨタ自動車 取締役副社長の小平信因氏(写真右)、トヨタ自動車 常務役員の佐々木卓夫氏(写真左)
「消費税の増税後に車体課税の見直しがなければお客さまにとっての税負担は非常に重いものになり、自動車販売にも大きな影響が出て、日本の経済そのものにも大きく影響すると考えています」とコメントする小平副社長
「原価改善は2008年以降さまざまな要素を積み重ねていて、新車開発の設計や新車立ち上げ後に使うパーツの共通化、工場における生産性の改善などがあり、これを今後も続けていこうと考えています」と語る佐々木常務

(編集部:佐久間 秀)